肥満と脳に関連性が?

 太っている人が標準体重の人より知能が劣るという挑発的な研究結果が発表されました。男性も女性も肥満型だと脳の灰白質が少ないことが原因だそうです。これまでの研究で脳の灰白質の容積と知能の関連性は明らかとなっています。

 これにより衝動的となり、さらに報酬プロセスまでが変質してしまっているのだといいます。もちろん太っている人すべてに該当するわけではありませんが、食べ過ぎると太るということがわかっているのに、どうしても自分をコントロールできないのは、脳の機能のせいということになります。



 カナダ、マニトバ大学のチェイス・フィグレー氏らによる研究は、アメリカ、メリーランド州ボルティモアに住む成人32名(男女各16名ずつ)の脳のイメージを調査したものです(脳障害、薬物の濫用、精神疾患の既往歴がある人は除外)。

 体の構成それ自体が認知、動機付け、自制心などを司る神経系に影響している可能性についてはこれまでも指摘されてきました。これはひるがえって個人のライフスタイルの質の差異となって現れ、やがて長期的な健康や幸福につながります。今回の研究はこれを支持する結果となりました。


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 研究者は肥満度の一般的な指標であるボディマス指数(BMI)と体脂肪率を測定し、これらを脳の構造や機能と比較しました。脳スキャンは全体はもちろん、特定のネットワークにまで及ぶ徹底したものだったといいます。特に関心が払われたのは”主要ネットワーク(salience network)”という、「やる気、意志、肉体的感情的な困難に耐える力の台座」の部分です。

 その結果、標準体重の人と肥満の人の間の白質には有意な差が見られませんでしたが、灰白質については、BMIが高い人は全体的に少ないことが明らかとなりました。

 一方で、特定のネットワークに目を向けるとまた違った絵図が浮かび上がります。とりわけ体重が重く、脂肪が多いほど、主要ネットワークにおいて白質が少ない傾向にありました。また背側線条体という、習慣的な行動に関連する領域にも差異が見られました。

 これについてフィグレー氏は、「こうした差異が、自制心を発揮して健康的なライフスタイルを維持する太った人の能力に影響すると考えるのは理にかなっています」とコメントしています。

 アメリカや南米など、世界各国で肥満が社会問題となっています。それに起因する糖尿病や心臓疾患などに関連する医療費はすでに膨大なものであり、今後さらに国の財政を圧迫すると予測されています。肥満はさらに認知症や若いうちからの脳の萎縮とも関連があると言われています。

(Mail Online―翻訳:カラパイアより)
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