人よ、汝によきこと伝えられたり(BWV45)

 三位一体主日後第8主日に聴くカンタータは、1726.8.11ライプツィヒで初演されました。ものみな汝を待てり(BWV187)同じ「ルードルシュタット詩華撰」に基づくカンタータです。同様に2部構成の作品で、第1部の冒頭では旧約聖書からの、第2部の冒頭では新約聖書からの引用が用いられています。


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 当日の礼拝で朗読された福音書聖句は、にせの預言者の到来と善悪を選ぶ神の裁きについて語っています。この箇所にはイエスの教えが持つ厳しさと権威があらわれ、カンタータは全体としてこれを反映した厳しさを感じさせる音楽で、歌詞台本も福音書聖句の中の「主よ、主よ、という者が皆天国に入るのではなく、ただ父の御旨を行うものだけが入るのである」という部分に注目しています。


 トン・コープマン指揮、アムステルダム・バロック・オーケストラ、ボグナ・バルトシュ(A)、クリストフ・プレガルディエン(T)クラウス・メルテンス(B)の演奏でお聴きください。





人よ、汝によきこと伝えられたり(BWV45)

第1部

1.合唱

Es ist dir gesagt, Mensch, was gut ist und was der

主は 告げぬ よき行ないの 何なるかを

Herr von dir fordert, nämlich: Gottes Wort halten

そは み言葉 まもり 人を 愛し

und Liebe üben und demütig sein vor deinem Gott.

へりくだる こと ならずや

2.レチタティーヴォ (テノール)

Der Höchste läßt mich seinen Willen wissen

神の よみしたもう わざ

Und was ihm wohlgefällt;

告げ知らさる

Er hat sein Wort zur Richtschnur dargestellt,

そは み言葉を まもり

Wornach mein Fuß soll sein geflissen

たゆまず わが足を 進みゆかす

Allzeit einherzugehn

おそれ つつしみ 愛もて

Mit Furcht, mit Demut und mit Liebe

されば かのとき

Als Proben des Gehorsams, den ich übe,

主は われを まことの しもべと

Um als ein treuer Knecht dereinsten zu bestehn.

みとめたまわん

3.アリア (テノール)

Weiß ich Gottes Rechte,

主の さだめよ

Was ist's, das mir helfen kann,  

われを 助くるもの   

Wenn er mir als seinem Knechte

しもべの きびしき

Fordert scharfe Rechnung an.

さばきに 出ずる おり

Seele, denke dich zu retten,

思いみよ なが 救いは

Auf Gehorsam folget Lohn;

主に したごう とき

Qual und Hohn

苦しみ 恥じは そむく ときの

Drohet deinem Übertreten!

むくいと ならん

第2部

4.アリオーゾ (バス)

Es werden viele zu mir sagen an jenem Tage: Herr, Herr,

その日 多くの者 われに 言わん

haben wir nicht in deinem Namen geweissaget,

「主,われら なが み名に よりて予言し

haben wir nicht in deinem Namen Teufel aus-getrieben,

なが み名に よりて 悪鬼を 追い出だしし ならずや,

haben wir nicht in deinem Namen viel Taten getan?

多くの わざを なししに あらずや」

Denn werde ich ihnen bekennen: Ich habe euch noch nie erkannt,

その時 われ 言わん 「たえて 知らず なれらを

weichet alle von mir, ihr Übeltäter!

離れよ われより 悪しきを なす 者らよ」

5.アリア (アルト)

Wer Gott bekennt

まこともて

Aus wahrem Herzensgrund,

主を 言い表わす 者をば

Den will er auch bekennen.

主は 受けたまわん

Denn der muß ewig brennen,

とわの 火に 灼かれん

Der einzig mit den Mund

ただ 口もて

lhn Herren nennt.

主を 呼ぶ者

6.レチタティーヴォ (アルト)

So wird denn Herz und Mund selbst von mir Richter sein,

心と 口は みずから 裁かん

Und Gott will mir den Lohn nach meinem Sinn erteilen:

わが 思いにより 主 むくいたもう

Trifft nun mein Wandel nicht nach seinen Worten ein,

わが 歩みの 主に 背かば

Wer will hernach der Seelen Schaden heilen?

たれか 心 いやし得ん

Was mach ich mir denn selber Hindernis?

おのが 道 閉ざすのみ

Des Herren Wille muß geschehen,

み心 つねに 正し

Doch ist sein Beistand auch gewiß,

主は われを 支え

Daß er sein Werk durch mich mög wohl vollendet sehen.

み手もて わざを 果たさせたもう

7.コラール

Gib, daß ich tu mit Fleiß,

わが つとめを

Was mir zu tun gebühret,

み言葉に 従い

Worzu mich dein Befehl

まことを もて

In meinem Stande führet!

果たさしめたまえ

Gib, daß ichs tue bald,

なすべき とき

Zu der Zeit, da ich soll;

なさせたまえ

Und wenn ich's tu, so gib,

み心に

Daß es gerate wohl!

かのう ごとく

訳詞:大村恵美子


福音書マタイ 7,15-23

「偽預言者に注意しなさい。彼らは羊の皮を身にまとってあなたがたのところに来るが、その内側は貪欲な狼である。

あなたがたは、その実で彼らを見分ける。茨からぶどうが、あざみからいちじくが採れるだろうか。

すべて良い木は良い実を結び、悪い木は悪い実を結ぶ。良い木が悪い実を結ぶことはなく、また、悪い木が良い実を結ぶこともできない。

良い実を結ばない木はみな、切り倒されて火に投げ込まれる。このように、あなたがたはその実で彼らを見分ける。」

「わたしに向かって、『主よ、主よ』と言う者が皆、天の国に入るわけではない。わたしの天の父の御心を行うものだけが入るのである。

かの日には、大勢の者がわたしに、『主よ、主よ、わたしたちは御名によって預言し、御名によって悪霊を追い出し、御名によって奇跡をいろいろ行ったではありませんか』と言うであろう。

その時、わたしはきっぱりとこう言おう。『あなたたちのことは全然知らない。不法を働く者ども、わたしから離れ去れ。』」

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