主はわれらを御心に留めたまえり〈BWV196)結婚カンタータ

 BACHは1707年10月、最初の妻マリーア・バルバラと結婚しましたが、この時司式をしたのが、ローレンツ・シュタウバーという遠縁にあたる牧師でした。翌年、このシュタウバーとバルバラの伯母にあたるレギーナ・ヴェーデマンとが結婚することになり、この日を祝って作曲されたのがこの曲だと考えられています。

 結婚カンタータとして書かれたものですが、テキストは旧約聖書の詩篇115篇の12~15節がそのまま使われ、宗教的な内容を持っているため、一般的には教会カンタータとして分類されていますが、世俗的な祝宴と宗教的な喜びの自然な合一は、BACHの住んでいた精神世界を示していると言えるでしょう。


無題.jpg


 編成は四声部の合唱に弦楽合奏が加わるのみのシンプルなもので、付点のリズムによる2声のヴァイオリンの模倣による流れるようなシンフォニアから始まり、続いてソプラノとテノールが模倣的に歌い始め、そのまま順列フーガとなる合唱(第2曲)が、両家の結合をイスラエルとアロンの繁栄に託して歌い、ヴァイオリンのユニゾンによるオブリガートを伴ったソプラノによる、簡素ながらも誠実な祈りの心情を歌うアリア(第3曲)の後、テノールとバスの二重唱(第4曲)によって一家の代々の繁栄が祈願されます。そして大きくホモフォニックな部分とフーガとに分けられる合唱(第5曲)によって神の恩寵と祝福を心から願いつつ、アーメンによって曲は閉じられます。


 2004年にライオネル・ムニエによってベルギーで設立されたヴォクス・ルミニスとスコルピオ・コレクティーフ・ アンサンブルのリハーサルの録画でお聴きください。歌手はツズシ・トス(S)、フィリップ Froeliger(T)、ライオネル・ムニエ(B)です。




主はわれらを御心に留めたまえり〈BWV196)

1.シンフォニア

2.合唱

Der Herr denket an uns und segnet uns.

主は私たちのことを思われ私たちを祝福してくださる。

Er segnet das Haus Israel, er segnet das Haus Aaron.

彼はイスラエルの家を祝福し、彼はアロンの家を祝福してくださる。

3.アリア (ソプラノ)

Er segnet, die den Herrn fu"rchten,  

彼は、主を畏れる人々を祝福してくださる、

beide, Kleine und Grose.

小さな者であれ大きな者であれどちらをも。

4.二重唱 (テノール・バス)

Der Herr segne euch je mehr und mehr,

主があなた方をいよいよますます祝福してくださるように、

euch und eure Kinder.

あなた方とあなた方の子どもたちを。

5.合唱

Ihr seid die Gesegneten des Herrn,

あなた方は主に祝福された者、

der Himmel und Erde gemacht hat.

天と地の造り主である主に。

Amen.

アーメン     

対訳: 葛の葉
スポンサーサイト
コメント
コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する