BACHの命日に「汝われを祝せずば」BWV157を聴く

 今日はBACHの命日です。1750年7月28日、65歳の生涯を閉じています。カンターの中には依頼を受けて追悼式のために作曲したものが数曲あります。その中から「汝われを祝せずば」BWV157を聴くことにします。この曲はライプツィヒ近郊のボムセンの教会で1727.2.6に行われた、宮廷顧問ヨハン・クリストフ・フォン・ポニカウの葬儀のために書かれました。


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 台本はピカンダーでマタイ受難曲の台本やコーヒー・カンタータ「おしゃべりをやめて、お静かに」の台本も書いています。

 創世記のヤコブの言葉、「汝われを讃えよ、さればわれ汝を離さん」に始まり、満ち足りて棺の中に入り、「天国」に入る喜びの時を待ち望み、終曲はコラール「私はイエスを離さない」につながる主題は、死者を送るにふさわしく簡素で清々しく歌われます。


 今回の選んだのは、追悼用カンタータの名演といわれるグスタフ・レオンハルト指揮、レオンハルト合奏団、テルツ少年合唱団、クルト・エクウィルツ(T)、マックス・ヴァン・エグモント(B)の演奏です。




汝われを祝せずば(BWV157)

1.アリア(二重唱 テノールとバス)

Ich lasse dich nicht, du segnest mich denn!

祝福してくださるまでは離しません。

2.アリア(テノール)

Ich halte meinen Jesum feste,

わたしはイエスを固く抱き、

Ich lass ihn nun und ewig nicht.

今から永遠に離さない。

Er ist allein mein Aufenthalt,

彼だけがわたしの住みか、

Drum fasst mein Glaube mit Gewalt

だからわたしの信仰は力を込めて

Sein segenreiches Angesicht;

その祝福に満ちたお顔に手を伸ばす。

Denn dieser Trost ist doch der beste.

この慰めが最善だから。

3.レチタティーヴォ(テノール)

Mein lieber Jesu du,

わたしの愛するイエスよ、

Wenn ich Verdruss und Kummer leide,

わたしが不快と心労に悩んでいるとき、

So bist du meine Freude,

あなたはわたしの喜び、

In Unruh meine Ruh

不安のときはわたしの安らぎ

Und in der Angst mein sanftes Bette;

恐怖のときは優しい寝床。

Die falsche Welt ist nicht getreu,

偽りの世は頼りにならず、

Der Himmel muss veralten,

天も古びるにちがいない、

Die falsche Welt ist nicht getreu,

この世の快楽はもみがらのように消え去る。

Wenn ich dich nicht, mein Jesu, hätte,

わがイエスよ、もしあなたがいなければ、

An wen sollt ich mich sonsten halten?

わたしは誰に頼ればよいのか。

Drum lass ich nimmermehr von dir,

だからわたしは決してあなたから離れない、

Dein Segen bleibe denn bei mir.

あなたの祝福が常にわたしにあるように。

4.アリア、レチタティーヴォ、アリオーソ(バス)

Ja, ja, ich halte Jesum feste,

そうだ、わたしはイエスを固く抱き、

So geh ich auch zum Himmel ein,

わたしも天国に入り行き、

Wo Gott und seines Lammes Gäste

そこで神とその子羊の客として

In Kronen zu der Hochzeit sein.

婚宴にまねかれ栄冠を受けるのだ。

Da lass ich nicht, mein Heil, von dir,

だからわたしは、わが救い主よ、あなたから離れず、

Da bleibt dein Segen auch bei mir.

だからあなたの祝福はわたしのもとにあり続ける。

Ei, wie vergnügt

ああ、心楽しく

Ist mir mein Sterbekasten,

わたしは寝棺に横たわることだろう、

Weil Jesus mir in Armen liegt!

イエスがわたしの腕の中で寝ておられるから。

So kann mein Geist recht freudig rasten!

だからわたしの霊は喜びに満ちて休らうことができる。

Ja, ja, ich halte Jesum feste,

そうだ、わたしはイエスを固く抱き、

So geb ich auch zum Himmel ein!

わたしも天国に入り行く。

O schöner Ort!

おお、うるわしきところよ。

Komm, sanfter Tod, und führ mich fort,

おいで、安らかな死よ、そしてわたしを連れて行っておくれ、

Wo Gott und seines Lammes Gäste

神とその子羊の客として

In Kronen zu der Hochzeit sein.

婚宴にまねかれ栄冠を受けるところへ。

Ich bin erfreut,

わたしは嬉しい、

Das Elend dieser Zeit

この世の時の惨めさを

Noch von mir heute abzulegen;

今日にも脱ぎ捨てることができるのだ。

Denn Jesus wartet mein im Himmel mit dem Segen.

イエスは天国でわたしを、祝福とともに待っておられるのだから。

Da lass ich nicht, mein Heil, von dir,

だからわたしは、わが救い主よ、あなたから離れず、

Da bleibt dein Segen auch bei mir.

だからあなの祝福はわたしのもとにあり続ける。

5.コラール

Meinen Jesum lass ich nicht,

わたしはイエスを離さない、

Geh ihm ewig an der Seiten;

永久にそのかたわらを歩む。

Christus lässt mich für und für

キリストはわたしを永遠に

Zu dem Lebensbächlein leiten.

生命の小川に治って導かれる。

Selig, wer mit mir so spricht:

わたしとともに唱える人は幸いだ、

Meinen Jesum lass ich nicht.

わたしはイエスを離さない、と。

                       対訳:樋口隆一
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