ただ汝ひとりに、主イエス・キリストよ(BWV33)

 今日の日曜カンタータは、三位一体主日後第13主日、1724.9.3に初演されたコンラート・フーベルトの同名のコラールに基づくコラール・カンタータです。

 台本はキリストへの全面的な帰依の表明に始まり、人間の罪深さの認識へ、更に神の愛のまねび(学び)による神への愛・隣人への愛の実践の備えへと進んでゆきます。 



 当日の福音書の聖句はイエスが法律学者と交わした問答です。「神への愛、隣人への愛」がいかに困難であるかを、司祭・レビ人・サマリア人のたとえを用いて示しています。


 トン・コープマン指揮、アムステルダム・バロック・オーケストラ、フランツィスカ・ゴットバルト(A)、ポール・アグニュー(T)、クラウス・メルテンス(B)の演奏でお聴きください。




ただ汝ひとりに、主イエス・キリストよ(BWV33)


1.合唱

Allein zu dir, Herr Jesu Christ,

ただ御身へと、主イエス・キリスト、

Mein Hoffnung steht auf Erden;

わが望みは向かいます、地上にて。

Ich weiß, dass du mein Tröster bist,

御身こそわが慰め手、

Kein Trost mag mir sonst werden.

慰めは、この身にほかにありません。

Von Anbeginn ist nichts erkorn,

太初より何も選ばれす、

Auf Erden war kein Mensch geborn,

地上で誰も生まれておりません、

Der mir aus Nöten helfen kann.

この身を苦境より救えよう者は。

Ich ruf dich an,

この身は御身を呼びまつる、

Zu dem ich mein Vertrauen hab.

御身にこそわが依り頼みはあるのです。

2.レチタティーヴォ(バス)

Mein Gott und Richter, willt du mich

わが神にして裁き手たる御方、御身がこの身を

aus dem Gesetze fragen,So kann ich nicht,

律法をもとに問いつめ給うなら、できません、

Weil mein Gewissen widerspricht,

一良心が反駁しますから一

Auf tausend eines sagen.

千にひとつもお答えできません。

An Seelenkräften arm und an der Liebe bloß,

魂の力乏しく、身体は蔽うものなく、

Und meine Sünd ist schwer und übergroß;

わが罪は重く、余りに大きいのです。

Doch weil sie mich von Herzen reuen,

それでもそれを心から悔いておりますゆえ、

Wirst du, mein Gott und Hort,

御身は、わが神にして宝よ、

Durch ein Vergebungswort

赦しの御言葉によって

Mich wiederum erfreuen.

この身をふたたび喜ばせ給うでしょう。

3.アリア(アルト)

Wie furchtsam wankten meine Schritte,

なんとおどおどよろめいたことか、わが歩みは。

Doch Jesus hört auf meine Bitte

モれでもイエスはわが願いを聞き給い、

Und zeigt mich seinem Vater an.

この身を示し拾う、御父に。

  Mich drückten Sündenlasten nieder,

  この身は罪の重荷に押しひしがれていた。

  Doch hilft mir Jesu Trostwort wieder,

  それでもイエスの慰めの御言葉が助け給う、

  Dass er für mich genung getan.

  この身の為に十分償い給うたと。

4.レチタティーヴォ(テノール)

Mein Gott, verwirf mich nicht,

わが御神、この身を棄て給いませぬよう、

Wiewohl ich dein Gebot noch täglich übertrete,

ー御身の戒めをいまだ日毎に破ってはしゝましてもー

Von deinem Angesicht!

御顔の前から!

Das kleinste ist mir schon zu halten viel zu schwer;

ごく小さなこともこの身にはもう守るには重すぎます。

Doch, wenn ich um nichts mehr

それでも、他の何事でもなく

Als Jesu Beistand bete,

イエスのお助けを祈り求めれば、

So wird mich kein Gewissensstreit

どんな良心の呵責も

Der Zuversicht berauben;

依り頼む平安を奪うことはないでしょう。

Gib mir nur aus Barmherzigkeit

与え給え、憐れみによって

Den wahren Christenglauben!

まことのキリスト者の信仰を!

So stellt er sich mit guten Früchten ein

さすればそれは良き実とともに来たり

Und wird durch Liebe tätig sein.

愛によって働くことでしょう。

5.アリア(二重唱)(テノール、バス)

Gott, der du die Liebe heißt,

御神、御身 愛にまします方、

Ach, entzünde meinen Geist,

ああ、燃え立たせ給え、わが霊を、

Lass zu dir vor allen Dingen

御身へと、なによりも

Meine Liebe kräftig dringen!

わが愛を力強く達せしめ給え。

Gib, dass ich aus reinem Triebe

与え給え、この身が清い衝動で

Als mich selbst den Nächsten liebe;

わが身のように隣人を愛することを。

Stören Feinde meine Ruh,

敵どもがわが憩いを乱すなら、

Sende du mir Hülfe zu!

御身こそ この身に助けを送り給え!

6.コラール

Ehr sei Gott in dem höchsten Thron,

誉れ、神にあれ、高きところの玉座にて、

Dem Vater aller Güte,

あらゆる慈しみの御父に、

Und Jesu Christ, sein'm liebsten Sohn,

そしてイエス・キリスト、そのいとし子、

Der uns allzeit behüte,

われらをいつも護り給わん御方に、

Und Gott dem Heiligen Geiste,

そして御神、聖霊に、

Der uns sein Hülf allzeit leiste,

われらに助けをいつも与え給わん御方に、

Damit wir ihm gefällig sein,

われらが御心にかなうよう、

Hier in dieser Zeit

ここ、時の世にあって、

Und folgends in der Ewigkeit.

そして続いて永遠に。

                    対訳:松浦 純

ルカによる福音書 10章 33-37

 ところが、旅をしていたあるサマリア人は、そばに来ると、その人を見て憐れに思い、近寄って傷に油とぶどう酒を注ぎ、包帯をして、自分のろばに乗せ、宿屋に連れて行って介抱した。そして、翌日になると、デナリオン銀貨二枚を取り出し、宿屋の主人に渡して言った。『この人を介抱してください。費用がもっとかかったら、帰りがけに払います。』さて、あなたはこの二人の中で、だれが追いはぎに襲われた人の隣人になったと思うか。律法の専門家は言った。「その人を助けた人です。」そこで、イエスは言われた。「行って、あなたも同じようにしなさい。」

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