われは貧しき者、われは罪のしもべ(BWV55)

 三位一体主日後第22主日に聴くカンタータは、1726.11.17ライプツィヒで初演されたテノール独唱カンタータです。


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 当日の福音書聖句は「兄弟を限りなく許しなさい」の教えで、天国を「決算の時」に譬え、主人に多額の負債を負った下僕が、自分に僅かな負債のある同僚を許さなかったために、主人の怒りにふれて獄に下されたことを物語っています。


 マルセル・ポンセール指揮、イル・ガルデリーノ、ヤン・コボウ(T)の演奏ででお聴きください。





われは貧しき者、われは罪のしもべ(BWV55)

1.アリア(テノール)

Ich armer Mensch, ich Sündenknecht,

わたしは哀れな人間、罪のしもべ、

Ich geh vor Gottes Angesichte

神の御前に

Mit Furcht und Zittern zum Gerichte.

お裁きのために畏れふるえながら参ります。

Er ist gerecht, ich ungerecht.

神は義であり、わたしは不義です。

Ich armer Mensch, ich Sündenknecht!

わたしは哀れな人間、罪のしもべ。

2.レチタティーヴォ(テノール)

Ich habe wider Gott gehandelt

わたしは神に逆らってきた

Und bin demselben Pfad,

そして神がわたしに示された

Den er mir vorgeschrieben hat,

神の道に

Nicht nachgewandelt.

従って歩いては来なかった。

Wohin? soll ich der Morgenröte Flügel

わたしはどこへ。曙の翼を駆って

Zu meiner Flucht erkiesen,

海の果てまで

Die mich zum letzten Meere wiesen,

逃れるべきか、

So wird mich doch die Hand des Allerhöchsten finden

しかし至高者の御手は、そこでもわたしを見出し

Und mir die Sündenrute binden.

わたしに罪を罰する鞭を備えられる。

Ach ja!

ああ、そうなのだ。

Wenn gleich die Höll ein Bette

たとえ地獄が

Vor mich und meine Sünden hätte,

わたしとその罪のために床をしつらえようとも、

So wäre doch der Grimm des Höchsten da.

至高の神の怒りがそこにあるだろう。

Die Erde schützt mich nicht,

この世はわたしを守らずに、

Sie droht mich Scheusal zu verschlingen;

おぞましいわたしを呑み込むと脅す。

Und will ich mich zum Himmel schwingen,

たとえわたしが天まで飛んでいっても、

Da wohnet Gott, der mir das Urteil spricht.

そこには神が居られ、わたしに判決を下される。

3 .アリア(テノール)

Erbarme dich!

あわれみたまえ。

Lass die Tränen dich erweichen,

涙が御心を和らげますように、

Lass sie dir zu Herzen reichen;

涙が御心に届きますように。

Lass um Jesu Christi willen

イエス・キリストに免じて

Deinen Zorn des Eifers stillen!

あなたの激しいお怒りが静まりますように。

Erbarme dich!

あわれみたまえ。

4 .レチタティーヴォ(テノール)

Erbarme dich!

あわれみたまえ。

Jedoch nun

しかし今

Tröst ich mich,

わたしは安堵している、

Ich will nicht für Gerichte stehen

わたしは裁きの庭に行くのではなく

Und lieber vor dem Gnadenthron

むしろ恩寵の御座の前の

Zu meinem frommen Vater gehen.

わが聖なる父の御前に行きたい。

Ich halt ihm seinen Sohn,

わたしは父にその御子と、

Sein Leiden, sein Erlösen für,

御子の受難と、あがないとを示そう、

Wie er für meine Schuld

御子がわたしの罪のために

Bezahlet und genug getan,

どれだけの代償を払われ充分なことをされたかを。

Und bitt ihn um Geduld,

そして父に忍耐を願おう、

Hinfüro will ich's nicht mehr tun.

今より後、もう罪は犯さないからと。

So nimmt mich Gott zu Gnaden wieder an.

だから神よ、わたしをまた御恵みのもとに受け入れてください。

5.合唱

Bin ich gleich von dir gewichen,

たとえわたしはあなたから離れても、

Stell ich mich doch wieder ein;

再び戻って参ります。

Hat uns doch dein Sohn verglichen

あなたの御子はわれらをあがなわれた、

Durch sein Angst und Todespein.

その恐怖と死の苦痛によって。

Ich verleugne nicht die Schuld,

わたしは罪を否定しないが、

Aber deine Gnad und Huld

あなたのめぐみと愛は、

Ist viel größer als die Sünde,

わたしが常にみずから感じる

Die ich stets bei mir befinde.

罪を超えてはるかに大きい。

                      対訳:松浦 純


マタイによる福音書第18章 23-35

そこで、天の国は次のようにたとえられる。ある王が、家来たちに貸した金の決済をしようとした。

決済し始めたところ、一万タラントン借金している家来が、王の前に連れてこられた。

しかし、返済できなかったので、主君はこの家来に、自分も妻も子も、また持ち物も全部売って返済するように命じた。

家来はひれ伏し、『どうか待ってください。きっと全部お返しします』としきりに願った。

その家来の主君は憐れに思って、彼を赦し、その借金を帳消しにしてやった。

ところが、この家来は外に出て、自分に百デナリオンの借金をしている仲間に出会うと、捕まえて首を絞め、『借金を返せ』と言った。

仲間はひれ伏して、『どうか待ってくれ。返すから』としきりに頼んだ。

しかし、承知せず、その中間を引っぱって行き、借金を返すまでと牢に入れた。

仲間たちは、事の次第を見て非常に心を痛め、主君の前に出て事件を残らず告げた。

そこで、主君はその家来を呼びつけて言った。『不届きな家来だ。お前が頼んだから、借金を全部帳消しにしてやったのだ。

私がお前を憐れんでやったように、お前も自分の仲間を憐れんでやるべきではなかったか。』

そして、主君は怒って、借金をすっかり返済するまでと、家来を牢役人に引き渡した。

あなたがたの一人一人が、心から兄弟を赦さないなら、わたしの天の父もあなたがたに同じようになさるであろう。」

『不届きな家来だ。お前が頼んだから、借金を全部帳消しにしてやったのだ。わたしがお前を憐れんでやったように、お前も自分の仲間を憐れんでやるべきではなかったか。』そして、主君は怒って、借金をすっかり返済するまでと、家来を牢役人に引き渡した。あなたがたの一人一人が、心から兄弟を赦さないなら、わたしの天の父もあなたがたに同じようになさるであろう。」

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われ固く信ず(BWV188)

 ピカンダーのテキストによって書かれた三位一体主日後第21主日のカンタータは、不完全な形で伝承され、初演は1728年または1729年と言われています。

 冒頭のシンフォニアはチェンバロ協奏曲ニ短調(BWV1052)のフィナーレが転用されていますが、一部が伝えられるのみで、チェンバロ協奏曲から復元されています。




 当日の福音書聖句はイエスが、再びガリラヤのカナに行き、役人カペナウムの病気の息子を癒やす話ですが、ピカンダーの台本では神への信頼が救いをもたらすことを多角的に説くもので、説話への言及は行われていません。


 カイ・ヨハンセン指揮、シュティフトムジーク・シュトゥットガルト、リディア・ヴィネス・カーティス(A)、アンドレアス・ウェルラー(T)、イェンス・ハーマン(B)の演奏動画でお聴き下さい。





われ固く信ず(BWV188)

1 .シンフオニア

2 .アリア(テノール)

Ich habe meine Zuversicht

私はこの身の信頼を

Auf den getreuen Gott gericht,

まことある神へと向けた。

Da ruhet meine Hoffnung feste.

そこで私の希望は堅く安らぐのだ。

   Wenn alles bricht, wenn alles fällt,

 すべてが砕け、すべてが倒れ、

   Wenn niemand Treu und Glauben hält,

 信実と信仰をもっ者がいなくなるときでさえ、

   So ist doch Gott der allerbeste.

 なお神は最良のものなのだから。

3 .レチタティーヴォ(バス)

Gott meint es gut mit jedermann,

神は誰のこともよくはからってくださる、

Auch in den allergrößten Nöten.

この上ない困苦の時でさえ。

Verbirget er gleich seine Liebe,

神は愛をお隠しになることもあるが、

So denkt sein Herz doch heimlich dran,

心ではひそかに、そのことを考えておられる、

Das kann er niemals nicht entziehn;

けっして愛なしではいられないのが神なのだ。

Und wollte mich der Herr auch töten,

主が私に死を与えられることもあるだろう。

So hoff ich doch auf ihn.

それでも私は、主に望みをかける。

Denn sein erzürntes Angesicht

なぜなら、その怒れる表情は

Ist anders nicht

じつはほかならぬ

Als eine Wolke trübe,

天の黒雲に等しいからだ。

Sie hindert nur den Sonnenschein,Damit durch einen sanften Regen

雲がやさしい雨を降らせてこそ、

Der Himmelssegen

天の祝福は

Um so viel reicher möge sein.

ますます豊かになりうるのだ。

Der Herr verwandelt sich in einen grausamen,

主が残酷なお方に姿を変えるのは、

Um desto tröstlicher zu scheinen;

ますます慰め豊かにあらわれるためだ。

Er will, er kann's nicht böse meinen.

主は悪を欲せられぬ、それはあり得ぬこと。

Drum lass ich ihn nicht, er segne mich denn.

だから私は主を離しません、私を祝福してくださるまでは。

4 .アリア(アルト)

Unerforschlich ist die Weise,

究めがたいのはそのあり方です、

Wie der Herr die Seinen führt.

主が自分に従う者たちをいかに導いてくださるかの。

  Selber unser Kreuz und Pein

 私たちの十字架と苦痛さえ

  Muss zu unserm Besten sein

 必ずや私たちのこの上なきものとなり、

  Und zu seines Namens Preise.

 御名の讃美へと化すのです。

5 .レチタティーヴォ(ソプラノ)

Die Macht der Welt verlieret sich.

この世の勢威は失われます、

Wer kann auf Stand und Hoheit bauen?

誰が身分と地位に頼れるでしょうか?

Gott aber bleibet ewiglich;

神はしかし、永遠にとどまるのです。

Wohl allen, die auf ihn vertrauen!

神に依り頼むすべての者は、幸いなるかな。

6 .コラール

Auf meinen lieben Gott

私のいとしい神を

Trau ich in Angst und Not;

私は不安と苦境の中で信頼する。

Er kann mich allzeit retten

神は私をいつでも助け出せるのだ、

Aus Trübsal, Angst und Nöten;

艱難、不安、もろもろの困苦から。

Mein Unglück kann er wenden,

私の不幸も神にかかれば一転する、

Steht alls in seinen Händen.

すべてが御手のうちにあるからには。

                       対訳:磯山 雅


ヨハネによる福音書 4章 47-54

この人は、イエスがユダヤからガリラヤに来られたと聞き、イエスのもとに行き、カファルナウムまで下って来て息子をいやしてくださるように頼んだ。息子が死にかかっていたからである。

イエスは役人に、「あなたがたは、しるしや不思議な業を見なければ、決して信じない」と言われた。

役人は、「主よ、子供が死なないうちに、おいでください」と言った。

イエスは言われた。「帰りなさい。あなたの息子は生きる。」その人は、イエスの言われた言葉を信じて帰っていった。

ところが、下っていく途中、僕たちが迎えに来て、その子が生きていることを告げた。

そこで、息子の病気が良くなった時刻を尋ねると、僕たちは、「きのうの午後一時に熱が下がりました」と言った。

それは、イエスが「あなたの息子は生きる」と言われたのと同じ時刻であることを、この父親は知った。そして、彼もその家族もこぞって信じた。

これは、イエスがユダヤからガリラヤに来てなされた、二回目のしるしである。

主なる神は太陽にして楯なり(BWV79)

 今日は宗教改革記念日です。マルティン・ルターが宗教改革を始めたことを記念する日で、ユリウス暦の10月31日になります。ドイツのプロテスタント信者が多い一部の州では、この日は休日になります。日本をはじめ多くの国のプロテスタント教会では、10月31日の直前の日曜日に宗教改革記念日礼拝が行なわれます。

 主なる神は太陽にして楯なり(BWV79)はBACHが1725年10月31日の宗教改革記念日のために新作したカンタータです。


最後の審判(部分画)ミケランジェロ


 当日の福音社の章句は、最後の審判の劇的情景です。天高く飛び天使が永遠の福音を伝え、別の天使がバビロンの崩壊を叫ぶ。当時の礼拝において飛翔する天使がルターの隠喩で、バビロンの教皇庁が隠喩として理解されたわけです。一方書簡章句には、天使たちの群れを伴ってのキリストの来臨と、従わない者たちへの裁きが述べられています。


 ジョン・エリオット・ガーディナー指揮、イングリッシュ・バロック・ソロイスツ、ジョアン・ラン(S)、ウィリアム・タワーズ(CT)、ジェームス・ギルクライスト(T)、ピーター・ハーベイ(B)の演奏でお聴きください。





主なる神は太陽にして楯なり(BWV79)

1.合唱

Gott der Herr ist Sonn und Schild. Der Herr gibt Gnade und Ehre, er wird kein Gutes mangeln lassen den Frommen.

主である神は、太陽にして盾。主は、恵みと誉れを与えてくださる。

主は良いものを欠かそうとはなさらない、信仰ある者たちに。

2.アリア(アルト)

Gott ist unsre Sonn und Schild!

神は、私たちの太陽にして盾!

  Darum rühmet dessen Güte

  だからその慈しみを讃えるのだ、

  Unser dankbares Gemüte,

  私たちの感謝する心は。

  Die er für sein Häuflein hegt.

  その慈しみを、神は小さい群れに施してくださる。

  Denn er will uns ferner schützen,

  神は、私たちをこれからもお守りになる、

  Ob die Feinde Pfeile schnitzen

  敵たちが矢を研ぎ、

  Und ein Lästerhund gleich billt.

  冒瀆者が犬のように吠えたとしても。

3.コラール

Nun danket alle Gott

いざ、皆神に感謝しなさい、

Mit Herzen, Mund und Händen,

心と口と両の手とで。

Der große Dinge tut

神は大きなことをしてくださった、

An uns und allen Enden,

私たちに、またすべての地の果てにまで。

Der uns von Mutterleib

神は私たちが母の胎にある時から、

Und Kindesbeinen an

また歩みつたない頃から

Unzählig viel zugut

数限りない良きことをなし、

Und noch itzund getan.

今もなお、なしてくださっている。

4.レチタティーヴォ(バス)

Gottlob, wir wissen

ありがたい、私たちは知っている、

Den rechten Weg zur Seligkeit;

至福への正しい道を。

Denn, Jesu, du hast ihn uns

なぜなら、イエスよ、あなたがそれを私たちに

durch dein Wort gewiesen,

御言葉を通じて示してくださったのですから。

Drum bleibt dein Name jederzeit gepriesen.

ゆえにあなたの名は、いつでも讃えられ続けるのです。

Weil aber viele noch

しかし、多くの者はなお

Zu dieser Zeit

この時に瀕してさえ

An fremdem Joch

異界のくびきを

Aus Blindheit ziehen müssen,

盲滅法引いているありさまです。

Ach! so erbarme dich

ああ!憐れんでください、

Auch ihrer gnädiglich,

彼らをも、御恵みによって。

Dass sie den rechten Weg erkennen

彼らが正しい道を知り、

Und dich bloß ihren Mittler nennen.

あなただけを仲立ちと呼ぶように。

5.アリア(二重唱 ソプラノとバス)

Gott, ach Gott, verlass die Deinen

神よ、ああ神よ、あなたの者たちを捨てないでください、

Nimmermehr!

今後とも、決して!

Lass dein Wort uns helle scheinen;

御言葉をもって、私たちを明るく照らしてください。

Obgleich sehr

たとえどれほど

Wider uns die Feinde toben,

私たちに対して敵が荒れ狂っても、

So soll unser Mund dich loben.

私たちの口が、あなたを讃えますように。

6.コラール

Erhalt uns in der Wahrheit,

私たちを真理の中に保ち、

Gib ewigliche Freiheit,

永遠の自由をお与えください、

Zu preisen deinen Namen

それは御名を讃美すること、

Durch Jesum Christum. Amen.

イエス・キリストによって、アーメン。

                   訳詞:磯山 雅


ヨハネによる福音書 第14章 14,6-8

 わたしはまた、別の天使が空高く飛ぶのを見た。この天使は、地上に住む人々、あらゆる国民、種族、言葉の違う民、民族に告げ知らせるために、永遠の福音を携えて来て、大声で言った。「神を畏れ、その栄光をたたえなさい。神の裁きの時が来たからである。天と地、海と水の源を創造した方を礼拝しなさい。」また、別の第二の天使が続いてきて、こう言った。「倒れた。大バビロンが倒れた。怒りを招くみだらな行いのぶどう酒を、諸国の民に飲ませたこの都が。」

われ、あこがれをもて求めゆかん(BWV49)

 三位一体主日後第20主日の聴くカンタータは、1726.11. 3ライプツィヒで初演された第3年巻のカンタータです。冒頭には、オルガンを独奏楽器とする協奏曲楽章がシンフォニアとして置かれていますが、この曲は失われたオーボエ協奏曲のパロディーです。


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 当日の福音書聖句は「婚宴の寓話」ですが、このカンタータでは旧約聖書の「雅歌」以来の伝統を受け継いで「魂とイエスの愛」を歌います。宴に招かれた「私」(信徒の魂)は、キリストの花嫁として受け入れられます。音楽的にはソプラノ(魂)とバス(イエス)の独唱者によって歌われ、合唱は用いられていません。


 クリストフ・コワン指揮、アンサンブル・バロック・ド・リモージュ、バルバラ・シュリック(S)、ゴットホルト・シュヴァルツ (B)の演奏でお聴きください。





われ、あこがれをもて求めゆかん(BWV49)


1.シンフォニア

2.アリア(バス)

Ich geh und suche mit Verlangen  

私は憧れ探し求めます、

Dich,meine Taube,schonste Braut.

あなたを、私の鳩、最も美しい花嫁よ。教えて下さい、

Sag an,wo bist du hingegangen,  

あなたはどこに行ってしまったのか。

Dass dich mein Auge nicht mehr schaut?

私の目にはもうあなたが見えないのです。

3. レチタティフとアリオーゾ(ソプラノ、バス)

(イエス)

Mein Mahl ist zubereit'  

食卓の用意はできている、

Und meine Hochzeittafel fertig,  

婚宴の支度もできている、

Nur meine Braut ist noch nicht gegenwartig.   

それなのに花嫁がまだなのです。

(魂)

Mein Jesus redt von mir;  

私のイエスが呼んでおられる、

O Stimme,welche mich erfreut!  

おお、何と喜ばしい声!

(イエス)

Ich geh und suche mit Verlangen  

私は憧れ探し求めます、

Dich,meine Taube,schonste Braut.  

あなたを、私の鳩、最も美しい花嫁よ。

(魂)

Mein Brautigam,ich falle dir zu Fussen.  

私の花婿よ、あなたの足もとにひざまづいています。

(イエス、魂)

Komm,Schonste(Schonster),komm und lass dich kussen,  

おいで、最も美しい人よ(最も美しいお方よ)、来て、口づけして下さい。

Du sollst mein(Lass mich dein)festes Mahl geniessen.  

私の祝宴を味わわせてあげよう(私に味わわせて下さい)

Komm,liebe Braut,und(Mein Brautigam! ich ) eile nun,  

おいで、愛する花嫁(私の花婿よ)、急いで、

die Hochzetkleider anzutun.  

婚宴の衣装を身につけよう。(婚宴の衣装を身につけます)

4.アリア(ソプラノ)

Ich bin herrlich,ich bin schon,  

私は輝くばかりに美しく、

Meinen Heiland zu entzunden.  

私の救い主の心を燃えさせる。

Seines Heils Gerechtigkeit  

主の救いの義こそ

Ist mein Schmuck und Ehrenkleid;  

私の飾り、栄誉の衣。

Und damit will ich bestehn,  

私が天の昇る時、

Wenn ich werd im Himmel gehn.  

主の義を身にまとうだろう。

5. レチタティフ(ソプラノ、バス)

(魂)

Mein Glaube hat mich selbst so angezogen.  

私の信仰が私自身に義の衣をまとわせました。

(イエス)

So bleibt mein Herze dir gewogen,  

それなら私の心はあなたを忘れず、

So will ich mich mit dir

あなたと共にいて、

In Ewigkeit vertrauen und verloben.  

永遠にあなたを信じ、あなたと婚約します。

(魂)

Wie wohl ist mir!  

私は何と幸いなことでしょう、

Der Himmel ist mir zufgehoben:  

天は私に開かれ、

Die Majestat ruft selbst und sendet ihre Knechte,  

尊いお方が自分からそのしもべを遣わされて招かれました。

Dass das gefallene Geschlechte  

それは堕落した人類を

Im Himmelssaal  

天の広間で

Bei dem Erlosungsmahl  

救いの食卓に

Zu Gaste moge sein,  

客とならせて下さるためです。

Hier komm ich,Jesu,lass mich ein!  

ここにいます、イエスよ、入れて下さい。

(イエス)

Sei bis in Tod getreu,  

死にいたるまで忠実でありなさい。

So leg ich dir die Lebenskrone bei.

そうすればあなたに命の冠をさずけよう。

6.アリア(バス)とコラール(ソプラノ)

Dich hab ich je und je geliebt.  

あなたを私は常に愛しています。

Wie bin ich doch so herzlich froh,

「私の心は何と喜びにあふれていることか、

Dass mein Schatz ist das A und O.

私の宝こそアルパにしてオメガ

Der Anfang und das Ende.

始めにして終わり」

Und darum zieh ich dich zu mir.

だからあなたを私のもとに引き寄せます。

Er wird mich doch zu seinem Preis

「主は私を天国に受け入れて

Aufnehmen in das Paradies

み名を讃美させて下さいます。

Des Klopf ich das die Hande.

だから手を打って主を讃美します」

Ich komme bald,  

私はすぐに来る

Amen! Amen!

「アーメン、アーメン」

Ich stehe vor der Tur,  

私は戸の外に立っている、

Komm,du schone Freudenkrone,bleib nicht lange!

「おいで下さい、美しい喜びの冠よ、ためらわないで下さい」

Mach auf,mein Aufenthalt!  

戸を開け、私の宿りよ。

Deiner wart ich mit Verlangen.

「あなたを憧れをもって待ち望みます」

Dich hab ich je und je geliebet,  

あなたを私は常に愛しています、

Und darum zieh ich dich zu mir.

だからあなたを私のもとに引き寄せます。

  対訳:川端純四郎


マタイによる福音書 22章 1~14

 イエスは、また、たとえを用いて語られた。「天の国は、ある王が王子のために婚宴を催したのに似ている。王は家来たちを送り、婚宴に招いておいた人々を呼ばせたが、来ようとしなかった。そこでまた、次のように言って、別の家来たちを使いに出した。『招いておいた人々にこう言いなさい。「食事の用意が整いました。牛や肥えた家畜を屠って、すっかり用意ができています。さあ、婚宴においでください。」』

 しかし、人々はそれを無視し、一人は畑に、一人は商売に出かけ、また、他の人々は王の家来たちを捕まえて乱暴し、殺してしまった。 そこで、王は怒り、軍隊を送って、この人殺しどもを滅ぼし、その町を焼き払った。そして、家来たちに言った。『婚宴の用意はできているが、招いておいた人々は、ふさわしくなかった。だから、町の大通りに出て、見かけた者はだれでも婚宴に連れて来なさい。』 そこで、家来たちは通りに出て行き、見かけた人は善人も悪人も皆集めて来たので、婚宴は客でいっぱいになった。王が客を見ようと入って来ると、婚礼の礼服を着ていない者が一人いた。王は、『友よ、どうして礼服を着ないでここに入って来たのか』と言った。この者が黙っていると、王は側近の者たちに言った。『この男の手足を縛って、外の暗闇にほうり出せ。そこで泣きわめいて歯ぎしりするだろう。』招かれる人は多いが、選ばれる人は少ない。」

私は喜んで十字架を負います(BWV56)

 今日の日曜カンタータは三位一体主日後第19主日、1726.10.27に初演されたバスの独唱カンタータです。独唱カンタータの中で最も名高い作品です。

 「安らかな士への憧れと確信」が主題となっており、当日の福音書の章句「イエスは船に乗って潮を渡り、自分の町に帰ってこられた」が出発点になっています。



 「荒海を小さな船で渡るような患難の人生もついには終わり、私は船から上がって約束の地に入る」という歌詞は「キリストを倣いて」生きる新との想いを表しています。


 フリップ・ヘレヴェッヘ指揮、コレギウム・ヴォカーレ・ゲント及び合奏団、ペーター・コーイ(B)の演奏でお聴きください。





私は喜んで十字架を負います(BWV56)


1.アリア

Ich will den Kreuzstab gerne tragen,

私は喜んで十字架を負います。

Er kommt von Gottes lieber Hand,

それは神の愛のみ手によって与えられて

Der fuehret mich nach meinem Plagen

苦しみを経て私を

Zu Gott,in das gelobte Land.

神のもとへ、約束の地へと導くのです。

Da leg ich den Kummer auf einmal ins Grab,

その時、私はすべての苦悩を瞬時に墓の中へ置き去りにし、

Da wischt mir die Traenen

私の救い主がご自分で

mein Heiland selbst ab.

私の涙をぬぐって下さるのです。

2.レチタティーボ

Mein Wandel auf der Welt

この世での私の歩みは

Ist einer Schiffahrt gleich:

船旅に似ています。

Betruebnis,Kreuz und Not

悲しみと十字架と苦難が

Sind Wellen,welche mich bedecken

大波のように私を覆いつくし、

Und auf den Tod

死の恐怖で

Mich taeglich schrecken;

日毎に私を脅かすのです。

Mein Anker aber,der mich haelt,

しかし私をつなぎとめる錨があります、

Ist die Barmherzigkeit,

それは神の慈愛です。神はその慈愛で

Womit mein Gott mich oft erfreut.

私をしばしば喜ばせて下さいます。

Der rufet so zu mir:

神は私に呼びかけて下さいます

Ich bin bei dir,

「私はおまえと共にいる、

Ich will dich nicht verlassen

おまえを離れることもなく

noch versaeumen!

見捨てることもない」と。

Und wenn das wutenvolle Schaumen

そして荒れ狂う波が

Sein Ende hat,

おさまった時には、

So tret ich aus dem Schiff in meine Stadt,

私は船を降りて私の町に入ります、

Die ist das Himmelreich,

そこは天の国で

Wohin ich mit den Frommen

私は敬虔な人々と共に

Aus vielem Truebsal werde kommen.

多くの苦しみを経てそこに至るのです。                    

3.アリア

Endlich,endlich wird mein Joch

ついに、ついに私のくびきから

Wieder von mir weichen muessen.

私は再び解放されるに違いない。

Da krieg ich in dem Herren Kraft,

その時、私は主にあって力を得て

Da hab ich Adlers Eigenschaft,

鷲のような力を得て、

Da fahr ich auf von dieser Erden

地上から飛び上がり、

Und laufe sonder matt zu werden.

走っても疲れることはないだろう。

O gescheh es heute noch!

ああ、今日にでも、そうなれたら!

4.レチタティーボ

Ich stehe fertig und bereit,

私は用意を整えて待っています、

Das Erbe meiner Seligkeit

浄福の嗣業を

Mit Sehnen und Verlangen

憧れと願いをこめて

Von Jesus Haenden zu empfangen.

イエスのみ手から受け取ることを。

Wie wohl wird mir geschehn,

どんなに幸せだろう、

Wenn ich den Port der Ruhe werde sehn.

安息の港をこの目で見る日は。

Da leg ich den Kummer auf einmal ins Grab,

その時、私はすべての苦悩を瞬時に墓の中へ置き去りにし、

Da wischt mir die Traenen

私の救い主がご自分で

mein Heiland selbst ab.

私の涙をぬぐって下さるのです。

5.コラール (合唱)

Komm,o Tod,du Schlafes Bruder,

来たれ、おお死よ、眠りの兄弟よ、

Komm und fuehre mich nur fort;

来て、私を連れ去れ、

Loese meines Schiffleins Ruder,

私の小舟の櫂をはずして

Bringe mich an sichern Port!

安らかな港へと私を導け。

Es mag,wer da will,dich scheuen,

お前を恐れる人もいるだろう、

Du kannst mich vielmehr erfreuen;

私には、むしろお前は喜びだ。

Denn durch dich komm ich herein

お前を通って私は入れるのだから、

Zu dem schoensten Jesulein.

あの美しいイエスのみもとに。

                  対訳:川端純四郎


マタイによる福音書 第9章 1-8

イエスは船に乗って湖を渡り、自分の町に帰ってこられた。

すると、人々が中風の人を床に寝かせたまま、イエスのところへ連れてきた。イエスはその人たちの信仰を見て、中風の人に、「子よ、元気を出しなさい。あなたの罪は赦される」と言われた。

ところが、律法学者の中に、「この男は神を冒涜している」と思う者がいた。

イエスは、彼らの考えを見抜いて言われた。「なぜ、心の中で悪いことを考えているのか。

『あなたの罪は赦される』と言うのと、『起きて歩け』と言うのと、どちらが易しいか。

人の子が地上で罪を赦す権威をもっていることを知らせよう。そして、中風の人に、「起き上がって床を担ぎ、家に帰りなさい」と言われた。

その人は起き上がり、家に帰って行った。

群衆はこれを見て恐ろしくなり、人間にこれほどの権威をゆだねられた神を賛美した。