大麻の主成分が、脳の老化と精神的退化を逆転させる可能性!

 マウスを使った実験から、大麻に含まれる有効成分を日常的に摂取することで、老化にともなう脳の老化を防止できる可能性があることが浮き彫りになってきています。しかし、その効果を得るのに投与された成分の量から、マウスの健康状態がどの程度確保できているのかは不透明です。

 

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 ドイツとイスラエルの共同研究チームによる研究では、生まれてから2か月・12か月・18か月のマウスに対して大麻に含まれる有効成分「THC(テトラヒドロカンナビノール)」を4週間にわたって与える実験が行われました。これらのマウスは年齢的に「若いマウス・中高年のマウス・老いたマウス」に分類される世代となっており、それぞれの脳の中でどのような変化が起こり、精神状態的な変化および遺伝子活性のレベルが調査されています。

 THCは大麻の陶酔作用を生みだす基となるもので、動物の体内に備わっているカンナビノイド受容体と結合することでその作用が生まれる仕組みです。これまでの研究から、このカンナビノイド受容体の働きは加齢により低下することがわかっており、研究チームは加齢に伴う精神的な働きの低下と関連していると考えています。

 そこで研究チームは、上記の3タイプのマウスにTHCを与えて、学習能力と記憶能力の変化を観察しました。その結果、全ての年代のマウスにおいて老化による影響が見られなくなったとのことで、いずれも生後2か月のマウスと同等の能力が認められたとのこと。また、遺伝子活性のレベルについても同様の「若返り効果」のようなものが確認されているといいます。

 しかし一方で、生後2か月かつTHCを与えられたマウスの脳内では、遺伝子活性の様子がTHCを与えられていない年老いたマウスと同じ状態になっていたことも判明しているとのこと。この不可思議な結果について研究チームは「さらなる検証が望まれる」としています。

 このように、「若返り」とも取れる効果が見られたマウスによる実験ですが、欠点がないわけではないようです。この研究では、体重1kgあたり3ミリグラムの有効成分がマウスに与えられており、これを1時間あたりに換算すると、体重1kgあたり毎時125マイクログラムという数値になります。人間の場合、この2倍の数値となる体重1kgあたり毎時250マイクログラムの有効成分を摂取すると、自動車の運転に明確な悪影響が現れるレベル、つまり「ラリっている状態である」ということになるため、例え老化が食い止められたとしても正常な日常生活を送れるかどうかは不透明です。研究チームでは、2017年後半にも人間が参加する研究を実施する予定とのことです。

(The Guardian、 Ars Technica、Gigazineより)


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筋力低下は死に繋がる!老化防止に大事なのは筋肉

 高齢化社会では、姿勢の保持や移動がままならなくなる老化現象に悩む人が急増しています。ここで重要になる骨や筋肉の老化は、心臓・血管・脳などの老化と同じで、40代からゆっくりと進行していくことが分かっています。


筋肉の減少は30代から始まり、進行すると命に関わることもある

 筋肉量の減少は30代から始まりますが、特に40代以降は顕著になります。健康な人でも80歳前後には30%程度の筋肉が減少します。老化によって筋肉量が減少し、握力や歩行機能の低下などの身体機能の悪化が見られる状態は「サルコペニア」と呼ばれています。

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 サルコペニアに陥ると、日常生活に支障をきたすだけではなく、転倒による骨折や、内臓機能の低下による生活習慣病から脳梗塞や心筋梗塞などの命に関わる疾患や認知症などが発症しやすくなると言われています。デスクワークなど座りっぱなしの生活をしていたり、歩かずに車ばかり利用する、日常的に運動量が少ない、運動せずにカロリーの調整だけでダイエットしている人はサルコペニアになりやすい傾向があります。


筋肉は脳に直結しているので、鍛えるには脳神経の興奮が必須

 筋肉の老化を防ぐためには、アンチエイジングの知識を身に着け、生活習慣を整えることが大切です。筋肉は身体を動かす運動器という役割にとどまらず、生きた器官として全身の臓器と密接に関わっています。骨格筋として姿勢や動作を保つ役割は想像がつきますが、消化管や血管など内臓の動きにも関与しています。

 体の中には発汗の際に働く汗線周囲の筋肉や、視力を調節するレンズ周囲の筋肉など小さな筋肉も含めると650種類もの筋肉があり、その全てが連動して生命活動を支えています。これら全ての筋肉には共通点があり、それは、筋肉は神経を介して脳とつながっています。

 医学では筋肉の理解は重要で、医学生は生理学の授業の最初に筋肉の働きを学びます。筋肉は神経・脳と一連の構造体として内臓から体幹まで人の身体の大部分を覆っているため、生理学では極めて重視されます。

 運動ばかりしている人のことを揶揄して「頭まで筋肉のよう」と言うことがありますが、面白いことにこれは筋肉と脳の関係を言い得ています。というのも、脳の中で運動を司る運動野と感覚を司る感覚野は、神経を介して筋肉と密接に結びついており、筋肉を動かすためには対応する運動野の脳神経が興奮する仕組みとなっています。逆に、脳神経が興奮するとその刺激が神経を通って筋肉に届き、初めて筋肉が動きます。すなわち、脳がしたいことを表現しているのが筋肉なので、脳と筋肉を切り離して捉えることはできません。

 最近では、筋肉を鍛えるために電気刺激で筋肉を刺激するトレーニング器具がありますが、これは実用的な筋肉の動きの改善や筋力アップにはほとんど意味をなしません。こうした機器は自分の意志とは無関係に筋肉を動かすため、筋肉を大きくする効果しかありません。使える筋肉を鍛えるには、対応する脳神経の興奮が必須なのです。


筋肉を強化する栄養素はタンパク質とビタミンD

 筋肉を作るために必要な栄養素としてまず挙げられるのは良質のタンパク質です。タンパク質は消化の際にアミノ酸に分解されて吸収されますが、このアミノ酸が筋肉を合成する原料になります。タンパク質を構成しているアミノ酸は20種類ですがそのうち9種類は体内で合成できません。そのため食事から摂り入れる必要があります。これら9種類の必須アミノ酸をバランスよく含んでいるのが良質のタンパク質になります。

 タンパク質は動物性のものと植物性のものがありますが、動物性タンパク質には9種類の必須アミノ酸が全てバランスよく含まれています。一方で植物性タンパク質は、含まれているアミノ酸にばらつきがあります。ただし、動物性タンパク質を摂り過ぎると悪玉の脂肪の摂取も過大になるリスクがあるので、動物性タンパクに偏らずに植物性タンパクも摂り入れてバランスを保つことが大切です。

(Diamond男の健康より)

うつ病が血液検査で客観的に判定できる?

 なんだか気分が優れない。どこか身体の調子がおかしい。そんなとき、人はいろんな病院にかかるものですが、最終的に精神科へと行きつき、ようやくうつ病と診断されるケースは少なくないようです。


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 このほど国立精神・神経医療研究センターによると、九州大学大学院や大阪大学大学院の教授陣からなる共同研究グループが、重度のうつ病に関連した血中代謝物の特定に成功したそうです。うつ病は、これまで患者の主観的な説明くらいでしか診断できませんでしたが、血液検査で客観的に抑うつ状態の選別が可能になるとのこと。その画期的な研究成果が、科学雑誌の「PLOS ONE」を通じて世界へ発表されました。

 同研究では、従来より行っていた、面接とアンケートによる2つの検査の他、抑うつ症状を示す患者に採血をし、メタボローム解析によって微量の血液成分から100種類を超える代謝物を同時計測しました。3つの検査を比較した結果、3-ヒドロキシ酪酸やベタインなど、特定の血中代謝物が重度のうつ病と関連性が深いことが判明しました。また、一言でうつ病と診断されても、実際には、罪悪感を抱いたり、なにごとに対しても興味関心を失ったり、生きる気力をなくしたりと、その症状はさまざまです。今回の研究では、それぞれの症状に応じて、異なる血中代謝物が関連していることも明らかになっています。

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 うつ病の各症状に影響がある血中代謝物が特定されると、それをターゲットにする食品や医薬品の開発も容易になります。将来的には、どんなうつ病の症状が強いかに応じて、その原因となる血中代謝物を抑制する食べ物や薬の処方が可能になるかもしれません。また、今回の研究では、自殺願望が強まることと関連性の高い、危険な血中代謝物が多く見られた患者を対象に、衝動的な自殺につながりやすい状況を予測するアルゴリズムも同時開発。うつ病の新たな治療方針に役立てられていきそうです。

(国立精神・神経医療研究センターHP―GIZMODOより)

鼻が利かなくなると「死が近い」!?

 俗に「鼻が利く」といえば、利にさとい人を指します。では、「鼻が利かなくなる」とどうなるのでしょうか? 実は「死亡するリスクが高い」という報告があります。

 どんなに好きな匂いでも、そればかり嗅ぎ続けると嗅覚が低下します。嗅覚器はデリケートで疲労しやすいからです。この一時的な感度の低下を「嗅覚疲労」と呼びます。

 一方、「無嗅覚症(anosmia)」と呼ばれる嗅覚の障害は、高齢層の7割にみられ、若年層においては15%以下とされています。そして従来の先行研究によれば、この嗅覚検査の成績がふるわない高齢者の場合、嗅覚が鋭い高齢者よりも相対的に「早く死亡する可能性が高い」という傾向が示唆されてきました。

 では、40代や50代の中年期以降においても、こうした死亡率に関する連鎖傾向は読み取れるものなのだろうか。あるいはそのリスクに認知症は関与しているのだろうか。

 この2点の検討を目論んで、ストックホルム大学(スウェーデン)心理学准教授のJonas Olofsson氏らが試みた研究成果が『Journal of the American Geriatrics Society』に掲載されました。


嗅覚鈍化は要注意!

 嗅覚検査と認知機能低下などの健康状態の調査を通じて、その関連性を探る今回の研究に際しては、40~90歳の被験者1774人が対象に選ばれました。すると10年間におよぶ追跡調査期間中、411人がこの世を旅立ったそうです。10年を費やして得た結果では、40~50代でも「嗅覚が鈍くなること」が早期死亡と関連する事実が示唆されました。

 具体的には、中年期以降に嗅覚が低下(鈍化)した人の場合、そうでない人と比べ「10年以内に死亡するリスクが20%ほど高い」傾向が判明しました。


嗅覚は<脳の変化>を反映した指標

 入念な解析の結果、先行研究が示唆したとおり、嗅覚検査の成績が悪い人ほど死亡リスクが「有意に高い」事実も分かりました。しかし、被験者の学歴や各自の健康状態、加齢に伴う認知機能などに関連する変数を調整・解析しても、前述のような関連性は読み取れなかったそうです。

 主筆者のOlofsson氏は、「我々ヒトの嗅覚は脳の変化をよく反映しており、<坑道のカナリア>よろしく、五感のなかでもとりわけ鋭敏な指標になるのではないかと思う」と見ています。

 そして、「先達陣の研究では、この嗅覚の低下が認知症と関連することが示されてきた。一方、今回の私たちの研究では、早期死亡との関連においては認知症が特に関与していないことが判明した。つまり、従来より考えられてきたものとは別の、生物学的な機序が背景にあるのではないかと考えている」と述べています。


匂い感じなくなるのは生命活動の終わり?

 その上で「嗅覚が鈍くなる原因」については、感染症やケガ、あるいは薬の服用など多様な理由が考えられるため、嗅覚の鈍化を感じたら「まずは医者に相談すべき」だと述べています。

 この点については、副鼻腔や鼻の問題に詳しい米シカゴ大学外科准教授のJayant Pinto氏も「嗅覚検査を行うと、実際の症状よりも嗅覚を悪く感じている人が多い。食べ物の風味には嗅覚が関与するため、食事が美味しいと感じられるうちはとくに問題はないだろう」といいます。

 陸上の生物は空気中、水中の生物は水中の化学物質を感知する機能が「嗅覚」です。同じく化学物質の受容による「味覚」との違いは、「嗅覚」の場合、(接触しなくても)自らの周辺に散らばっているものを受け取る点にあります。

 要は遠くにあるものでも匂いをキャッチし、その「正体」を知ることもできる点で優れているのです。

 嗅覚は多くの生物にとって、食べ物の探索や危険の感知、生殖活動の誘発など、生命活動に不可欠な役割を果たします。野生動物では、いかに鋭敏に匂いを感知できるかが生存に大きく関わります。ヒトも匂いを敏感に感じ取れなくなるのは、生命活動の終わりを示しているかもしれません。

(Health Pressより)

「甘味飲料」が脳の記憶力に与える影響

 1日1本の炭酸飲料、1杯のオレンジジュースだけでも脳の健康に思わしくない影響を与え得る──という新しい研究論文が米アルツハイマー病協会の機関誌『Alzheimer's & Dementia』に掲載されました。


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 糖質の多量摂取とアルツハイマー病との関連性はすでに科学者たちの間では有名なことですが、この研究は多くの人が砂糖と意識せずに消費している甘味飲料に対象を絞ったものです。分析の結果、甘味飲料を日常的に飲むと、脳の老化や記憶力の低下までもを招く可能性がわかったのといいます。


砂糖が脳に及ぼす影響

 研究者らは、4,000人あまりを対象とした、食べものに関するアンケート調査のデータを分析し、回答者を2つのグループに分類しました。

 1つは、ジュース、炭酸飲料などの甘味飲料を1日1~2杯飲む人たち。もう1つは、飲まない人たちです。この2つのグループを比較したところ、甘味飲料を1日1~2杯飲んでいる人は、飲んでいない人よりも、脳の容積が小さい、海馬が大幅に小さい、記憶検査の成績が劣る、ことが判明したのです。

 そして1日2杯以上の甘味飲料を飲む人には、さらに極端な結果が見られました。彼らの脳の老化と記憶検査の成績は、11歳年上の人と同等でした。

 「因果関係の証明はできないのですが、これらのデータは、甘味飲料の摂取には注意すべきであるということを示唆しています」と、研究の筆頭著者ボストン大学のMatthew P. Pase氏が『ニューヨーク・タイムズ』誌で述べています。


ダイエット飲料にも注意

 では、甘味飲料を人工甘味料入りのダイエット飲料に変えればよいのかというと、そうでもありません。同じ研究チームが、今度はダイエット飲料に焦点を絞って追加分析を行ってみると、人工甘味料入りの清涼飲料水には、また別の問題があることが判明しました。

 1日1杯以上のダイエット飲料を飲む人は、飲まない人より脳卒中や認知症になる確率が、飲まない人の約3倍だった、とボストン大学が発表しています。つまりダイエット飲料も甘味飲料も、脳によくないということ。どちらも、日常的に飲むと長期的悪影響を及ぼすようです。

 研究者らは、こうした飲料が実際脳にダメージを与えるとは主張しすぎないよう慎重な姿勢をみせており、ボストン大学の声明では、ダイエット飲料が直接の原因ではない可能性も指摘しています。

 しかし、甘味飲料もダイエット飲料も脳に良いことはないだろう、という主張には自信をもっているようで「甘味飲料を飲む利点はあまりなく、砂糖を人工甘味料に替えても同じことが言える」と、研究の上席著者Sudha Seshadri 神経学教授は述べています。

 そろそろ日常のドリンクを変えるときかもしれません。

(Inc.―訳:Lifehackerより)