マーティン・パールマン&ボストン・バロック

 ボストン・バロックは1973年に鍵盤楽器奏者のマーティン・パールマンにより「バンケット・ムジカーレ」の名でアメリカ最初の古楽器アンサンブルとして設立されました。以来規模を拡大して、現在ではアメリカを代表する古楽器オーケストラとしてボストンを拠点に活動しています。設立から現在までパールマンが音楽監督を務めています。


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 最初に管弦楽組曲第3番(BWV1068)から第2曲のアリアからお聴きください。近代楽器のような澄んだ弦楽器の響きですが、もちろんバロックピッチで演奏しています。



 1994年に発売されたブランデンブルク協奏曲(全曲)と2003発売の管弦楽組曲(全曲)は伝統的な演奏スタイルと重厚感のある響きのため、古楽ファンだけでなく一般のクラシック愛好家からも高く評価されています。

 その中からまずブランデンブルク協奏曲第2番ヘ長調(BWV 1047)の第1楽章をお聴きください。



 もう1曲、管弦楽組曲第1番ハ長調(BWV1066)から終曲の パスピエですが、ボストン・バロックの音色はやはり近代楽器に近い気がします。殆どアゴーギクをつけないためかもしれません。



 最後にブランデンブルク協奏曲(全曲)をリンクしておきます。時間のあるときに聴いてみてください。速めのテンポで演奏していますが、不自然なアクセントをつけないオーソドックスな演奏には好感が持てます。


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糖尿病と認知症の“危険な関係”

65歳以上の糖尿病患者の40%近くに認知機能の異常

 「糖尿病の人が認知症になりやすい」というのは、多くの大規模な疫学データに裏打ちされた間違いない事実です。アルツハイマー病も血管性認知症も、糖尿病の人が発症するリスクは健康な人のおよそ2倍になるといいます。

 生活習慣病の原因究明と予防を目的に福岡県久山町で50年以上前から行われている「久山町研究」では、研究に参加する方が亡くなると、病理解剖を行って、死因についての解析を行います。その中で、中高年の時に糖尿病だった人とそうでない人が、20年後、30年後に認知症になる割合にどれぐらいの違いがあるかも調べているのですが、教育歴や他の疾患の影響などを調整しても、認知症、特にアルツハイマー病には、糖尿病が大きなリスク因子になっていることが分かってきました。

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 図は、東京医科大学病院で65歳以上の糖尿病患者の認知機能を調べたもので、60%程度は正常ですが、40%近い人が認知症か、その前段階である軽度認知障害(MCI)で、高齢の糖尿病の人は認知症を合併している可能性が高いことが分かります。

 では糖尿病の人はなぜ認知症になりやすいのでしょうか?理由は大きく言って3つあり、最初の理由は、糖尿病はアルツハイマー病の原因物質を増やすからです。アルツハイマー病患者の脳では、アミロイドβ(ベータ)というタンパク質が溜まります。それが神経細胞を死滅させ、記憶の障害を引き起こすのです。糖尿病になると血糖値が上がり、それを避けるために血液中にインスリンが多く分泌されます。実はインスリンは脳の中にもあり、元来溜まったアミロイドβを神経細胞から追い出す働きをしています。しかし糖尿病になるとインスリンが体の血管の方に移動し、脳の中には少なくなってしまいます。その結果、アミロイドβが増え、アルツハイマー病の発症リスクを高めてしまいますす。

 2つ目の理由は、糖尿病は脳の動脈硬化を促進します。動脈硬化が進めば脳梗塞の発症リスクが高くなり、血管性認知症になりやすくなります。

 3番目の理由は、糖尿病になると高血糖状態が続くことです。例えば50歳で糖尿病になったとすると、高齢になるまでの長い期間、高血糖にさらされます。糖尿病の人は朝、昼、晩と食事をとるごとに、急激に血糖値が上がります。長い期間高血糖にさらされていると、酸化ストレスや炎症、糖を燃やした時にできる有害物「終末糖化産物」などが、脳の神経細胞にダメージを与えるます。こうした3つの理由が合わさり、糖尿病だと認知症になりやすくなります。

 糖尿病の前段階である「耐糖能異常」の場合も、認知症のリスクは高くなります。すでに血糖値が高くなっているので、アミロイドβが増えやすくなるとともに、脳内でインスリンの働きが悪くなっているからです。


糖尿病患者の認知症は、「段取り能力」から衰える

 認知症の症状は人によってまちまちです。アルツハイマー病の症状が優位に出るタイプは、アルツハイマー病、血管性の病変が優位に出るタイプは血管性認知症ということになります。これらのほかに、アルツハイマー病変も少なく血管性病変も少ないが、糖代謝異常が非常に強く起こるグループがあります。このグループを「糖尿病性認知症」と呼んでいます。糖尿病がベースにある認知症では、この「糖尿病性認知症」に当てはまる人が多く見られます。

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 実は、75歳以上でアルツハイマー病と診断される人の場合、純粋なアルツハイマー病はそう多くないといいます。皆、小さな脳梗塞を合併していたり、糖尿病などの別の病気を合併したりしています。糖代謝異常に伴う神経細胞障害も多くあります。

 では、「糖尿病性認知症」とアルツハイマー病では、症状に違いがあるのでしょうか。純粋なアルツハイマー病の場合、初期の症状は記憶の障害や、時間が分からなくなるなどの障害が中心です。しばらくたってから「遂行機能障害」や人格の変化が起こります。遂行機能障害とは、ものごとの段取りをする能力や、計画を立てて完遂する能力が落ちることで、脳の前頭葉の機能が衰えることによって起こります。

 一方、「糖尿病性認知症」の場合、最初から「注意・集中力の障害」とともに「遂行機能障害」などが起こってきます。一般的なアルツハイマー病と比べて、記憶障害は比較的軽い状態です。またアルツハイマー病に特徴的な病理的な変化はあまりないので、進行はゆるやかで、強い周辺症状(BPSD;徘徊、妄想、幻覚、暴言、抑うつなど)も少ないといいます。


血糖値をコントロールすることが最も重要

 糖尿病の人は、どうすれば認知症になるのを防げるのでしょうか? まずは「血糖値のコントロール」をうまく行うことです。運動療法、食事療法が基本ですが、必要に応じて糖尿病治療薬を使って、血糖値が正常域内になるようにコントロールします。食後に高血糖状態になることや、血糖値が一日の中で大きく上下することは、認知症のリスクになります。一方で、薬物治療を行うと、血糖値を下げすぎることによる「低血糖発作」が起こるリスクもあります。特にインスリン治療でそのリスクが高いといわれています。低血糖発作は脳の神経細胞にダメージを与えるので、こちらも防がなければなりません。

 最近は経口治療薬でも、食後高血糖や血糖の日内変動を抑え、かつ低血糖のリスクがない薬がいくつか出ています。そうした薬をきちっと飲み、血糖のコントロールをする必要があります。

 糖尿病の人の中でも、低血糖発作の経験のある人は、ない人に比べて、認知症の発症リスクが約2倍になります。低血糖発作が脳の神経細胞に与えるダメージは不可逆的です。したがって、1回でも2回でもシビアな低血糖発作を起こすと、認知症になる可能性が高まります。薬の飲みすぎはもちろん、食事と服薬のタイミングのずれなども低血糖を引き起こすことがありますので、十分注意が必要です。



独居や老老介護に認知症が重なると、血糖コントロールが困難に

 最近は、独居高齢者や、「老老介護」の高齢者が多くなりました。認知症の人は、インスリンの自己注射の回数を間違えたり、忘れてしまったりすることが多くあります。1人暮らしの場合はもちろんですが、2人暮らしで配偶者にやってもらおうとしても、もう1人の配偶者の認知機能も低下していて、医師の指示通りにはなかなか使用できない場合があります。

 糖尿病のインスリンの自己注射は、決まった時間にインスリンの目盛りを合わせて、酒精綿で拭き、腹の肉をつかんで、注射を打つなどいくつものステップがあります。食事や買い物などの普通の生活はできる軽い認知障害の場合でも、糖尿病のインスリンの自己注射はなかなか難しいものです。糖尿病の場合は「遂行機能障害」がかなり初期の段階からあるので、こうした作業は難しくなります。

 つまり、糖尿病の人は認知症になりやすく、またインスリン注射の例で分かるように、認知症になった人は糖尿病のコントロールが悪くなります。糖尿病と認知症の間には、双方向の影響があり、負のサイクルが発生しやすくなっているというわけです。

 認知症になってから血糖をコントロールしても認知症そのものは治りませんが、認知機能が一時的に改善することがあります。「糖尿病性認知症」の人は、血糖のコントロールが悪く高血糖状態ですが、入院してインスリンの強化療法を行い血糖値が下がると、まず「注意・集中力」が回復します。その次に「遂行機能」が一時的に良くなります。

 入院した81歳の女性患者の場合、2週間の入院治療の結果、血糖値は271mg/dLから154mg/dLにまで下がり、注意・集中力や遂行機能のテストでは、同じ作業をする時間が格段に短くなり、認知機能は明らかに改善したといいます。一時的な改善がどのくらいの期間維持できるかは不明ですが、数カ月から1年くらいは安定した状態が維持されることは少なくありません。

 「糖尿病性認知症」の場合だけでなく、アルツハイマー病や血管性認知症と糖尿病を合併している場合でも、血糖値がコントロールされれば、一時的な認知機能の改善が期待できるので、治療は重要です。

(日経Goodayより)

バッハの才能すら模倣!人工知能はあらゆる職業を脅かす

 2016年は、人工知能(AI)が金字塔を打ち建てた年として科学史の教科書に大きく記載されるに違いないといいます。人間の知性から生まれたAIが、生みの親を凌駕し、生みの親を支配しようとする物語は多くのSF作家によって紡がれてきました。しかしそれはもう遠い未来の話ではないのかもしれません。AIが人間の知性を越えたとき、どのような世界が出現するのでしょうか。


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人工知能が人間を超える「シンギュラリティ」はいつ起こる?

 今年3月、“天才”デミス・ハサビス率いるディープマインド社が開発した人工知能「アルファ碁」に、韓国籍の棋士イ・セドル九段が敗退した“事件”が起きました。「アルファ碁」の勝利は、AIが人類の知性を超越する瞬間=“シンギュラリティ”の到来を強く予期させます。

 シンギュラリティとは、もともと数学で“関数の値が無限大になる場所”を指す術語で、日本語では「特異点」と訳されます。

 この言葉を“人類の社会発展が予測できなくなる時点”という意味で最初に使ったのは、ジョン・フォン・ノイマンだと言われています。ノイマンは、“ノイマン型”コンピュータに名を残す、20世紀最高の知性のひとりです。彼は、数学者ウラムとの対話において、「なにか本質的な“特異点”が近づきつつあって、それまで通りの人間の生活は持続不可能になるのではないか」と語っています。

 近い将来、人工知能の能力が人類の知能を上回るという予測を広めている代表的な人物が、未来学者のレイ・カーツワイルです。彼はフラッドヘッドスキャナやOCR(光学文字認識)を発明した実業家でもあり、現在はグーグルで人工知能開発の総指揮を執っています。そして著書で2045年にシンギュラリティが起こると繰り返し主張しています。

 カーツワイルは、「集積回路上のトランジスタ数は1年半ごとに倍増する」というムーアの法則を一般化し、この世界のあらゆるものが指数関数的に進化することをデータで示しました。

 カーツワイルは、ある発明が他の発明と結びつくことで、次の主要な発明までの期間を短縮すると考えました。これを『収穫加速の法則』と呼びます。この法則にしたがうと、2045年ごろの世の中の変化はたいへんなスピードになっています。例えるなら、現在のiPhoneのモデルチェンジは1年に1度ぐらいのものですが、それが1秒に1回モデルチェンジするような感覚だといいます。

 カーツワイルだけではありません。オックスフォード大学の哲学者ニック・ボストロム教授が行ったアンケートによると、AI研究者の半数が、2040〜50年にシンギュラリティが起こると回答したといいます。

 調査対象のうち、シンギュラリティは起こらないと回答したのは10%でした。全体を見た場合、90%の専門家が、シンギュラリティは21世紀中に訪れると回答しています。つまり、2045年は専門家の標準的な予測でもあります。


人間の脳の形式を応用した「ニューラルネットワーク」

 AIの金字塔とも言える成果を上げたアルファ碁ですが、基幹となっているのは“ディープラーニング”と呼ばれる技術です。ディープラーニングは、脳のニューロンどうしが情報を伝達する“シナプス結合”を数学的にモデル化した「ニューラルネットワーク」をベースにしています。

 ニューラルネットワークは、「機械学習」手法のひとつで、機械学習とは、AIが、与えられたデータの特徴を自ら分析し、その後に入力された情報を自ら推論する技術です。幼い子どもであっても、犬を5匹も見せれば6匹目を「わんわんだ!」と判断できますが、人工知能が“知能”足り得るためには、このような人間同様の推論が求められます。ニューラルネットワークとはAIの“学習と推論”に、人間の脳の形式を応用したものです。

 しかし、初期のニューラルネットワークには線形の問題しか解けないという弱点があり、研究は一時下火になりました。線形の問題とは、Aの増加に従ってBが単純に(直“線”的に)増えるような事象のことで、例えば、「自動車とその値段」のように、多くの要素が含まれる数値を扱う場合、初期のニューラルネットワークは無力でした。自動車の値段は、タイヤの数に比例して単純に上がるわけではないし、エンジンの排気量が下がっても低くなるとは限りません。

 複雑な要素が絡まる事象に対応できない “頭の堅い”AIでは使い物になるはずもなく、ニューラルネットワークは人工知能研究のメインストリームから遠ざかってしまいました。しかしその後も研究者による地道な研究は続けられていました。

 今世紀に入り、トロント大学のジェフリー・ヒントン教授が、ニューラルネットワークを何段にも重ねることで高度な推論が可能になることを示しました。これがディープラーニングの原型です。

 何段にも重ねるというアイデアは単純ですが、膨大なコンピュータパワーが必要となります。ディープラーニングは、カーツワイルの「収穫加速の法則」の具現化とも言えます。

 2012年、画像認識技術のコンペであるILSVRCにおいて、ヒントン教授率いるトロント大学の “スーパーヴィジョン”が、2位以下を大きく引き離す精度で圧勝しました。このことが、忘れられていたニューラルネットワークに再度注目を集めるきっかけとなりました。

 この勝利が、ディープラーニングブーム、ひいては第3次人工知能ブームの契機となりました。同じ2012年にはグーグルが、ユーチューブから集めた1000万枚のランダムな画像を1000台のコンピュータに3日間ぶっ続けで並列計算させることにより、人間が教えることなく、コンピュータ自身に『猫』を認識させることに成功しました。


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人工知能が悪意を持って人類を攻撃することは起こりうるか?

 現在ディープラーニングは、画像・音声認識で盛んに利用されています。グーグルの画像検索はその一例です。

 しかし、現状のディープラーニングが力を発揮するためには、膨大な数の「教師付き」データが必要であり、まだまだ本来の“知能”とは大きなへだたりがあります。AI分野におけるグーグルの成果には、社が検索エンジン事業で手に入れた巨大な情報資産の力も大きく作用しています。

 犬の例で言えば、人工知能に『犬』を認識させるには、犬の写真に“犬”という『名前のタグ』を付けたデータを事前に大量に読み込ませることが必要になります。写真にタグを付ける作業は、単純とは言えど多大なマンパワーを要します。それに対し、動物の脳は、名前をいちいち教えられなくとも物体を認識できるようになります。そのことを一瞥学習(One shot learning)と言います。ディープラーニングのアプローチで、人工知能にも一瞥学習が可能になるのか。現状では未知の部分が多いといいます。ディープラーニングは本物の脳に比べ、まだまだ単純です。ディープラーニングが人工知能研究に風穴を開けたことはまちがいありませんが、過大評価も禁物です。

 囲碁の世界にいち早くシンギュラリティを到来させたAIが、われわれの日常生活にも影響を与えるのは想像に難くありません。当然、頭をよぎるのは、AIが人間を「進化の障害物」として排除するような事態です。

 人工知能が悪意を持って人類を攻撃するようなことはないでしょう。そういった価値観はあまりにも『人間的』過ぎます。むしろ人工知能は、人間には想像もできないような害を及ぼす可能性があります。有名な思考実験である『ペーパークリップマキシマイザー』がその端的な例です。

 AIに「ペーパークリップを作れ」とだけ命令した場合、AIはペーパークリップを際限なく作り、やがて地球上をペーパークリップで埋め尽くしてしまいます。それを防ぐために、人間が数を指定して、「ペーパークリップを1000万個作れ」と命じた場合、AIは自分の作ったクリップの数が心配になり、永遠に検数を続けてしまいます。これが「ペーパークリップマキシマイザー」という思考実験の概要です。極端な例ですが、無害な目的であっても、AIが突拍子もない結果を招くおそれがあることを示唆しています。

 ただし、使う人間の悪意によって、直接的に危険な存在となることも考えられます。軍事的な利用は最も警戒すべきです。『正義』を旗印に掲げる人工知能大国が、国家安全保障のために軍事利用するなどといったことになれば、他国にとって脅威以外の何ものでもありません。

  “高度な推論よりも、感覚運動スキルの方が多くのコンピュータパワーを要する”という矛盾を、発見者の名前から「モラベックのパラドックス」と呼びます。「猫」を認識するという一見単純な成果は、実は「モラベックのパラドックス」を破り、「子ども」の領域へと足を踏み入れた画期的な出来事だったのです。


窓口係や運転手だけじゃない。AIは芸術家にも取って代わる!?

 オックスフォード大学の研究者と野村総研の分析によると、今後20年以内に、AIの発展によって、銀行窓口係やホテルの受付、路線バスの運転手など、さまざまな分野の職業が消滅するといいます。

 対して、芸術などの“創造性”の高い分野や、医師など“人間との対話が重要な”分野の職は安泰だと同分析は報告していますが、AIがさらに「子ども」の脳に近づくなら、このような分野の人間も安心はしていられません。

 アメリカの音楽学者であるデイビッド・コープは、バッハやショパンなどの曲をEmmy(エミー)というアルゴリズムに分析させ、新たな曲を自動的に作曲することに成功しています。できあがった曲はプロの音楽家の耳を見事に欺きました。また、オランダの美術館チームとデルフト工科大学、マイクロソフトが協力して制作したレンブラントの“新作”は、346点に及ぶレンブラントの全作品をディープラーニングで分析して作られました。UVインクを3Dプリンタで盛り上げて描かれ、筆遣いの癖までを忠実に再現しています。

 また、あるアンケートによれば、4000名の医師のうち約7割が「20年以内にAIが診療を担う時代が来る」と回答したといいます。すでに乳がんの検出では、放射線の専門医を上回る精度を出すAIも存在するといいます。

 シンギュラリティ以降のことは誰にもわからない、とは言うものの、AIの性能が向上した先に、人類に残された仕事などあるのでしょうか。

 ひょっとすると、人間はもう働かなくていいという時代が来るかもしれません。しかし、人間はなんらかの創造的な活動をしないと退屈してしまう生き物です。だから、未来は総カルチャーセンター化するのではないかと予想されます。人間は趣味に没頭するだけでいいわけです。とすれば、現在『ニート』とか『引きこもり』と呼ばれている人たちは最先端の人類なのかもしれません。

 AIが『子ども』の能力を完全に身につけたとき、シンギュラリティは人類を飲み込みます。そのとき、天才科学者ならぬ、われわれ凡人に残されているのは、AIが次々と成し遂げる成果にため息をつくことだけかもしれません。ディープラーニングが描いた「グーグルの猫」が、実際の猫ほど “可愛くない”という事実にほんの少しだけ心の拠り所を見出しながら、恐るべき、しかし退屈な未来の到来に備えましょう。

(Diamond Online 上野ヒトシのレポートより)

イエスよわが魂を(BWV78)

 今日の日曜カンタータは三位一体主日後第14主日、1724. 9.10にライプツィヒで初演されたコラール・カンタータの名作です。ヨーハン・リストの同名のコラール「イエスよわが魂を」に基づくカンタータで、12節ある歌詞のうち最初と最後を第1曲と終曲に使い、レチタティーヴォとアリアはマドリガーレ風の詩に作り替えています。音楽的な表現と形式の変化に富んだ人気の高い作品です。


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 当日の福音書章句は「らい病」への癒しですが、イエスによる魂の救済=人間に対する本質的な癒しと置き換えています。


 バッハ・プレイヤーズ、レイチェル・エリオット(S)、クレア・ウィルキンソン(A)、ニコラス・マルロイ(T)、マシュー・ブルック(B)の演奏でお聴きください。バッハ・プレイヤーズは ヴァイオリニスト、ニコレット・ムーネンによって1996年に設立された比較的新しいイギリスの古楽団体です。日本のヴィオラ奏者、市瀬玲子も参加しています。




BWV78の後にヘンリー・パーセルのシャコンヌ ト短調が演奏されます。


イエスよわが魂を(BWV78)

1.合唱

Jesu, der du meine Seele

イエスよ、あなたはわたしの魂を

Hast durch deinen bittern Tod

その自らのむごい死によって

Aus des Teufels finstern Hohle

底知れぬ暗き悪魔の洞窟から

Und der schweren Seelennot

また耐えがたき苦悩から

Kraftiglich herausgerissen

力強く救い出し

Und mich solches lassen wissen

その御業(みわざ)を知らしめてくださいました

Durch dein angenehmes Wort,

御(おん)みずからのこころよい御言葉(みことば)で

Sei doch itzt, o Gott, mein Hort!

今こそ おお神よ、わが避けどころとなってください

2.アリア (二重唱)ソプラノ・アルト

Wir eilen mit schwachen, doch emsigen Schritten,

私たちは急ぎます、弱くともたゆまぬ足取りで

O Jesu, o Meister, zu helfen zu dir.

おおイエス、わが主よ、御身に救いを求めんが為に。

Du suchest die Kranken und Irrenden treulich.

あなたはまことに病める者、迷える者を探し求めておられます。

Ach hore, wie wir

ああ、お聞きください、どれほど私たちが

Die Stimmen erheben, um Hulfe zu bitten!

助けを求めて声をあげているかを!

Es sei uns dein gnadiges Antlitz erfreulich!

あなたの慈しみ深き御顔(みかお)を向けて、私たちを喜ばせてください!

3.レチタティーヴォ(テノール)

Ach! ich bin ein Kind der Sunden,

ああ!私は罪の子

Ach! ich irre weit und breit.

ああ!私は遥かかなたにさまよう

Der Sunden Aussatz, so an mir zu finden,

わが業病の如き汚(けが)れた罪は

Verlast mich nicht in dieser Sterblichkeit.

現世にある限り 私から去ることはない

Mein Wille trachtet nur nach Bosen.

心は ただ悪しきものに向かうのみ

Der Geist zwar spricht: ach! wer wird mich erlosen?

わが魂は叫ぶ ああ!この者を救ってくださるのは誰か?

Aber Fleisch und Blut zu zwingen

しかし(病める)肉体と血を強いて

Und das Gute zu vollbringen,

善き行いを成すことは

Ist uber alle meine Kraft.

わたしの力を超えている

Will ich den Schaden nicht verhehlen,

自身の過ちを隠さずとも

So kann ich nicht, wie oft ich fehle, zahlen.

犯した罪は数え切れず

Drum nehm ich nun der Sunden Schmerz und Pein

さればこそ わたしは罪の苦しみと悩み

Und meiner Sorgen Burde,

その煩わしき重荷が

So mir sonst unertraglich wurde,

絶え難き屈辱となる前に

Ich liefre sie dir, Jesu, seufzend ein.

イエスよ、呻吟(しんぎん)しつつあなたに委ねるのです

Rechne nicht die Missetat,

どうか私の罪を数えないでください

Die dich, Herr, erzurnet hat!

主よ、あなたの怒りを招いた数々の罪を!

4.アリア (テノール)

Das Blut, so meine Schuld durchstreicht,

私の罪をぬぐい去る その血は

Macht mir das Herze wieder leicht

ふたたび私の心を軽くし

Und spricht mich frei.

私を解き放してくれます

Ruft mich der Hollen Heer zum Streite,

たとえ陰府(よみ)の軍勢が私に挑もうとも

So stehet Jesus mir zur Seite,

イエスが側に立っておられるなら

Das ich beherzt und sieghaft sei.

私は勇気をふるい勝利するでしょう

5.レチタティーヴォ(バス)

Die Wunden, Nagel, Kron und Grab,

御体の傷、(十字架に打たれた)釘、(茨の)冠、そして墓穴

Die Schlage, so man dort dem Heiland gab,

かの時に救い主の受けた数々の仕打ちは

Sind ihm nunmehro Siegeszeichen

いまや勝利のしるしとなりて

Und konnen mir verneute Krafte reichen.

私に新たなる力を呼び起こします

Wenn ein erschreckliches Gericht

よしんば恐ろしい裁きの場にて

Den Fluch vor die Verdammten spricht,

罪を宣告され呪いの言葉を告げられても

So kehrst du ihn in Segen.

あなたはそれを祝福へと変えられます

Mich kann kein Schmerz und keine Pein bewegen,

いかなる苦痛や責め苦にも私はもはや動じません

Weil sie mein Heiland kennt;

わが救い主がそれをご存知だからです

Und da dein Herz vor mich in Liebe brennt,

あなたの心が私への愛で燃えているなら

So lege ich hinwieder

私もまたあなたの御前(みまえ)に跪(ひざまず)き

Das meine vor dich nieder.

わがまことを奉げまつります

Dies mein Herz, mit Leid vermenget,

苦しみに掻き乱されたわが心に

So dein teures Blut besprenget,

十字架で流された

So am Kreuz vergossen ist,

あなたの尊い血潮を注ぎます

Geb ich dir, Herr Jesu Christ.

主 イエスキリストよ、すべてを委ねます

6.アリア(バス)

Nun du wirst mein Gewissen stillen,

今や あなたは私の良心を鎮めてくださる

So wider mich um Rache schreit,

心ならずも私が復讐の叫びをあげた時

Ja, deine Treue wird's erfullen,

そう、あなたのまことによって 満たされる

Weil mir dein Wort die Hoffnung beut.

あなたの御言葉(みことば)が私に希望をもたらす故に

Wenn Christen an dich glauben,

もしキリスト者があなたを信じるなら

Wird sie kein Feind in Ewigkeit

いかなる敵も永遠に

Aus deinen Handen rauben.

あなたの御手から彼らを奪うことはできない

7.合唱

Herr, ich glaube, hilf mir Schwachen,

主よ、あなたを信じます 私の弱きを助け

Las mich ja verzagen nicht;

絶望からお救いください

Du, du kannst mich starker machen,

あなたこそが私を強めてくださる

Wenn mich Sund und Tod anficht.

罪と死がわたしを脅かす時に。

Deiner Gute will ich trauen,

あなたの慈(いつく)しみをより頼みます

Bis ich frohlich werde schauen

やがて喜びのうちにあなたに見(まみ)える時まで。

Dich, Herr Jesu, nach dem Streit

汝、主イエスよ、戦いの後

In der susen Ewigkeit.

甘き永遠のうちに(あなたを仰ぎ見ることができますように・・・)

  対訳:バッハクライス神戸


ルカによる福音書 17章 11-19

 イエスはエルサレムへ上る途中、サマリアとガリラヤの間を通られた。ある村に入ると、らい病を患っている十人の人が出迎え、遠くの方に立ち止まったまま、

声を張り上げて、「イエスさま、先生、どうか、わたしたちを憐れんでください」と言った。イエスはらい病を患っている人たちを見て、「祭司たちのところに行って、体を見せなさい」と言われた。彼らは、そこへ行く途中で清くされた。その中の一人は、自分がいやされたのを知って、大声で神を賛美しながら戻って来た。そして、イエスの足もとにひれ伏して感謝した。この人はサマリア人だった。そこで、イエスは言われた。「清くされたのは十人ではなかったか。他の九人はどこにいるのか。この外国人のほかに、神を賛美するために戻って来た者はいないのか。」それから、イエスはその人に言われた。「立ち上がって、行きなさい。あなたの信仰があなたを救った。」

遺伝子組み換え作物は安全!米科学アカデミーが発表

 今年の5月、米科学アカデミーは、「遺伝子組み換え作物は人間や動物が食べても安全である、健康被害の心配はない」と結論づける衝撃の報告書を機関誌『米国科学アカデミー紀要』に発表しました。


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 報告書によると、トウモロコシや大豆などの遺伝子組み換え作物を対象に、過去20年間に及ぶ約900件の研究成果と約800人の専門家などの見解を包括的に分析・評価した結果、「遺伝子組み換え作物は、がん、肥満、胃腸病、腎臓病、自閉症、アレルギーなどを引き起こす証拠はない。長期間の影響も含めて人体に健康被害を及ぼす証拠はない」と断定しました。

 「遺伝子組み換え作物は、農作物の収量に影響を与えないが、害虫や雑草から農作物を守り、農薬の削減や農家の収入増加などの経済波及効果が大きい。植物や昆虫の多様性は失われない。野生種の交配から生まれる作物に遺伝学的なリスクはない」と明解に論述しています。

 さらに、日本や欧州連合(EU)が採用している遺伝子組み換え作物の食品表示義務化は、「国民の健康を守るためとはいえ、正当化されてはならない。科学的な評価だけでは結論は出ない。社会的・経済的な観点からも検討を要する」と警鐘を鳴らしています。

 米科学アカデミーは、約5500名の会員を擁する学術機関の全米アカデミーズに所属する民間非営利団体で、政府や議会から独立した公正なポジションに軸足を置き、1世紀にわたって米国の科学技術政策に提言を重ねてきました。

 アカデミー会員は、自然科学、社会科学、人文科学、医学の分野に貢献するプロボノ(ボランティア)活動を行いながら、エビデンスに基づく科学論文を『米国科学アカデミー紀要』に公表し続けています。

 1914年に創刊された『米国科学アカデミー紀要』は、特に生物学や医学の分野で学術的にインパクトの大きい論文が多く、1994年から2004年までの引用論文数は133万8191編。『ネイチャー』『サイエンス』に並ぶ世界最高峰の総合学術雑誌への評価もリスペクトも高いといいます。

 政府やアカデミーから資金援助を一切受けず、論文の掲載収入だけで運営されています。


遺伝子組み換え作物とは何か?

 トウモロコシ、大豆、トマトなど商業栽培されている植物に遺伝子操作を行い、新しい形質を持つ遺伝子を人工的に改変して開発した作物。それが、遺伝子組み換え作物です。


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 除草剤耐性(除草剤の影響を受けない)、病害虫耐性(害虫や病害の影響を受けない)、貯蔵性増大(備蓄しやすい)などの特性があるため、面積当たりの生産量や収穫量が高く、生産効率が安定しているので、生産者や流通業者が得る経済的メリットは絶大です。

 1990年代に米国、アルゼンチン、インドなどの商業栽培が本格化。栽培国と作付面積が年々増加し、現在は大豆、トウモロコシ、綿のおよそ9割以上が遺伝子組み換え作物です。2009年に青いバラ (サントリーフラワーズ)が開発され、日本は商業栽培国になりました。

 農林水産省によれば、遺伝子組み換え作物の安全性の評価は、生物多様性への影響を規制するカルタヘナ法をはじめ、食品安全基本法や食品衛生法に基づいて行なわれ、安全性が確認された作物だけを輸入・流通する仕組みです。

 厚生労働省と内閣府食品安全委員会によると、2016年3月時点で、ジャガイモ、ダイズ、テンサイ、トウモロコシ、ナタネ、綿、アルファルファ、パパイアの8作物304種類の安全性が確認されているといいます。


遺伝子組み換え作物が安全という根拠は?

 しかし消費者の安全性へ不安や健康への懸念は根強く残ります。遺伝子組み換え作物の問題点は?

 第1に、遺伝子組み換えは、分類の異なる生物種のDNAを細胞外で加工し、加工したDNAを他の生物種の細胞内に移転して複製します。自然界で起こらない遺伝子操作を強制的に行うため、生態系に悪影響を及ぼす可能性があります。

 たとえば、バクテリアの遺伝子をトウモロコシに組み込むなど、自然界にない遺伝子操作を人為的に行うため、生物多様性の損傷リスクや遺伝子変異の発生リスクを確実に予知できません。

 第2に、健康に悪影響を与える可能性が懸念されています。遺伝子組み換え作物の安全性の根拠は、遺伝子組み換えを主導する多国籍バイオ企業や研究機関による実験データが多く、実験期間も90日と短く、実験データは未公開です。

 遺伝子組み換え作物の危険性を指摘した学者や研究者が罷免され、社会的な制裁を受ける事実があるのは疑問です。

 米国で遺伝子組み換え作物の生産が始まって以来、がん、白血病、アレルギー、自閉症などの慢性疾患が急増しています。アルゼンチンでは、平均発症率の41倍ものがんをはじめ、白血病、肝臓病、アレルギーなどの重篤な発症例の報告があります。

 遺伝子組み換え作物の安全性は、中立公正な研究機関が長期間にわたって綿密に分析し、得られた実験データのエビデンスに基づいて実証するべきです。

 第3に、遺伝子組み換え作物に依存する農業は、環境汚染を引き起こします。大規模な除草剤の空中散布やネオニコチノイド系農薬などの殺虫成分は、森林、土壌、河川、海洋の汚染、魚や鳥の死滅など、自然環境を破壊するリスクが高いといいます。

 しかも、風雨に運ばれた除草剤や農薬が近隣の非遺伝子組み換え作物を栽培する田畑や地下水を汚染すれば、作物を食べたり、地下水を使った妊婦や子どもに甚大な健康被害をもたらす恐れがあります。

 2015年3月20日、WHO(世界保健機関)のIARC(国際ガン研究組織)は、種子市場で世界最大のシェアを持つ多国籍バイオ化学メーカのモンサント社が1970年に開発した除草剤ラウンドアップを発ガン性がある物質(2A)に分類しています。



 さらに、深刻な問題があります。遺伝子組み換え作物は、サトウキビや大豆を大量に使ったバイオ燃料の大量投入によって、洪水、干ばつ、暴風雨などの気候変動を悪化させる誘因になる懸念もあります。

 また、花粉の交配による遺伝子汚染や大規模な除草剤や農薬の噴霧によって、農作物が枯渇することから、有機農業や従来型農業と共存できない点も見過ごせません。

 遺伝子組み換え作物に依存するモンサント社のような多国籍バイオ企業が遺伝子組み換え種子の特許を一手に握って種子企業を買収し、農業生産の市場を独占するのは、機会均等と自由競争を保障した経済民主主義と相容れないという指摘もあります。

 このように、遺伝子組み換え作物は、消費者の健康や安全性へ不安、自然環境破壊への懸念など、いくつもの課題を孕んでいます。


日本がTPPに加盟すれば、遺伝子組換え作物を食べざるを得ない事態が

 今後、遺伝子組み換え作物のバイオビジネスは、とくに人口増加や経済成長に支えられたアジア・太平洋地域に巨大な市場を形成する見込みがあるといいます。しかし、自然災害、砂漠化、耕地面積の激減、食糧自給率の低下、人口爆発、飢餓、地球温暖化などの危機に遺伝子組み換え作物は、どのように役立つのでしょうか?

 遺伝子組み換え作物に批判的で、食品表示義務を求めている欧州連合(EU)は、商業栽培の規制や禁止は加盟国の自由裁量とする立場を明確にしています。日本では商業栽培は制限されているものの、大量に輸入・消費されている現実があります。

 日本がTPP(環太平洋パートナーシップ協定)に加盟すれば、遺伝子組み換え作物を推進する多国籍バイオ企業の寡占がいっそう進み、食べたくない遺伝子組換え作物を食べざるを得ない事態が起きるかもしれません。

(HealthPressより)

地球温暖化を隠蔽するため、石炭会社がお金をばらまいていた!

 いまや地球温暖化問題が待ったなしで進行していることは、まぎれもない事実ととらえられています。しかしこういう世論が一般化すると困る人たちも少なくないようです。

 たとえば、石油資本の多くは、この問題から人々の注意をそらさせるべく、巨額のお金をばらまいては、地球温暖化なんて心配ないと専門家や専門機関に発言させてきたことが判明しました。一方石炭業界は、どちらかというと沈黙を守ってきたように思われていましたが…。



 このほど米国最大手の石炭会社となるPeabody Energyは、ついに経営が立ち行かなくなり、会社更生手続きをスタート。ところが、その過程で、同社が地球温暖化問題から石炭業界を守るため、トンでもない額の資金を、数々の専門家や専門機関にばらまいてきた詳細が判明してきたそうです。

 Peabody Energyとの資金面での癒着が判明した団体の規模は、想像を絶するものがあります。シンクタンク、司法団体、気象分野の科学者、政治団体、あらゆる温暖化抑制にかかわる法案制定に反対した幾十もの組織が、すべて石炭業界からの資金援助を受けてきたことが明らかになりました。

 この収賄問題の調査に臨んだCenter for Media and DemocracyのNick Surgeyは、こんなふうにコメントしています。たとえば、Center for the Study of Carbon Dioxide and Global Changeという、二酸化炭素の排出が気候変動に与える影響を調査する機関が、Peabody Energyから資金援助を受けていました。当然ながら、その見返りには、火力発電などで石炭を燃やしても、なんら気候に悪影響はないといった報告を出していた疑いがもたれています。

 有名大学で研究を進める名だたる科学者たちにも、Peabody Energyからふんだんに資金が流れてきました。要はオバマ政権の地球温暖化対策に反対した著名な科学者や政治団体の大半が、Peabody Energyに金をもらってヤラセな意見を述べていたわけです。



 「二酸化炭素が(地球環境に)もたらす好影響は実証済みであるのに対して、唱えられている気候変動にもたらすリスクは、観測データに反するものでしかない。すべてが作り話の憶測にすぎず、科学的な根拠に欠けるものばかりだ。」

 火力発電は安全で地球環境によいとする一連の専門家や専門機関の支持を、巨額のマネーでとりつけたPeabody Energyは、こんな申し立てをホワイトハウスに行なっています。ところが、その悪どいロビー活動もむなしく、低価格の天然ガスエネルギーの台頭により一気に石炭業界は資金繰りがうまくいかなくなり、次々と倒産に追い込まれてきました。

 破産手続きの過程では、米国内の石炭会社の大手各社が、どんなふうに地球温暖化問題を過小評価させたり、火力発電と気候変動に関連性はないとの世論形成に取り組んできたのか、これまでの汚い手口の数々が暴露されています。そして、ついに米国最大手のPeabody Energyによる、前例のない規模での賄賂の流れが明るみになりました。

 お金さえあれば、どんなに事実と反する意見も、社会に強く訴えるものにできるという例が、また1つ暴かれた形です。ひそかに金を受け取って、もっともらしい意見を述べてきた専門家たちは、いまごろ実態を白日の下にさらされて世間にあわせる顔がないと恥じているのかもしれません。

(The Guardian―翻訳:Gizmodo)

「忙しさ」は脳にいい!

 できる限り長く頭脳明晰であり続けること。これが最近話題のテーマですが、不思議とその方法についてはほとんど知られていません。

 たとえば最近の研究では、頭の体操のためにつくられたコンピューター・プログラムよりも、ヨガや瞑想の方が効果的である可能性があることが示されました。そして今回、オンライン科学雑誌Frontiers in Aging Neuroscienceに発表された新たな研究では、年齢を重ねても忙しく活動している人もまた、記憶力や認知力のテストでより優れたスコアを記録する可能性があるとの所見が示されました。とはいえ、忙しさにも種類があることを覚えておくことも重要です。


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 テキサス大学ダラス校の研究チームは、記憶力と認知力を異なる複数の側面から測定するために、59~80歳の被験者330人を対象に、神経心理学のさまざまなテストを実施しました。被験者たちは、自分がどれくらい忙しいと感じているかに関することも問われました。「平均的な日はどれくらい忙しいですか?」「やらなければならないことが多すぎて、普段よりも寝るのが遅くなることはどれくらい頻繁にありますか?」などといった質問です。

 その結果、より忙しいと報告した人の方が、そうではない人に比べて作業記憶と推理力が優れており、語彙も豊富でした。また忙しさとエピソード記憶機能、つまり、過去の出来事を思い出す力にも特に強い関連が見られました。

 今の時代、多くの人が「忙しすぎる」と感じ、そしてそのことにストレスを感じることが多いのですが、今回の研究はその忙しさに、新たに前向きな見方をもたらすものとなるかもしれません。

 しかし研究には幾つかの限界もあり、忙しさと認知力や記憶力の関係において、どちらがどちらに影響を及ぼすのかははっきりしていません。忙しいからそれらの機能がより磨かれるのか、それとも、記憶力や認知力が優れているから、より長く忙しく活動し続けることができるのかは、はっきりしていません。

 より教育水準の高い人の方が精神能力が高いため、認知力の低下をより長く食い止めておくことができると示す証拠もあります。あるいは、忙しくしている人は体を動かすことも多く、それが認知機能を維持しているのかもしれません。



 忙しさについての概念の変化についても、指摘しておくべきでしょう。年齢を重ねた人の感じる忙しさは、人との直接のやりとりや社交行事への参加、(デジタルではなく)物理的な活動を伴うゲームや趣味などの取り組みです。これに対して若者は、複数の電子機器を交互に使ったり、ソーシャルメディア上の友人とやりとりをしたりといった、過剰なデジタル活動で忙しさを感じている可能性があります。

 これらの「忙しさ」が長い年月の中で脳とその健康にどのような影響を及ぼすのかははっきりしていなませんが、あまりプラスの影響を及ぼさない可能性があることを示唆する幾つかの証拠があります。そして研究者たちは、忙しさと認知力の関係における重要な要素は「学び」であると見られると指摘しています。

 年齢を重ねても頭脳明晰でいられるためには何が必要なのか、忙しさとどのような関係があるのかについては、今後まださらなる研究が必要です。忙しく活動し続けることが、優れた記憶力や認知力の維持に有効である可能性は十分にあります。

 しかしその忙しさを「何から」感じているのかに留意することが重要です。自分の好きな仕事や新しい趣味、授業や友人との外出から感じているのであれば、そのどれもがおそらく良い影響を及ぼします。しかしフェイスブックのやりすぎや、より不健康な、そしてよりストレスを感じることで過度な負担を負うことで忙しさを感じているならば、脳のために環境を変えるべき時かもしれなません。

(Forbesより)

チェンバロのための6つの小前奏曲(BWV933~BWV938)

 ケーテン時代に作られたと思われる小前奏曲で、いづれも2分前後の短い作品群です。各曲はハ長調からホ短調へと主音が右上がりになるように整然と配列されており、インヴェンションの縮小版のような印象を与えます。

 音楽学者ヴェルナー・ブライクは、BACHはこれらを一連の練習曲の始まりのつもりで書き、そのプランをインヴェンションによってより高度な形で実現したとしています。


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 短い曲なのですが、各作品をフランスの若いチェンバリスト、オーレリアン・ドラージュの演奏会の録画と、大御所トン・コープマンの演奏で聴いてみたいと思います。


前奏曲 ハ長調(BWV933)

オーレリアン・ドラージュ



トン・コープマン




前奏曲 ハ短調(BWV934)

オーレリアン・ドラージュ



トン・コープマン




前奏曲 ニ長調(BWV935)

オーレリアン・ドラージュ



トン・コープマン




前奏曲 ニ短調(BWV936)

オーレリアン・ドラージュ



トン・コープマン




前奏曲 ホ長調(BWV937)

オーレリアン・ドラージュ



トン・コープマン



前奏曲 ホ短調(BWV938)

オーレリアン・ドラージュ



トン・コープマン



 最後に全6曲をラ・プティット・バンドでも活躍するバンジャマン・アラールの演奏動画でお聴きください。



老化の“3大要因”と“老けない体”のつくり方

今から努力すれば老化の進行は止められる

 長生きするのもいいけれど、できればお迎えがくる直前まで、元気に活動できる体でいたいものです。介護を受けたり寝たきりになったりせずに日常生活を送れる年月のことを、「健康寿命」と呼びます。厚生労働省の2013年の統計によれば、日本人の健康寿命は男性が71.19歳、女性が74.21歳。平均寿命との差は、それぞれ9.02年と12.4年あります。

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 具体的にどうすれば、長く元気に生活できるのでしょう。そもそも、老いという現象を自分でコントロールできるのでしょうか。


老化のしくみを理解し、生活を見直せば「老けない体」をつくることは可能

 健康寿命を損なう病気には、心臓病、脳血管障害、糖尿病、骨粗しょう症など、さまざまなものがあります。とくに糖尿病は、他の生活習慣病やガン、認知症の発症リスクも高める怖い病気です。こうした病気の多くは、加齢に伴う身体の「老化」が原因で起きてきます。老化の進行要因は、以下の3つです。


(1)活性酸素による酸化――人体は外部から取り込んだ糖質や脂質を酸素と反応させ、エネルギーを取り出しています。このとき発生する活性酸素が、細胞を構成する脂質などを傷つけ、「体のさび」が徐々に進行します。活性酸素を無害化する酵素も、加齢とともに減少します。

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(2)タンパク質の糖化――生きるために必要なエネルギー源である糖が、体を構成する主成分であるタンパク質を変化させます。その結果、細胞や酵素などの働きが悪くなり、体の機能低下につながります。


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(3)ホルモン分泌の変化――若さを保ち、免疫力を維持するDHEA、筋肉量や筋力の維持に関わる男性ホルモン(女性の体内にもあります)、睡眠に関係するホルモン(メラトニン、セロトニン)の分泌が、ストレスが原因で下がり気味になり、さまざまな不具合が生じます。


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 とはいえ、これらの現象は、日ごろの生活習慣を見直すことで、かなり進行を遅らせることができるといいます。たとえば、活性酸素による酸化は、抗酸化物質や、SODの材料となるタンパク質や亜鉛を含む食材を意識してとること、喫煙や暴飲暴食、激しすぎる運動を避けることなどで抑制できます。

 糖化の予防には、糖質の多い食材を控えめにすること、タレを付けて焼いた肉の焦げ目など糖とタンパク質が高温で結びついてできるAGEs(最終糖化産物)の摂取を控えること、体の満腹サインを受け取れるようゆっくり食事することの3点を心がけます。

 ホルモンレベルの維持には、質のいい睡眠の確保が重要です。人の脳や体は、眠っている間にホルモンの力でメンテナンスされるしくみになっているからです。どんなに遅くとも夜12時前、できれば11時前には床につくことが望ましいといいます。ストレス対策は暴飲暴食ではなく、軽い運動をします。

 働き盛り世代の老化信号は、体重に出ます。最近急に体重が増えた方は、とくに注意してください。BMIが25を超えると、糖尿病をはじめとする生活習慣病のリスクが大きく高まります。


知っておきたい老化の3大要因およびその対策

 老化のメカニズムが科学的に解明されるにつれ、それを抑制する方法も明らかになってきました。止められない現象とあきらめずに、日々の注意と努力の積み重ねで健康寿命を延ばしましょう!


(1)活性酸素による酸化――体内でエネルギーをつくるときに発生する活性酸素が、細胞を傷つける。

対策:食事の改善。喫煙や暴飲暴食など、体内の活性酸素を増やす習慣を改める。


(2)タンパク質の糖化――体内のタンパク質が糖によって変化し、細胞や酵素などの働きが悪くなる。

対策:糖質をとりすぎない。早食いは避ける。AGEsの摂取を控える。


(3)ホルモン分泌の変化――ストレスが原因で、「若返りホルモン」DHEAや男性ホルモンなどの分泌が減る。

対策:ストレスを極力避ける。できれば11時前には寝る。睡眠時間は7時間がベスト。

(President Onlineより画像追加、編集)

糖質はコカインよりも中毒性が高い?

 食事を我慢することは、ダイエット初心者がまず思いつく簡単に痩せる方法ですが、近年ブームとなっている「糖質制限」や「腹8分目」は人によっては逆効果となることもあるといいます。



「糖質」には中毒性がある

 糖質は、食物繊維以外の炭水化物の総称で、たんぱく質や脂質と同じく人間のエネルギーのもとです。ご飯やパン、お菓子などに含まれる炭水化物(糖質)を制限すると痩せるというのが「糖質制限ダイエット」です。米文化の日本人の食生活にとっては、そのご飯を半分にするだけ、と簡単にできるのも魅力のひとつです。

 普段から白米やパンなどの糖質を食べてきた人にとって、食べたくても食べられない状況はストレスを溜めてしまう原因となります。糖質制限でストレスを感じる理由は「糖質が薬物以上に中毒性を持っているからだ」といいます。

 そもそも人間は、気持ちがいいという快感を求めることが行動のきっかけです。快感が生じる仕組みは『脳内報酬系』と呼ばれ、そこでドーパミン放出を促進し快感が生じると、それが刺激となり依存症や中毒状態となります。中毒性をもつ物質はコカインなどの覚せい剤や麻薬だけでなく、糖質も同じ作用をすることが動物実験で明らかになっています。人間は快感を求めて無意識に糖質を求め、摂取しないとイライラや無力感などの禁断症状が出てきます。

 ラットを使った海外の動物実験では、コカインよりも糖質の甘さのほうがより脳内報酬系を刺激するという報告がされており、糖質はコカインよりも中毒性が高いということです。糖質や甘いものが止められないのはこのためで、糖質制限ダイエットで失敗する人の多くはまずこの壁に悩まされます。

 糖質制限ダイエットに失敗した男性は「いくら肉や魚を無制限に食べられるからと言って、完全にご飯を抜くと食事を楽しんでいる満足感がまったくない。1、2週間ほどでしだいにイライラは軽減されるのですが、仕事やプライベートへの無力感には耐えられませんでした」と嘆きます。

 基本的に糖質以外はいくらでも食べていいとされている「糖質制限ダイエット」では食欲抑制が起こり、長期的には死亡率が高まるといった報告や、糖質を制限するほど死亡率が上がるという海外の研究も多く存在します。何事もストイックにやり過ぎるのは禁物です。


「腹8分目」がストレスの原因に

 「腹8分目」の食事制限でも同様にストレスを感じることがあります。食べたくても、我慢することはストレスに繋がるようですが、基本的に満腹まで食べても、人間のカラダは太らないようにできているといいます。

 日々の食生活や運動習慣などのライフスタイルから今の体型があるため、ダイエットで理想の体型を目指すことは、生き方そのものを変えるということで、少ない食事量で満足し、それが当たり前となるためには「我慢」は避けられません。結局、食事を我慢することで、少しずつストレスを溜め込んでしまうのです。

 食事制限をするならば、まずは1日1食だけでも満足するまで食べます。しっかり食事で心を満足させることができれば、食事でストレスを感じることがなくなります。満足するまで食べるのが怖い人は、昼食を多めに食べるのが基本です。食べ過ぎても午後の活動でエネルギーとして消費することができるので、安心して食べることができます。

 一見、簡単なようでいて、糖質の「中毒性」を乗り越えることは並々ならぬ我慢が必要となります。自分なりのストレス発散法を見つけダイエットに挑戦するか、日頃から後悔しないための食生活を心がけることが大切です。

( 日刊SPAより)