海藻で暑い夏を乗り切ろう!

 高温多湿な夏は汗でミネラルが奪われ、だるくなったり疲れやすくなったりします。胃腸の調子が悪くなるほか、食欲が落ちて栄養バランスを崩すこともあります。夏バテを防ぎ、元気にしてくれる栄養素が「海藻」には豊富だといいます。最近注目されているのは、海藻成分や栄養価の高い「アカモク」です。



 暑さで胃腸の消化機能が衰え食欲も落ちると、喉越しがよいそう麺など炭水化物中心になりがちで、ますます必要な栄養素が足りなくなります。海藻で上手に補いましょう。


減塩食のお供に

 海藻の主な成分は食物繊維とミネラルです。食物繊維の量は野菜と同量で、その他に体内で効率よく必須アミノ酸になる良質のタンパク質、魚ほど多くはありませんが動脈硬化予防で知られるEPA、脳の働きに関わるアラキドン酸も含まれます。

 夏バテ予防に欠かせないのは身体の機能を維持・調整するミネラルです。中でも一般的に最も多いのがカリウムで、ナトリウムと共に細胞の働きに欠かせない存在です。他にカルシウム、マグネシウムも含みます。カリウムには余分な塩分(主な成分はナトリウム)を体外に出す作用もあり、塩分を取りすぎると高血圧や脳卒中のリスクが高まるため、カリウムとナトリウムのバランスは重要です。

 北海道大学大学院水産科学研究院の宮下和夫教授は「減塩食は味が薄く食欲が落ちがち。海藻粉末を加えればうまみが加わる」と話します。同大大学病院は海藻粉末入りの病院食の開発を始めました。

 海藻が夏に動きが鈍りがちな腸の働きを助けることも期待できます。海藻に多く含まれる食物繊維は腸内の悪玉菌の繁殖を抑え、腸内環境を整えます。腸の調子がよくなると腹持ちがよくなり食べ過ぎも抑えられます。脂質や糖の代謝も上がり、糖尿病や高脂血症になりにくくしてくれるといいます。

 海藻を刻むと出る粘り成分の正体は食物繊維です。特にアルギン酸はコレステロール値の改善や血圧上昇抑制、重金属排出作用があるとされ、同じく粘り成分フコイダンには、がんやアレルギーを抑えたり、血液を流れやすくしたりする働きがあると分かっています。

 海藻はいろんな種類がありますが、栄養価が高くこの数年注目されているのが「アカモク」です。昆布やワカメ、ヒジキ、モズク、メカブなどの仲間の褐藻類で、船に絡まり「邪魔モク」と呼ばれ捨てられていましたが、東北地方の一部では「ギバサ」「ギンバソウ」と呼ばれ、食べられてきました。この数年は栄養価の高さから、東北だけでなく湘南地域など各地で食用として見直されています。



クセのない味

 アカモクに突出して多いのが色素の一種「フコキサンチン」です。宮下教授らは約10年前にこの色素の「肥満予防効果」を発表しました。体重が90キロ以上のロシア人の肥満女性に成分入り食品を16週間食べてもらったところ、食べない人より体重が減ったといいます。余分な体脂肪がたまりにくくなるほか、糖の消費吸収を上げ、糖尿病のリスクも下げると期待できるといいます。

 この色素の抗酸化力も注目されています。体内で活性酸素が異常に増えるのを抑え、老化予防や動脈硬化、脳卒中、心筋梗塞などの疾病予防に役立つと考えられています。

 ところで海藻はどう食べるといいのせしょう。大量に海藻ばかり取るのは勧められません。普段の食事に少しずつ加えます。アカモクはゆでて冷水で粗熱をとり、刻むと粘りがでます。酢を加えて食べてもよいし、クセがないので納豆に混ぜるほか、ハンバーグのつなぎやサラダの具材、麺類のトッピングにもなります。

 アカモクは昆布やワカメと同様、乾燥した物や顆粒状の加工品があり、年中手に入ります。スープに加えると、うまみ成分でワンランク上の味に仕上がるといいます。

 夏は「海藻風呂もお勧め」です。好みの海藻を水洗いし、沸騰した湯に軽くくぐらせて消毒。目の細かい洗濯ネットなどを2重にして入れ浴槽に沈めます。強い紫外線やエアコンでダメージを受けた肌に潤いをプラスできるます。アカモクなど褐藻類の粘り成分は肌の乾燥を防ぎ、保湿する力があり、洗い流しても、保湿効果はしばらく持続できるといいます。

 海藻パワーで体の内と外から健康作り。暑い夏を上手に乗り切りましょう。

(日経プラスワンより)
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