18のコラール集 1

 ヴァイマール時代の作品をもとに、ライプツィヒ時代に完成された「18のコラール」は、BACHのオルガン曲の傑作として、数少ない自筆楽譜で残されている貴重な作品群です。但し最後の3曲はBACHの自筆ではなく、さらに最後のBWV668が別個に記されているため、「17のコラール集」と呼ばれることもあります。

 YouTubeに投稿されている演奏動画を中心に、6曲づつ3回に分けて聴いていきたいと思います。


いざ来たれ、異邦人の救い主よ(BWV651)

 この聖霊降臨祭用コラールは、中世のラテン語のアンティフォナVeni sanctus spiritus から15世紀頃ドイツ語に翻訳され、ルターが第2-3節を加えたものです。

 冒頭からペダルの音が鳴り響き、その上に手鍵盤のトッカータ風音型が重なります。その後、手鍵盤の動機はフーガを形成し、ペダルは長い音価でコラール旋律が奏されます。

 ウィリアム・ポーターの演奏でお聴きください。





来たれ聖霊、主なる神よ(BWV652)

 全曲と同じコラールによる、サラバンド風の優美な足取りと、穏やかで抒情的な作品です。楽曲はコラールの各段落ごとに全模倣を行う「パッヘルベル型」の書法で作られています。

 フランスのオルガン奏者、ジャック・アマードの演奏です。





バビロンの流れのほとりで(BWV653)

 この曲はW.ダハシュタインが詩編137編を韻文訳した詩編歌に基づいています。これはバビロンに捕囚として連行されたイスラエル人たちが、神の都エルサレムの破壊と、敵国で受ける辱めを嘆き、神の正しい裁きを求めた歌です。

 マリア・マグダレーナ・カチョルの演奏でお聴きください。





装え、おお愛する魂よ(BWV654)

 原曲はJ.フランクによる聖餐式のためのコラールです。全体の音域の低さが、聖餐の奥義にまつわる神秘的なイメージを強め、光としての定旋律を引き立たせます。

 シューマンがメンデルスゾ-ンの言葉を引用しつつ、この曲を絶賛したことで知られています。「人生が私から希望と信仰を奪い取ったとしても、このただ1つのコラールがそれを取り戻してくれる」

 トン・コープマンの演奏動画でお聴きください。





トリオ「主イエス・キリスト、われらに眼を向けたまえ」(BWV655)

 コラールの歌詞はヴァイマール公ヴィルヘルム二世の作とされており、当時は説教の前に歌われていました。

 トリオのスタイルのコラール冒頭動機に基づく自由なソナタで、イタリア協奏曲風な明快な構成法で書かれています。

 クリスティアーノ・リッツォットの演奏でお聴きください。





おお、罪のない神の子羊(BWV656)

 N.デーツィウスが、ミサ通常文中の「アニュス・デイ」を自由にパラフレーズして作った、3節からなるコラールを基に、3つの連続するコラールに編曲しています。

 最初の2節は手鍵盤のみで奏され、第3節で初めてペダルが導入されます。

 ウルフ・ノルベルグの演奏動画でお聴きください。




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