ミラーがない車、もうすぐ実用化へ

 自動車にドアミラーやルームミラーの取り付けを義務づける国土交通省のルールが改正され、車外カメラと室内の映像モニターで代用できるようになりました。死角の減少などの効果が見込まれますが、安全性にかかわる変更だけに、故障しないことやドライバーに違和感のない使い勝手などが、実用化の条件になります。


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 改正されたのは、道路運送車両法に基づく自動車の保安基準で、これまで設置を義務づけていた「後写鏡」について、カメラとモニターでの代用が認められました。

 ミラーと同じ程度の画質や視野の確保が条件で、モニターは運転を妨げない位置に取り付けることを求めています。新基準は6月18日から施行され、国交省の認証を得た乗用車やトラック、バスなどは公道を走れるようになります。

 ルールの見直しは、国連の会議で昨年、自動車の世界的な基準が変更されたのに合わせた対応で、カメラの性能や映像処理技術の発達を受け、置き換えを認められました。日欧を先頭に、世界各地で同様の規制緩和が進む見込みです。

 カメラの導入で、ドライバーの死角をなくし、巻き込み事故などを減らし、雨の日や後部座席に大きな荷物がある時でも、後方の状況をミラーより確かめやすい、といった安全面での効果が見込まれます。

 車体から突き出たドアミラーをなくせるため空気抵抗が減る効果もあり、燃費向上や風切り音の減少につながるといいます。外観デザインの自由度も広がりそうです。


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課題は表示遅れや故障

 規制緩和を見越し、メーカーも車の「ミラーレス化」に動き出しています。独ポルシェや、昨年秋の東京モーターショーで展示されたレクサスの試作車にはドアミラーがありません。BMVも今年1月、米国の展示会でドアミラーの位置にカメラを付けた試作車を出展しました。

 実際に開発の中心を担う部品会社の動きも活発で、自動車用ミラー最大手の村上開明堂(静岡市)は基準改正に合わせて、ルームミラーに電子部品をつけて映像を表示できるようにした製品を発表。自動車メーカーに売り込んでおり、2018年度までに市販車への搭載をめざしています。

 自動車部品国内最大手のデンソーも開発を急ぐため、昨年末に画像認識技術を研究する東京のベンチャー企業に出資しました。

 萩原電気(名古屋市)は、複数のカメラ映像を見やすい形にまとめる技術を開発しました。広角で撮った映像のゆがみを補正し、合成する仕組みです。


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 しかし安全面での懸念は残ります。デンソー関係者は「画像の遅延や故障時の対応は大きな課題」と指摘します。時速100kmで走る車は1秒間で30m近く進むので、表示のわずかな遅れやカメラの破損などは、命を危険にさらしかねません。

 また、従来のミラーだと人は位置感覚を直感的に持てるのに対し、モニターでは把握しにくくなるという指摘もあり、かつてミラーの位置がボンネットからドアに変わった時も、メーカーは相当慎重になったといいます。運転者が使いやすいような工夫が喫緊の課題です。

(Asahi Digital他より)
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エンシェント室内管弦楽団

 1973年にチェンバロ奏者で指揮者のクリストファー・ホグウッドによって創設された、伝統のあるイギリスのオリジナル楽器のオーケストラです。18世紀から19世紀初頭の音楽までを古楽器で演奏することを目的とし、モーツァルトの交響曲全集や、ベートーヴェンの交響曲全集の録音が名高いのですが、古典派だけでなく、ヴィヴァルディやテレマン、バッハ、などのバロック音楽も録音しています。


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 2006年にチェンバロ奏者のリチャード・エガーが音楽監督に任命され、ホグウッドは名誉音楽監督でしたが、一昨年に亡くなりました。


 始めにリチャード・エガーのチェンバロと指揮で、2011年の演奏会の録画でカンタータの、されど同じ安息日の夕べに(BWV42)第1曲、シンフォニアをお聴きください。



 ブランデンブルク協奏曲第3番ト長調(BWV1048)はリチャード・エガーのチェンバロと指揮で2009年録音のCDですが、評価の高い演奏です。




 同じ曲をホグウッドの指揮で聴き比べてみてください。1984年の録音ですが、なぜかA=440の標準ピッチで演奏しています。古楽演奏の研究が進み技術的にも新録音の方が優れていると思います。



 バロック・ヴァイオリンのアンドリュー・マンゼは、現在イングリッシュ・コンサートの音楽監督ですが、以前はエンシェント室内管弦楽団の准音楽監督でした。当時の演奏会の録画でヴァイオリン協奏曲第2番ホ長調(BWV1042)が聴けます。演奏会なので許せるのですが、かなりアレンジした独奏です。



 最後に現代のチェンバロの名手、クリストフ・ルセとクリストファー・ホグウッドによる2台のチェンバロのための協奏曲第1番 ハ短調 (BWV1060)をお聴きください。この曲は復元されたオーボエとヴァイオリンのための協奏曲 ハ短調(BWV1060R)としてもよく演奏されます。1992年発売のCDだと思いますが美しい演奏です。


梅雨時の咳や痰は、ホコリに潜むカビが原因?

カビの棲みかは浴室や台所だけではない

 カビはお風呂場などのジメジメとした湿度の高い場所に生えると思われていますが、実はリビングや寝室のようなごく普通の居住空間にも、たくさんのカビが棲んでいます。一口にカビといっても性質はさまざまで、屋内のカビの場合、水回りのカビとホコリのカビで、この2系列に大きく分けられます。


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 浴室やトイレ、台所にいる“水回りのカビ”と、リビングや寝室にいる“ホコリのカビ”の性質は全く違います。水回りのカビは湿気が大好きで、湿度90%くらいの環境に生えます。それに対し、比較的湿気がなくても生きていけるのがホコリに潜むカビで、ホコリと一緒に空気中を漂っています。

 水回りのカビが原因で起きる病気には、喘息や副鼻腔炎などのアレルギー疾患や、夏型過敏性肺炎などがあります。夏型過敏性肺炎は、古い木造家屋の腐った木や浴室、トイレなどに発生する、トリコスポロンという真菌を吸い込むことで引き起こされる肺炎。肺を破壊することもある病気で、たびたびメディアにも取り上げられますが、実際の患者数は数千~2万人以下とみられており、頻度としては非常に少ないといいます。

 むしろ怖いのは、ホコリのカビの1つ、アスペルギルス・フミガタス(以下、フミガタス)が引き起こす、アレルギー性気管支肺アスペルギルス症だといいます。われわれは、浴室で24時間過ごすことはなく、むしろリビングや寝室のホコリを吸う機会のほうがずっと多いはずです。梅雨時に湿度が高くなるとホコリも湿気を含むようになり、カビの格好の棲みかとなります。しかも、そこに有害なフミガタスが潜んでいれば、病気のもとになることがあります。


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 アスペルギルスには250~300もの種類があり、中にはまったく無害のものも存在します。たとえば、アスペルギルス・オリゼーは、日本人には馴染みの深いコウジカビです。オリゼーは塩麹や醤油、味噌などの旨み成分を出してくれるありがたいカビですが、フミガタスは違います。

 フミガタスを吸い込むと、アレルギー反応を起こし、気管支炎や肺炎を引き起こすことがあります。これが、アレルギー性気管支肺アスペルギルス症(以下、アスペルギルス症)で 、治療が遅れると、肺の組織が破壊され、呼吸不全を招きかねない、怖い病気です。国内に20万人もの患者がいると推測されます。


アスペルギルス症は、7~8年も診断がつかないことも

 アスペルギルス症が怖いのは、専門医でも見逃す「ドクターズ・ディレイ(doctor's delay)」が多い点です。ドクターズ・ディレイとは、適切な診断・治療が遅れることですが、この病気の場合、症状が出てから診断がつくまで7~8年かかることもあるといいます。アスペルギルス症は咳や痰などのありふれた症状が多く、風邪や気管支炎、通常の喘息と紛らわしいからです。また、ここ数年、「長引く咳=咳喘息の可能性が高い」という認識が医師の間に広がってきたこともあり、咳喘息の診断を受け、治療していたのに、実は咳喘息ではなくアスペルギルス症だった…というケースも後を絶たないといいます。

 発症しても必ずしも重い呼吸器の症状が出るとは限らない点も、アスペルギルス症の特徴です。症状のピークがはっきりしないまま息切れや咳・痰がジワジワと出て、むしろ軽い症状のまま過ごす人も多く、極端な例では、健康診断の胸部X線検査で異常な影が発見されて判明したという人もいます。しかし中には、本人も気づかないうちに、肺の組織変化(線維化)が進んでしまうケースもあります。肺の組織はいったん破壊されると元には戻らず、徐々に呼吸が困難となり、最終的には酸素吸入をしなければ生活できなくなってしまいます。


フミガタスは免疫が低下している人に感染症も引き起こす

 では、カビの多い環境に住んでいると、誰もがアスペルギルス症になってしまうのでしょうか。実はそうでありません。カビに対するアレルギー反応を起こすかどうかには体質が大きく影響します。一番注意が必要なのは喘息を持っている人です。アスペルギルス症患者の9割以上は喘息を持っていることがわかっています。アスペルギルス症の発症と喘息の重症度には関連はなく、軽い喘息の人でも発症することは少なくないといいます。もちろん、喘息がなければ大丈夫、というわけでもありません。

 また、まれですが、重度の免疫不全や、抗がん剤の治療を受けて白血球が減っている状態など、極端に免疫が低下している場合は、フミガタス自体が肺の奥まで侵入し、強力な感染症を引き起こすこともあります。


根本的な改善策は、薬物療法よりも「環境改善」

 アスペルギルス症を診断するには、スギやダニのアレルギーと同じように、血液検査でフミガタスに対するアレルギーの有無を調べます。治療は、抗真菌薬に加え、喘息の薬も用いるのが基本で、アレルギーと感染症の両面があるため、この2つを併用すると効果が高いとされています。

 しかし、根本的な解決のためには、環境対策が第一です。アスペルギルスは 屋内に潜む可能性が極めて高く、無害なタイプならどの家にも100%存在します。有害なフミガタスでさえ、2~5割、つまり多ければ2軒に1軒もの割合で存在しまする。

 フミガタスが好んで棲む場所は下表の通り。この性質を踏まえた環境づくりで快適な夏を過ごしましょう。


アスペルギルス・フミガタスは部屋のどこに潜んでいる?


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湿度の低い部屋に移るか、湿度が50%以下になるよう調整する

 フミガタスを避けるには、理想的には、部屋を替えるのがベストだといいます。アスペルギルス症の患者は、北側の部屋に住んでいるということがよくあります。できるだけ風が通りやすく、東と南に窓がある部屋が良いに越したことはありません。根本的に解決するなら引っ越しが最善策ですが、たとえば一軒家で1階北側に寝室があるなら、2階南側の部屋に移るだけでも大きな改善が得られるはずです。

 とはいえ、スペースや間取りの都合上、部屋を替えるのが困難な家も多いでしょう。そうした場合は、せめて除湿機で湿度を下げます。その際の目安は「湿度50%」。50%を切るとカビが生えにくくなるので、チェックするために湿度計を置きます。ただし、部屋の中央付近と、家具と壁のすきまのようにホコリが多い場所とでは、湿度がかなり異なるため、湿度計は、ホコリが溜まりやすい場所の近くに置きます。


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カビはエアコンの内部まで入り込み、空気中に飛散する。


カビをまき散らさないよう、エアコンの管理を徹底する

 カビはエアコンの内部まで入り込み、部屋中にまき散らされます。しかも、普段の掃除では簡単に落とすことができないのが難点です。

 カビをきちんと除去するには、カビの生えた部分を直接こすったり、アルコールで拭いたりと、徹底的に掃除する必要があります。しかし素人にはエアコンの内部まで手が届きません。エアコン掃除用のスプレーで手入れしても、表面がきれいになるだけで、奥に生えたカビを除去するのは無理です。喘息の人など、カビアレルギーが気になる場合は、専門業者にクリーニングを頼むなどの予防策が必要です。


空気清浄機があるから大丈夫、と過信しない

 空気清浄機を使うことは悪いことではありませんが、部屋全体のカビを除去するほどの機能はないのが現実です。アスペルギルス症を診察する時、フミガタスに対する血中の抗体価を測りますが、空気清浄機を使って改善した人はいないといいます。それよりも、部屋を替えるような根本的な対策が効果的です。

(日経Goodayより)

過去の病気ではない結核の怖さ

1日に54人が結核を発病し、6人が死亡している日本

 昭和初期、結核は国民病とも言われ、死亡率は高く、その状態は戦後まで続きました。しかし、治療薬の進歩に伴い結核患者は1950年以降に減少に転じ、それ以降は比較的低いレベルに抑えられてきました。

 しかし現在でも、世界の他の先進国と比べると、日本で新たに結核と診断される患者数は明らかに多いといいます。2014年に日本で新たに結核と診断された患者数は、人口10万人当たり15.4人でした。他の先進国をみると、英国が12.0、フランスが7.3、オーストラリアが5.4、ドイツが5.1、米国は2.8で、日本は、結核対策においては「中進国」にとどまっています。

 具体的な数字で見ると、2014年に国内で新たに結核と診断され保健所に報告された患者の数は1万9615人、結核による死者数は2099人でした。これは、1日当たり約54人が新たに結核を発病し、約6人が結核で死亡していたことを意味します。

 同年に登録された新たな結核患者の37.7%は80歳以上でした。一方で、0~14歳の小児の新たな患者は49人(0.2%)にとどまりました。また、新規診断患者の数が多かったのは、大阪市(10万人当たり36.8)、名古屋市(同23.2)、京都市(21.8)、堺市(21.5)、神戸市(21.5)、東京23区(21.2)でした。
 

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結核菌を吸い込んでも、健康な人なら感染しにくい。

 

健康な人であれば、通常は免疫で排除される

 結核は、結核菌の感染によって起こる病気です。肺結核患者の咳やくしゃみなどを通じて空気中に飛び散った結核菌を肺の奥まで吸いこむと感染する可能性があります。感染経路は、空気感染と飛沫感染です。ただし、健康な人であれば通常、吸い込んだ結核菌は免疫などにより排除され、感染しません。

 BCGワクチンの接種を受けていないために結核に対する免疫のない人や、免疫力が低下している人が結核菌を吸い込み、運悪く感染した場合、10~15%がその後1~2年のうちに発病します。発病しないまま、菌が休眠状態となって体内に留まる人もいます。

 加齢などにより免疫力が落ちたり、がんや糖尿病などの疾患になったりすると、潜んでいた結核菌が活動を始め、結核を発病することがあります。現在、高齢の患者が多いのは、結核が蔓延していた若い頃に結核菌に感染し、免疫機能の衰えと共に発病するケースが多いためです。ただし、結核菌が体内に留まっている人のうち、実際に発病するのは10~15%程度といわれています。

 結核は人から人へと感染するため、人口密度の高い大都市で、感染者も発症者も多い傾向が見られます。


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結核に感染するリスクは三段階

 結核菌に感染するリスクをもう少し詳しく見ると、感染リスクは患者周囲の空気中に存在していた結核菌の量と、その空間の中に留まっていた時間の長さによって決まります。

 感染の危険性が最も高いのは、結核菌を排出している患者と同じ空間にいた、免疫力が低下している免疫不全症などの患者や、BCGを受けていない乳幼児です。

 続いて感染しやすいのは濃厚接触者です。こちらは、患者が結核菌を排出していた期間に、換気の悪い狭い空間(個室内、車内など)に、患者と共に長期間、または何度も留まっていた人をいいます。

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 濃厚接触者より低い頻度、または短い時間、患者と共に過ごした非濃厚接触者にも、感染リスクはありますが、深刻ではないと考えられます。

 職場や学校などで結核患者が見つかった場合には、患者との接触の度合いを調査し、基本的には上記のように分類します。感染リスクが高いとみなされた接触者には検査を行い、必要に応じて結核治療薬の予防的な投与も実施します。


働き盛りの人は受診が遅れがち。長引く咳は要注意。

 結核菌は主に肺の内部で増えるため、咳、痰、発熱、呼吸困難など、風邪のような症状を引き起こしますが、肺以外の腎臓、リンパ節、骨、脳などにも影響が現れることがあります。

 咳や痰が2週間以上続いたり、倦怠感、発熱、寝汗が続いたり、原因不明の体重減少があったときには、周囲の人にうつさないためにも、早めに医療機関の受診が必要です。日本では、働き盛りの、感染性のある(排菌している)結核患者の約3人に1人は、受診が遅れる傾向が見られます。

 結核と似た症状を引き起こす病気としては、肺炎、非結核性抗酸菌症、肺がん、気管支拡張症、良性腫瘍などが挙げられます。気になる症状があれば、子供なら小児科、大人ならば内科または呼吸器内科を受診しましょう。


指示通りに半年間治療を受ければ、基本的には治る

 結核を発病したのに治療を受けなければ、約半数は死亡するといわれています。結核は、治療を受ければ基本的には治る病気ですが、近年、複数の治療薬が効かない耐性菌が見つかるなど、新たな問題も明らかになっています。

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 結核と診断された時点で、全身状態が悪い患者、症状が深刻な患者、周囲に感染させる危険性が高い患者には入院が指示されますが、そうでなければ、外来で処方を受けて、複数の治療薬を6カ月間服用することになります。

 治療開始後は、症状が消えても指示通りに服薬します。飲み忘れや自己判断による服薬中止は、薬剤耐性菌の出現につながります。日本では、結核患者の8割以上が標準治療で完治しますが、標準治療に含まれている最も効果が高い2剤に対する耐性を獲得した結核菌(多剤耐性菌)に感染すると、さまざまな治療を受けても、約半数しか完治できません。


BCGは有効だが効果は15年程度で失われる

 結核予防に、BCGワクチンの接種は有効です。予防接種は、生後3~6カ月の乳児に1回接種されています。生後1歳までのBCGワクチン接種は、小児の結核発症を52~74%程度減らすことが示されています。ただし、効果は15年程度で失われます。

 成人の場合には、免疫力を維持することが大切です。十分な睡眠、適度な運動、適切な栄養摂取により体調を管理し、結核発症を回避しましょう。

(日経Goodayより要約)

ただ愛の神にすべてをゆだね(BWV93)

 三位一体主日後第5主日に聴くカンタータは、ライプツィヒ在任2年目の1724.7.9に初演された、ゲオルク・ノイマルクの詩・曲による神信頼のコラール、「ただ愛の神にすべてをゆだねる者は」に基づくコラール・カンタータです。



 全ての楽章でコラールの歌詞が引用され、基になったコラールと極めて強い結びつきをもっています。特に冒頭のコラールは、全体のほぼ3分の1の規模を持つ功緻な作りの合唱曲です。

 当日の福音書聖句は、ケネサレト湖畔においてイエスが「漁師を弟子に」したことを語っていますが、話は直接取り上げられず、レチタティーヴォの中で暗示されるのみです。


 ジョン・エリオット・ガーディナー 指揮、イングリッシュ・バロック・ソロイスツ、モンテヴェルディ合唱団、ジョアン・ラン(S)、ウィリアム・タワーズ(CT)、ケビー・ヴァン・レンスブルク(T)、ピーター・ハーヴェイ(B)の演奏でお聴きください。




ただ愛の神にすべてをゆだね(BWV93)

1.コラール合唱

Wer nur den lieben Gott lasst walten  

ただ愛の神にすべてをゆだね

Und hoffet auf ihn allezeit,

どんな時にも神に望みを置く者を

Den wird er wunderlich erhalten

神はふしぎなみ手で、すべての苦難と

In allem Kreuz und Traurigkeit.

悲しみの中で守ってくださる。

Wer Gott,dem Allerhochsten,traut,

至高者なる神を信頼する者は

Der hat auf keinen Sand gebaut.

砂の上に家を建てることはない。

2.コラールとレチタティヴォ(バス)

Was helfen uns die schweren Sorgen?

どんな思い煩いも何の役にたつだろうか、

Sie drucken nur das Herz

百ポンドもの苦しみと幾千の不安と

Mit Zentnerpein,mit tausend Angst und Schmerz.   

苦痛でもってただ心を悩ませるだけだ。

Was hilft uns unser Weh und Ach?

私たちが「おお」とか「ああ」とか嘆いても

Es bringt nur bittres Ungemach.

ただにがい不幸をもたらすだけだ。

Was hilft es,dass wir alle Morgen

朝ごとに私たちが

Mit Seufzen von dem Schlaf aufstehn

嘆息と共に眠りから醒め

Und mit betrantem Angesicht des Nachts zu Bette gehn?

夜には涙にぬれたおももちで床についても、何の助けになろうか。

Wir machen unser Kreuz und Leid

ただ自分の苦難と悲しみを

Durch bange Traurigkeit nur grosser.  

不安な悲しみで増し加えるだけだ。

Darum tut ein Christ viel besser, 

だからキリスト者の道はずっとすぐれている   

Er tragt sein Kreuz mit christlicher Gelassenheit.  

彼は自分の苦難をキリスト者の平安でもってすすんで担うのだ。

3.アリア(テノール)

Man halte nur ein wenig stille,

もう少しのあいだ静まっているがよい、

Wenn sich die Kreuzesstunde naht,

苦難の時が近づいているとしても。

Denn unsres Gottes Gnadenwille

私たちの神の恵みのみ旨は、どんなことをしてでも、

Verlasst uns nie mit Rat und Tat.

私たちを見捨てはしないのだから

Gott,der die Auserwahlten kennt,

選ばれた者たちを知っておられる神、

Gott,der sich uns ein Vater nennt

ご自分を父と呼ばせて下さる神は、

Wird endlich allen Kummer wenden  

きっとすべての悩みをとりのぞき、

Und seinen Kindern Hilfe senden.

その子たちに助けを送って下さるのだ。

4.二重唱・アリア(ソプラノ/アルト)

Er kennt die rechten Freudenstunden,  

神は適切な喜びの時を知っておられ、

Er weiss wohl,wann es nutzlich sei;

役に立つ時をよく知っておられる。

Wenn er uns nur hat treu erfunden 

私たちの真実に目をおとめになり、

Und merket keine Heuchelei,

私たちに偽善がないことをお認めになれば、

So kommt Gott,eh wirs uns versehn,

私たちが予期する前にお出でになって

Und lasset uns viel Guts geschehn.

多くの良い物を私たちに与えてくださる。

5.コラールとレチタティヴォ(テノール)

Denk nicht in deiner Drangsalshitze,  

困窮の暑熱の中でも、考えてはいけない、

Wenn Blitz und Donner kracht,

たとえ稲妻と雷鳴が響きわたり、

Und dir ein schwules Wetter bange macht,

暑苦しい天候が悩ましても、

Dass du von Gott verlassen seist.

神がお前をお見捨てになったなどと。

Gott bleibt auch in der grossten Not,

神は苦しみの極においても、

Ja gar bis in den Tod

死に至る時でさえ、恵みを以て

Mit seiner Gnade bei den Seinen.

その愛する者たちと共にいて下さる。

Du darfst nicht meinen,

お前は決して思ってはならない、

Dass dieser Gott im Schosse sitze,

金持ちの男のように、毎日

Der taglich,wie der reiche Mann,

楽しみと喜びの中で生きている者が、

In Lust und Freuden leben kann.

神のふところに守られている者なのだと。

Der sich mit stetem Glucke speist

いつも幸福を味わい、

Bei lauter guten Tagen,

日々好日を楽しんでいる者は、

Muss oft zuletzt,

最後には、必ず

Nachdem er sich an eitler Lust ergotzt,

むなしい快楽の後に言わざるを得ない、

"Der Tod in Topfen!" sagen.

「死は宴会の鍋の中に在り」と。

Die Folgezeit verandert viel!

時がすぎれば、すべてはうつろいゆく。

Hat Petrus gleich die ganze Nacht

ペテロは一晩中

Mit leerer Arbeit zugebracht

むなしく働いて

Und nichts gefangen;

何も獲物がなかったのに、

Auf Jesu Wort kann er noch einen Zug erlangen.

イエスのみ言葉によって、もうひと網うって獲物を手にした。

Drum traue nur in Armut,Kreuz und Pein  

そのように貧困と苦難と悲しみの中でも

Auf deines Jesu Gute

イエスの恵みに信頼せよ、

Mit glaubigem Gemute;

心からの信仰によって。

Nach Regen gibt er Sonnenschein

雨のあとに日の光がさし、

Und setzet jeglichem sein Ziel.

すべてのことは決着する。

6.アリア(ソプラノ)

Ich will auf den Herren schaun

私は主を仰ぎ見、

Und stets meinem Gott vertraun.

いつも神に信頼する。

Er ist der rechte Wundersmann,

神はまことに奇跡の方、

Der die Reichen arm und bloss  

金持ちを貧乏にし

Und die Armen reich und gross

貧しい者を富ませ、大いにし、

Nach seinem Willen machen kann.

そのみ心のままになされる。

7.コラール

Sing,bet und geh auf Gottes Wegen,

歌え、祈れ、神の道を進め、

Verricht das Deine nur getreu

お前のなすべきことを忠実にはたせ、

Und trau des Himmels reichem Segen,

そして天の豊かな祝福に信頼せよ、

So wird er bei dir werden neu.

そうすれば神は日々に新しく共にいて下さる。

Denn welcher seine Zuversicht

その信頼を神に置く者を

Auf Gott setzt,den verlasst er nicht.

神はお見捨てになることはないからだ。
川端純四郎 訳


ルカによる福音書 5章 1-11

 イエスがゲネサレト湖畔に立っておられると、神の言葉を聞こうとして、群衆がその周りに押し寄せて来た。イエスは、二そうの舟が岸にあるのを御覧になった。漁師たちは、舟から上がって網を洗っていた。そこでイエスは、そのうちの一そうであるシモンの持ち舟に乗り、岸から少し漕ぎ出すようにお頼みになった。そして、腰を下ろして舟から群衆に教え始められた。話し終わったとき、シモンに、「沖に漕ぎ出して網を降ろし、漁をしなさい」と言われた。シモンは、「先生、わたしたちは、夜通し苦労しましたが、何もとれませんでした。しかし、お言葉ですから、網を降ろしてみましょう」と答えた。そして、漁師たちがそのとおりにすると、おびただしい魚がかかり、網が破れそうになった。そこで、もう一そうの舟にいる仲間に合図して、来て手を貸してくれるように頼んだ。彼らは来て、二そうの舟を魚でいっぱいにしたので、舟は沈みそうになった。これを見たシモン・ペトロは、イエスの足もとにひれ伏して、「主よ、わたしから離れてください。わたしは罪深い者なのです」と言った。とれた魚にシモンも一緒にいた者も皆驚いたからである。シモンの仲間、ゼベダイの子のヤコブもヨハネも同様だった。すると、イエスはシモンに言われた。「恐れることはない。今から後、あなたは人間をとる漁師になる。」そこで、彼らは舟を陸に引き上げ、すべてを捨ててイエスに従った。

その疲れは「休め」のサイン!

約4割の人が半年以上続く慢性的な疲労を感じている

 2012年に厚生労働省疲労研究班が一般地域住民2000人を対象に実施した疫学調査によれば、38.7%の人が半年以上続く慢性的な疲労を感じており、そのうち2.1%には日常生活に支障をきたすような慢性的な疲労が見られました。

 また、2012年に文部科学省研究班が行った医療機関受診患者の調査でも、約45%に半年以上続く慢性的な疲労が認められました。

 1970年から1980年代にも6〜7割の人に疲れが見られましたが、大半は一晩寝ればとれる軽い疲れでした。インターネットやスマートフォンの普及、企業でのリストラの加速、成果主義の浸透など、生活や労働環境の変化に伴い、今は慢性的な疲れに変わってきています。ストレスの質が変わってきたといえるかもしれません。



疲労は体の異常を知らせるアラーム信号

 疲労のきっかけの一つは、ストレスです。ストレスには人間関係の悩みなどの「精神的ストレス」だけではなく、過重労働や激しい運動のような「身体的ストレス」、紫外線や化学物質、猛暑、感染症などのさまざまな「生活環境ストレス」もあります。 

 これらのさまざまなストレスがかかると、体の神経系・免疫系・内分泌系のシステムにひずみが生じ、細胞レベルではタンパク質や遺伝子に傷がつきます。本来、人間にはそれを修復する能力が備わっていますが、運動や作業を止めずに続けた場合や、過度のストレス状況に置かれた場合などには傷を修復することができません。そのため、人は「だるい」「しんどい」という感覚で疲労を自覚することによって、休息をとり、元の健康な状態に回復させています。

 疲労は痛み・発熱と並んで、体の異常や変調を知らせる三大アラームの一つで、人間にとって必要な感覚なのです。


「休め」という警告を無視して働き続けると?

 疲労感を覚えたら、一旦活動を休止して休息するというのが健全な状態です。とはいえ、現実的には分かっていてもなかなか休めない」という人も多いく、「休め」というアラームを無視して働き続けると、細胞の傷が修復できなくなり、心筋梗塞や脳血管障害などの深刻な事態に陥ることもあるといいます。

慢性的な疲労に陥るメカニズム


 ストレスは、体の神経系・免疫系、内分泌系のシステムに絶えず影響を与えていますが、通常は体にひずみが生じても修復され、この3つのシステムが大きく崩れることはありません。

 しかし、修復能力を超える強大なストレスや、長期間にわたりストレスがかかると、次第にナチュラルキラー(NK)細胞などの免疫力が低下して、ウイルスに対する抵抗力が弱くなります。すると体に潜在していたウイルス(ヘルペスウイルスなど)が元気になって、口唇ヘルペスのような発疹ができたり、風邪を繰り返したりすします(ウイルスの再活性化)。

 こうなると免疫系は防御体制を発令して、体を守るための免疫物質をつくり出し、この免疫物質はウイルスを抑えるのには有効ですが、脳に悪影響を与えます。それが、なかなかとれない疲れや不安・抑うつなどの症状を引き起こすのだといいます。

 最近の研究で、このような免疫物質は脳の中でもつくられていることがわかってきました。免疫物質が脳内でつくられると、セロトニンなどの神経伝達物質を介して行われる情報交換がうまくいかなくなり、さまざまな慢性疲労の症状が現れます。

 長年の疲労研究の成果により、さまざまな疲労に伴う症状には、脳の機能異常が関係していることが明らかになってきています。機能異常が起こる脳の部位と、全身の痛み、疲労感、抑うつなど、現れる症状との相関もわかってきており、これからは脳の画像で疲労を診る研究が進むとみられます。

 セロトニンなどの神経伝達物質による脳内の情報交換がうまくいかなくなると、疲れているのに疲労感を自覚できなくなることもあります。いわば「疲労感なき疲労」です。

 周囲からほめられて一時的に達成感を味わったり、自分は必要とされていると思うと、脳の中で快楽を司るドーパミンや、怒りのホルモンといわれるノルアドレナリンなどの神経伝達物質が増え、疲労感が覆い隠されてしまうのです。


慢性疲労に陥る前にまずは自分の疲れを意識しよう

 覆い隠された疲労は、自覚はなくても体の活動能力は低下している状態で、気づかずに活動し続ければ、最悪の場合、過労死などの急激な破綻につながることもあるため注意が必です。こうした自覚しにくい疲労の状態を知るためにも、客観的に疲労を評価できるバイオマーカー(生物学的指標)が求められます。

 個人レベルでは、慢性的な疲労に陥る前に、自分の疲れの状態に心を配り、その日の疲れはその日のうちに回復させることを意識します。また、同じストレスでも、それに対する感受性やストレス処理(コーピング)の仕方によって、疲れの感じ方は大きく違ってきます。

 こだわりが強い固着性気質、完璧主義の人は高い成果を上げることができますが、ストレスを強く感じやすいことも知られています。より意識してしっかりとマネジメントすることが大切です。

 具体的にはストレスがあるときは誰でもその原因を分析し、解決しようとしますが、なかなか解決できない場合は、可能であればその状況から“抜け出すこと”が重要です。それができない場合は、家族や友人、同僚などに自分の状況を説明して共感してもらう、あるいは、怒る、泣くといった感情表現をすることも大切だといいます。

 1日の睡眠や週末の休息では回復しない疲労が蓄積している場合は要注意です。1カ月以上続けば「遷延性疲労」、6か月以上続けば「慢性疲労」と呼びます。慢性疲労症候群と呼ばれる病気が慢性疲労と混同されることがありますが、慢性疲労症候群は日常生活そのものが破壊されるような深刻な病態で、単なる「慢性疲労」とは区別する必要があります。長く疲労が続いている場合は、医療機関へ相談しましょう。


自身の疲労度をセルフチェックしよう!

 図は、疲労度を自己診断するためのチェックリストです。各項目(の白い点数欄)に、「全くない」から「非常に強い」まで当てはまる点数を記入します(ピンク色の点数欄には記入しなくてよい)。記入が終わったら同じ列の点数を合計すると、身体的、精神的、それぞれの疲労度合いが、両方を足すと総合評価が分かります。「疲れたな」と感じたら、こうしたリストを使って疲れ具合をチェックしましょう。


(日経Goodayより)

わが主キリストはヨルダン川に来たれり(BWV7)

 6月24日は洗礼者ヨハネの誕生日とされ、正教会、カトリック、聖公会、ルーテル教会それぞれの祭日となっています。イエス・キリストの半年前に生まれたとされるため、クリスマスの半年前の6月24日に誕生日が定められました。

 キリスト教で、誕生日が聖名祝日となっているのは、イエス・キリスト、聖母マリア、そしてこの洗礼者ヨハネだけです。イエスに先駆けた洗礼者ヨハネは、聖人の中でも特別な存在で、ヨルダン川で人々に洗礼を施し、イエスにも洗礼を施したため、正教会では「前駆授洗者」と呼ばれます。


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キリストの洗礼(ヨアヒム・パティニール)


 この曲の基になるコラールは1514年にマルティン・ルターによって書かれたもので、第1節と第7節の詞がそのまま冒頭合唱と終結コラールの歌詞として使われています。このカンタータはヨハネではなく、ヨハネの洗礼を受けにヨルダン川を下ってくるイエスに焦点を当てて始まります。1724.6.24ライプツィヒで初演されました。


 エリック・ミルンズ指揮、モントリオール・バロック、スージー・ルブラン(S)、ダニエル・テイラー(CT)、チャールズ・ダニエルズ(T)、ステファン・マクラウド(B)の演奏でお聴きください。合唱は各パート一人づつのOVPPです。




わが主キリストはヨルダン川に来たれり(BWV7)


第1曲 合唱

Christ unser Herr zum Jordan kam

私たちの主キリストは、ヨルダン川に来た、

nach seines Vaters Willen,

それは父なる神の御旨に従つて、

von Sankt Johanns die Taufe nahm,

聖∃ハネから洗礼を受け、

sein Werk und Amt zu erfüllen;

そのわざと使命とを全うするためであつた。

da wollt’ er stiften uns ein Bad,

それによって、私たちは洗礼の水を注がれて、

zu waschen uns von Sünden,

罪から洗い清められるだけでなく、

ersäufen auch den bittern Tod

つらい死の定めを水に沈めて無効とし、

durch sein selbst Blut und Wunden,

主御自身の血と傷を通して、

es galt ein neues Leben.

新しい命を生きるものとされた。

第2曲 アリア(パス)

Merkt und hört, ihr Menschenkinder,

心して聞きなさい、人として生まれた者たちよ、

was Gott selbst die Taufe heißt.

神が洗礼をどのように定められたのかを。

Es muß zwar hier Wasser sein,

もちろんここには水が必要だが、

doch schlecht Wasser nicht allein.

ただ普通の水さえあればよいのではない。

Gottes Wort und Gottes Geist

神の言葉と神の霊とが、

tauft und reiniget die Sünder.

罪びとに洗礼を授け、清めて下さるのだから。

Merkt und hört, . . .

心して聞きなさい、

第3曲 レチタティーウオ(テノール)

Dies hat Gott klar

このことを神ははっきりと

mit Worten und mit Bildern dargetan,

言葉と形で明らかにして下さった。

am Jordan ließ der Vater offenbar

ヨルタン川のほとりで御父は御自身を啓示して

die Stimme bei der Taufe Christi hören;

キリストの洗礼に際して声を聞かせた。

er sprach:

神は言われた、

dies ist mein lieber Sohn,

これは私の愛する息子、

an diesem hab ich Wohlgefallen,

私の喜びとする者である。

er ist vom hohen Himmelsthron

彼はいと高き天の玉座を離れ、

der Welt zu gut

世のために良かれと、

in niedriger Gestalt gekommen

へりくだった姿で現れ、

und hat das Fleisch und Blut

肉と血を受けて

der Menschenkinder angenommen;

人間として生まれて来たのだ。

den nehmet nun als euren Heiland an

あなたたちは救い主として彼を受け入れ、

und höret seine teuren Lehren!

その尊い教えに聞き従いなさい。

第4曲 アリア(テノール)

Des Vaters Stimme ließ sich hören;

父なる神はその声を聞かせ

der Sohn, der uns mit Blut erkauft,

子なる神 やがて私たちをその血で買い戻す方は

ward als ein wahrer Mensch getauft.

まことの人として洗礼を受けられた

Der Geist erschien im Bild der Tauben,

さらに聖霊が鳩の姿で現れたことによって

damit wir ohne Zweifel glauben,

私たちは疑いなく信じることができる

es habe die Dreifaltigkeit

三位一体の神が

uns selbst die Taufe zubereit’.

私たちの受ける洗礼を整えて下さったのだと

第5曲 レチタティーウオ(ハス)

Als Jesus dort nach seinem Leiden

イエスがその受難ののち

und nach dem Auferstehn

復舌を成し遂げ

aus dieser Welt zum Vater wollte gehn,

この世力b御父のもとに行こつとした時

sprach er zu seinen Jüngern:

弟子たちにこのよっに言い残された

Geht hin in alle Welt

全世界へ行つて

und lehret alle Heiden,

すへての民を数えなさい

wer glaubet und getaufet wird auf Erden,

この世で信じて洗礼を受ける者は

der soll gerecht und selig werden.

正しき者とされ 幸福を受ける

第6曲 アリア(アルト)

Menschen, glaubt doch dieser Gnade,

人々よ、ぜひともこの恵みを信じなさい、

daß ihr nicht in Sünden sterbt,

あなたたちは罪の内に死ぬのではなく、

noch im Höllenpfuhl verderbt.

地獄の底で朽ちてしまうのでもありません。

Menschenwerk und heiligkeit

人間の行ないや名誉は

gilt vor Gott zu keiner Zeit.

神の前では何の価値もありません。

Sünden sind uns angeboren,

罪は私たちに生まれつきのものであり、

wir sind von Natur verloren;

私たちは本来なら滅びるペきものなのです。

Glaub und Taufe macht sie rein,

けれど、信仰と洗礼の恵みは私たちの罪を清め、

daß sie nicht verdammlich sein.

もはや罰せられることのないものとするのです。

第7曲 コラール〔合唱)

Das Aug allein das Wasser sieht,

目だけで洗礼の水を見るなら、

wie Menschen Wasser gießen,

人が水を注いでいるに過ぎない。

Der Glaub allein die Kraft versteht

信仰だけがそこに恵みの力を理解する、

des Blutes Jesu Christi,

イエス キリストの血の力を。

und ist für ihn ein rote Flut

一筋の赤い流れ、

von Christi Blut gefärbet,

キリストの血によって染められた水の流れが、

die allen Schaden heilet gut

すべての過ちをすっかり癒して、

von Adam her geerbet,

アダムから受け継いだ罪も

auch von uns selbst begangen.

私たち自身が犯した罪も清めて下さる。

対訳:小林 英夫

ルカによる福音書 第1章 57~80
 さて、月が満ちて、エリサベトは男の子を産んだ。 近所の人々や親類は、主がエリサベトを大いに慈しまれたと聞いて喜び合った。 八日目に、その子に割礼を施すために来た人々は、父の名を取ってザカリアと名付けようとした。ところが、母は、「いいえ、名はヨハネとしなければなりません」と言った。 しかし人々は、「あなたの親類には、そういう名の付いた人はだれもいない」と言い、 父親に、「この子に何と名を付けたいか」と手振りで尋ねた。 父親は字を書く板を出させて、「この子の名はヨハネ」と書いたので、人々は皆驚いた。 すると、たちまちザカリアは口が開き、舌がほどけ、神を賛美し始めた。近所の人々は皆恐れを感じた。そして、このことすべてが、ユダヤの山里中で話題になった。 聞いた人々は皆これを心に留め、「いったい、この子はどんな人になるのだろうか」と言った。この子には主の力が及んでいたのである。 父ザカリアは聖霊に満たされ、こう預言した。 「ほめたたえよ、イスラエルの神である主を。主はその民を訪れて解放し、 我らのために救いの角を、僕ダビデの家から起こされた。昔から聖なる預言者たちの口を通して語られたとおりに。 それは、我らの敵、すべて我らを憎む者の手からの救い。 主は我らの先祖を憐れみ、その聖なる契約を覚えていてくださる。これは我らの父アブラハムに立てられた誓い。こうして我らは、 敵の手から救われ、恐れなく主に仕える、 生涯、主の御前に清く正しく。幼子よ、お前はいと高き方の預言者と呼ばれる。主に先立って行き、その道を整え、 主の民に罪の赦しによる救いを知らせるからである。  これは我らの神の憐れみの心による。この憐れみによって、高い所からあけぼのの光が我らを訪れ、 暗闇と死の陰に座している者たちを照らし、我らの歩みを平和の道に導く。」 幼子は身も心も健やかに育ち、イスラエルの人々の前に現れるまで荒れ野にいた。

いかに免疫力を高めるか

免疫力とは

 「免疫」は、言葉の通り、「疫(やまい)を免れる」ことを言います。病気を起こす病原体の侵入を防ぎ、増殖をおさえ、感染症と言う病気からのがれることができます。さらに、体から発生したガン細胞に対して働く免疫もあり、これを腫瘍免疫と呼びます。

 免疫は様々な病気に対する防御システムですが、免疫システムの不調によって、自分を攻撃する「自己免疫疾患・膠原病」、無害な物質を攻撃する「アレルギー」、免疫が働かない「免疫不全」を引き起こすこともあります。

 正常な免疫システムを免疫力とすると、いかに免疫力を高めるかが大事になってきます。感染症に対する対策として、免疫を高めることについて考えてみましょう。

 この免疫が働くためには、まずは、自分と異物を認識する必要があります。自分でない異物を有害なものと認識して、体内から排除するのが免疫の基本です。

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免疫システムを表現した図


 感染症における異物は、細菌・ウイルス・真菌(カビ)・寄生虫などの病気を起こす微生物などです。これらの病原体に対して働く免疫には2種類あり、病原体すべてに対する防衛反応として働く「自然免役」と、一度侵入した病原体が再び侵入した時に防衛反応として働く「獲得免疫」があります。

 しかし、ウイルスなどの病原体も日々変化しています。ワクチンも接種していない状態で、初めてかかる感染症をいかに軽くするかは、自然免疫を高めることにかかっています。


自然免疫とは

 自然免疫は病原体すべてに対して働く免疫システムです。この免疫に関わる細胞が、好中球・好酸球・マクロファージ・NK(ナチュラルキラー)細胞です。

 好中球やマクロファージと呼ばれる白血球は、病原体を自分の中に取り込んで、そのまま一緒に死んでしまいます。感染症の戦いの場では、前線の兵士のように身体を呈して守ってくれるわけです。白血球は常に骨の中の骨髄という場所で作られ、幹細胞という細胞からどんどん細胞分裂をしていきます。

 また、自然免疫に関わるタンパク質に補体と呼ばれる成分があります。補体の働きは、細菌に対して補体が結合して破壊したり、細胞性免疫を助けて白血球が細菌を取り込むのを助けることです。

 これらの免疫の結果、白血球の戦った跡が膿となり、体外に排出されます。その意味では、膿は治ってきている過程だと考えられます。

 自然免疫を高めるキーポイントは「白血球」です。白血球を活性化させるポイントが3つあります。


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十分な栄養・バランスのよい食事をとる

 白血球が常に増えていくためには、タンパク質や脂肪、糖分やミネラル、葉酸など数多くの種類の栄養素が必要になります。どの食材・サプリ等だけを摂れば良いというものではなく、バランスよく必要な量の食事を取ることが重要です。


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睡眠が大事

 睡眠もとても重要です。睡眠不足の人は風邪や感染症にかかる危険性が高く、4倍以上のリスクがあるというデータがあります。

 カリフォルニア大学サンフランシスコ校のAric A. Prather先生らの報告によると、18歳から55歳の成人164人を対象に1週間の睡眠時間を調査し、風邪のウイルスであるライノウイルスを感染させて、風邪をひく割合を鼻粘膜のサンプルなどから検討しました。

 1日の睡眠時間が6時間未満であった人は、最低7時間の睡眠を取った人と比べて風邪をひく可能性が4.2倍高く、睡眠時間が5時間未満では、風邪をひく可能性は4.5倍になりました。 

 このことから、睡眠不足は免疫力が低下することが証明されました。もちろん、風邪をひいてしまった後であっても、免疫を高めるためにゆっくりと休むことが重要です。


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ストレスコントロールをする

 ストレスもまた免疫力を落とします。ストレスによって自律神経のバランスも崩れて交感神経が優位になり、消化吸収が悪くなります。そのため、白血球に必要な栄養が不足してしまいます。また、交感神経が優位になると寝付きが悪くなり、睡眠不足になります。睡眠不足は免疫を低下させるうえ、身体にストレスが加わるという悪循環が生まれます。

 さらに、ストレスがかかると身体には副腎皮質ホルモンが産生されます。このホルモンには炎症をおさえる作用があるので、免疫力を下げることになります。

 ストレス解消には、適度に運動したり、趣味を持ったり、ゆったりとした気分になるのが大事です。そして、心の安心をもつためには、「大丈夫」「何とかなる」「1人じゃない」という言葉を心に留めていたらよいでしょう。

 当たり前のことのようですが、意外と難しいですね。しかし病気は予防が大事ですから、予防のためには免疫力を高めましょう。

(All Aboutより)

シンフォニア ニ長調(BWV1045)

 この曲は管弦楽曲の単独のシンフォニアとして現存する唯一の作品ですが、冒頭に書かれた「イエスに賛美を」という記述により、失われた教会カンタータの導入楽章として作られたと思われます。他の作曲家のヴァイオリン協奏曲が原曲ではないかとの説もあります。

 BACHの自筆譜は149小節までしかなく、通常は短いカデンツァを挿入して冒頭のリトルネッロの主題を演奏して締めくくられます。


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 以下4つの演奏を聴き比べてみました。


トン・コープマン指揮、アムステルダム・バロック・オーケストラ



ニコラス・アーノンクール指揮、ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス



リチャード・ヒコックス指揮、ノーザン・シンフォニア、はオルガン協奏曲に編曲して、ピーター・ハーフォードがオルガン演奏をしています。



マックス・ポンマー指揮、ライプツィヒ新バッハ・コレギウム・ムジクム



 トン・コープマンの演奏が一番落ち着いて聴けます。アーノンクールはテンポも遅く、管楽器群の演奏レベルが低いので時代遅れの感は免れません。
 リチャード・ヒコックスとマックス・ポンマーの演奏はA=440Hzで、ピリオド楽器ではなく、近代楽器の演奏だと思います。
 しかしこの曲は何度聞いても、BACHの作品とは思えません。他の作曲家の作品を、カンタータの冒頭のシンフォニアのために編曲したのでしょうか。自筆譜がなければBACHの作品とは見做されなかったと思います。

減塩はどこまで必要か? 高血圧の95%はいまだ原因不明

「食塩」と「高血圧」の関連

 脂肪や糖などの摂りすぎを気にする人が増えている一方、最近、かつてほど減塩が騒がれないのは、「塩分イコール高血圧のもと」が人々に定着し、減塩が浸透しているからでしょう。


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 この背景には、1970年代の減塩ブームがあります。「塩は悪者」と刷り込まれて、しょっぱいものを食べるとなんとなく罪悪感にかられる人も多いことでしょう。

 減塩ブームは、まず1960年代に米国で起きました。きっかけは、1961年に米国のブルックヘブン国立研究所のルイス・ダールが疫学調査で、食塩摂取量と高血圧の発症率に相関があることを示唆したことです。減塩ブームは、日本にも広がり、食塩摂取量の多かった秋田県や長野県などで減塩運動が行われたことはよく知られています。

 しかし、ダールの疫学調査の後、ほかの科学者によりさまざまな動物実験や臨床調査が行われましたが、再現性のある結果が得られませんでした。科学的な根拠が不明瞭なまま、「塩分を摂りすぎると高血圧になる」ということが、定説化しました。減塩の必要性が明確なのは、腎臓疾患など一部の人のみです。


年々少なくなる日本人の食塩摂取量

 たしかに日本人の食塩摂取量は多く、戦前は1日に20グラム近くも食塩を取っていたと考えられます。1975年の日本人の食塩摂取量は男女とも1日あたり13~14グラムでしたが、年々減少し、2014年の国民健康栄養調査によれば、成人の食塩摂取量は男性10.9グラム、女性は9.2グラムでした。

 1979年に厚生省が食塩摂取目標量を1日あたり10グラムと定めましたが、食塩摂取量の減少にともない何度か見直され、2015年には、1日あたり男性で8.0グラム未満、女性7.0グラム未満に引き下げられました。

 これは世界保健機構(WHO)が推奨する1日あたり5グラム未満よりも多いのですが、和食は醤油やみそなどの調味料を使うため、基本的に塩分が多くなります。高血圧や腎臓疾患のある人の食塩摂取量の目標値が3~6グラムですから、1日5グラムの食塩では、和食になれた健常人にとっては、ほとんど味のない生活になり、耐えられない人もいるでしょう。


高血圧の95%は原因が不明確

 食塩の摂取量はどこまで減らすべきなのでしょうか。こんなに食塩摂取目安量が少なくなると、「食塩ゼロが理想的な食生活」という誤解を生んでしまうかもしれません。

 しかし生命を維持するために食塩は不可欠です。1日に1グラムほどの食塩は最低限必要だと考えられています。古代、食塩が貴重だったころの人々は、動物の肉や血を食べることで塩分を補いました。江戸時代には、塩不足で死者が出ることもあったといいます。

 摂取した食塩(塩化ナトリウム)は、ナトリウムイオンと塩素イオンとして小腸から吸収され、ほとんどが尿中に排出されます。腎臓はナトリウムの排出器官であり、調節器官でもあります。

 体内のナトリウムイオンは、血液などの体液量を調節する主役です。細胞内にあるカリウムイオンとのバランスで浸透圧を維持することで、体液量を調節しています。また、生体内の情報伝達に関わり、神経や筋肉の働きに重要な役割を果たしています。

 ナトリウムの吸収や排出は「レニン-アンギオテンシン-アルドステロン系」というホルモン系でおもに調節されています。このホルモン系は、尿の排出量を調節し、ナトリウムを再吸収することで血圧を正常に保とうとする調節機構であり、塩分の過剰摂取や不足により浸透圧が変化した場合も働きます。



 塩分の過剰摂取が続けば、高血圧の原因になると言われています。そもそも高血圧とは、血管内を流れている血液の圧力が高くなり続けている状態のことで、脳卒中や心筋梗塞の原因となる動脈硬化を促進します。

 じつは、高血圧の95%は本態性、つまり原因がよく分かっていません。生活習慣や遺伝による体質、肥満などいろいろな要因が複雑にからみあって発症すると言われていますが、その原因は解明されていません。

 結局、高血圧の原因もよく分からず、「食塩を摂りすぎると高血圧になる」という常識が成り立ってきたのです。


食塩の感受性は人によって異なる

 「食塩を摂りすぎると高血圧になる」という因果関係を明確にできないのは、高血圧のなりやすさには個人差があり、食塩を摂ると血圧が上がり、減塩すると血圧が下がるという単純な仕組みだけではないからです。

 世界には食塩を使わない「塩なし民族」と言われる人々がいます。塩なし民族は、動物の肉や血液から間接的に塩分を摂取する程度です。


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 そのうちアマゾンの原住民であるヤノマミインディアンの血圧を調べたところ、年齢に関係なく血圧の高い人はいませんでした。一方、おなじインディアンですが、食塩を使うようになったテレナインディアンは血圧は高かったと1992年に報告されました。

 これで食塩と高血圧の発症が関連していることが人で示されました。しかしすべての人が、食塩を過剰に摂取すると血圧が上がり、減塩すると血圧が下がるわけではないことも明らかになっています。

 これは食塩に対する血圧の反応性が人によって異なり、食塩を摂りすぎると敏感に反応して血圧が上がりやすい食塩感受性の人とそうでない人がいるためです。食塩感受性は以前から知られていましたが、その違いがどうして生じるのかは解明されず、食塩感受性の定義も定まらないので、食塩感受性があるか、ないかを判定することも難しかったわけです。

 2011年に東京大学の藤田敏郎教授らが、動物実験によって食塩感受性高血圧の分子メカニズムを解明しました。塩分感受性のネズミは、食塩を摂りすぎると、腎臓の交感神経が活発になり、塩分排泄に関わる遺伝子の働きが抑えられてしまいます。その結果、体内にナトリウムがたまり、血圧が上がるのだといいます。

 さらに研究が進めば、個人の塩分感受性に応じた治療法や分子メカニズムを標的とした高血圧の治療薬が開発される可能性があります。


「現状よりやや減塩」が現実的な選択

 極端な減塩をすると高血圧とは別の健康障害をもたらすことも知られており、減塩に関する議論は続いています。ただ、疫学調査の結果からは食塩の過剰摂取と高血圧の発症の相関は明らかなので、摂りすぎに気を付けるのはもちろんのことです。しかし、食塩の摂取量だけを気にしても高血圧の問題は解決しそうにありません。

 高血圧に大きくかかわるのは、食塩摂取量ではなく、ナトリウム摂取量です。ただし、私たちは、調味料に含まれるグルタミン酸ナトリウムなどからもナトリウムを摂取しているので、それらのナトリウムに気をつけるのも一考です。加工食品には、ナトリウムを多く含むものが多く、ナトリウム量を表示する食品も多くあります。

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 また、体液中のナトリウムの濃度は、カリウムとのバランスで決まり、カリウムが多ければナトリウムは排出されます。カリウムをたくさん含む野菜や果物を食べて、十分な量のカリウムを摂取しましょう。なお、一部ににがりの多い塩や塩田でつくった塩が「天然塩」と称され、高血圧を予防できるという誤解があるようですが、どんな塩であろうとも塩化ナトリウムであることには変わりがなく、高血圧予防効果はありません。

 人によって適当な食塩量は異なるし、高血圧を気にしすぎて、おいしいものをがまんするのはもったいないので、バランスのよい食事を心がけることで、豊かな食生活を送りたいものです。

(Japan Business Press より)