室内でも危険性のある熱中症 高齢者は暑さ感じにくく重症化にも注意を!

 高齢者は「熱中症弱者」とされ、発症リスクが高く、昨年、熱中症で救急搬送された人のうち、65歳以上の高齢者が半数を占めました。炎天下の屋外で発症するイメージの強い熱中症ですが、高齢者は室内で発症するケースが多く、梅雨明け以降に急増するため、注意が必要です。

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半数は高齢者

 「調理中に急にクラクラして気分が悪くなり、慌ててクーラーをつけました」。東京都内で1人暮らしをする女性(70)は昨夏、自宅で昼食を作っていたところ突然、めまいや吐き気を感じました。

 かかりつけ医を受診したところ、軽度の熱中症で脱水状態と指摘されました。「まさか自分が熱中症になるとは。日差しの強い屋外にいたわけではないので油断していました」と振り返ります。

 加齢などで暑さを感じにくくなっている高齢者は熱中症にかかりやすく、「熱中症弱者」とされます。総務省消防庁の統計では、平成27年に熱中症で救急搬送された約5万6千人のうち、65歳以上の患者は約2万8千人と半数を占めました。自分は大丈夫、と対策を取っていない人が多いといわれます。


エアコンつけず

 熱中症は、高温多湿の状態で体温の調整機能などが正常に働かなくなり、体内に熱がこもってしまう症状で、めまいや立ちくらみなどから始まります。重症化するとけいれんを起こしたり、意識を失うこともあります。

 高齢者が特に注意したいのは、室内で発症するケースです。症状がゆっくりと進行するため、気付いたときには重症化していることが多いといいます。

 国立環境研究所のデータでは、昨年熱中症になった人のうち、7~18歳は運動中の発症例が最も多いのに対し、65歳以上は室内での発症例が最も多く、高齢者はエアコンをつけず、長袖を着ている人が多いといいます。

 こまめな水分補給と、高温多湿の環境を避けることが基本的な予防法ですが、体を冷やしたくないとエアコンを使わなかったり、トイレの回数を気にして水分を控えたりする高齢者が少なくないといいます。エアコンを嫌がる人には扇風機を勧めるなど個人の好みに合わせた対策が必要です。

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早期発見が重要

 熱中症を重症化させないためには、症状の早期発見と対策が重要です。熱中症の初期症状である脱水を見逃さないことが、重症化を防ぐポイントの一つです。

 具体的には、手が冷たい、舌や脇の下が乾いている、腕の皮膚をつまんで、富士山の形が3秒以上戻らない―などが脱水症状が始まっているサインです。加えて、暑さが原因の体調不良が疑われる場合は速やかに医療機関を受診します。

 脱水症状を防ぐためには、1日8回を目安に、タイミングを決めて水分補給をします。また筋肉が減ると体内の水分を保ちにくくなります。タンパク質を多く含む食事を心がけ、適度に運動することが効果的としています。


症状は3段階

 熱中症の症状は、重症度によって主に3つに分けられます。

 日本救急医学会の診療ガイドラインは、めまいや立ちくらみなどの症状がある1度は、体を冷やすなどの応急処置と見守りが必要。症状が改善しなければ、医療機関を受診します。頭痛や嘔吐(おうと)症状が表れる2度はすぐに医療機関を受診し、意識障害やけいれんが起きる3度は入院が必要としています。

(産経ニュースより)
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