創造性の豊かな人は一般人と何がどう違うのか?

 「創造性の豊かな人は一般人と何がどう違うのか?」という研究は古くから行われており、「右脳」の発達などがその要因として考えられてきました。しかし近年、脳全体におよぶネットワークの使い方や内面的・心理的な思考方法の違いが原因ではないかという意見が出されています。



 1960年代に心理学者のフランク・X・バロン博士が、創造性豊かな天才はどのようにひらめきを得るのかを調べるために、当時の有名な建築家・科学者・起業家・数学者などをカリフォルニア大学バークレー校に招待して、一連の実験を行いました。その研究によると、従来の支配的な見解に反して、創造的な思考において「知性」が寄与する割合は小さく、IQの高さは創造性と関係がないことが分かったといいます。

 バロン博士によると、創造性は知的・感情的・道徳的などの特性全般に関連性があるように見えたとのこと。そして創造性の豊かな人たちが持つ共通性として、内なる自分に対する「開放性」を感じたそうです。これは、複雑さと曖昧さのような相反する要素を併せ持つ二面性であり、バロン博士は「創造的な人は平均的な人よりも、『原始的であり文化的』『破壊的であり建設的』『正気であり狂気でもある』というのような二面性を多く持つ」と述べています。

 創造的な天才を説明する他の研究として、ドナルド・マッキノン博士は、創造的な作家は心理的健康度に関するスコアが極めて高いことを見つけています。これは、クリエイティブな人が内省的であることを意味しているとのこと。つまり、自分自身が持つ暗く不快な性格に自ら気づき、負の側面にすら親しみを持つことにより、心理的な健康度が高かったと考えられています。



 創造性に対して同種の印象を抱く研究者は他にもおり、クリエイティブな人を30年以上観察、研究した心理学者のミハリー・シクゼントミハリ博士は、「創造性のある人が他の人と違う点を一言で表すとすれば、『複雑性』です。彼らには矛盾する極端なものがはっきりと異なる形で同居しています。これに対して、一般的な多数の人は『調和的』だと言えます」と述べています。

 「創造性は右脳からもたらされる」という古くからある「右脳神話」に反して、創造的なプロセスは脳全体から来るという研究が出されています。マーカス・ライチェル博士によって2001年に発表された研究では、「デフォルトモードネットワーク」と呼ばれる複数の脳領域で神経回路を同調させ、起こりうる可能性に備えて脳を活性化する作用が発表されました。そして、人間の精神活動の半分はこのネットワークを活用して行われているとのこと。このネットワークは空想や反論など「self-generated cognition(自己生成認知)」と呼ばれる状態で最も活性化されると考えられています。また、創造的な人の脳は神経ネットワークを活性化したり不活化したりすることを柔軟に行えるとのことです。

 創造性豊かな人の持つ二面性と柔軟な脳のネットワークという、一般人とは異なる要素によって、創造性は生み出されるようです。

( Quartz―Gigazineより)
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