地球温暖化を隠蔽するため、石炭会社がお金をばらまいていた!

 いまや地球温暖化問題が待ったなしで進行していることは、まぎれもない事実ととらえられています。しかしこういう世論が一般化すると困る人たちも少なくないようです。

 たとえば、石油資本の多くは、この問題から人々の注意をそらさせるべく、巨額のお金をばらまいては、地球温暖化なんて心配ないと専門家や専門機関に発言させてきたことが判明しました。一方石炭業界は、どちらかというと沈黙を守ってきたように思われていましたが…。



 このほど米国最大手の石炭会社となるPeabody Energyは、ついに経営が立ち行かなくなり、会社更生手続きをスタート。ところが、その過程で、同社が地球温暖化問題から石炭業界を守るため、トンでもない額の資金を、数々の専門家や専門機関にばらまいてきた詳細が判明してきたそうです。

 Peabody Energyとの資金面での癒着が判明した団体の規模は、想像を絶するものがあります。シンクタンク、司法団体、気象分野の科学者、政治団体、あらゆる温暖化抑制にかかわる法案制定に反対した幾十もの組織が、すべて石炭業界からの資金援助を受けてきたことが明らかになりました。

 この収賄問題の調査に臨んだCenter for Media and DemocracyのNick Surgeyは、こんなふうにコメントしています。たとえば、Center for the Study of Carbon Dioxide and Global Changeという、二酸化炭素の排出が気候変動に与える影響を調査する機関が、Peabody Energyから資金援助を受けていました。当然ながら、その見返りには、火力発電などで石炭を燃やしても、なんら気候に悪影響はないといった報告を出していた疑いがもたれています。

 有名大学で研究を進める名だたる科学者たちにも、Peabody Energyからふんだんに資金が流れてきました。要はオバマ政権の地球温暖化対策に反対した著名な科学者や政治団体の大半が、Peabody Energyに金をもらってヤラセな意見を述べていたわけです。



 「二酸化炭素が(地球環境に)もたらす好影響は実証済みであるのに対して、唱えられている気候変動にもたらすリスクは、観測データに反するものでしかない。すべてが作り話の憶測にすぎず、科学的な根拠に欠けるものばかりだ。」

 火力発電は安全で地球環境によいとする一連の専門家や専門機関の支持を、巨額のマネーでとりつけたPeabody Energyは、こんな申し立てをホワイトハウスに行なっています。ところが、その悪どいロビー活動もむなしく、低価格の天然ガスエネルギーの台頭により一気に石炭業界は資金繰りがうまくいかなくなり、次々と倒産に追い込まれてきました。

 破産手続きの過程では、米国内の石炭会社の大手各社が、どんなふうに地球温暖化問題を過小評価させたり、火力発電と気候変動に関連性はないとの世論形成に取り組んできたのか、これまでの汚い手口の数々が暴露されています。そして、ついに米国最大手のPeabody Energyによる、前例のない規模での賄賂の流れが明るみになりました。

 お金さえあれば、どんなに事実と反する意見も、社会に強く訴えるものにできるという例が、また1つ暴かれた形です。ひそかに金を受け取って、もっともらしい意見を述べてきた専門家たちは、いまごろ実態を白日の下にさらされて世間にあわせる顔がないと恥じているのかもしれません。

(The Guardian―翻訳:Gizmodo)
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