みかんで糖尿病リスクが減少!

 世界中で爆発的に増えている糖尿病。2015年の時点で有病者数は4億1500万人に上り、昨年より2830万人も増加しました。

 わが国でも2012年の時点で「糖尿病が強く疑われる人」が950万人と推計され、前回調査(2007年)を60万人上回りました。さらに「糖尿病の可能性を否定できない人」、つまり予備軍を合わせると約2050万人となり、全人口に対して男性は27.3%、女性は21.8%にものぼります。

 実は今、世界的な懸案となっている糖尿病の発症リスクを下げるとして、にわかに注目されている食べ物が日本の「みかん」です。


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みかん農家は糖尿病になりにくい?

 みかんを毎日3〜4個食べる人は、ほとんど食べない人に比べて、2型糖尿病や脂質代謝異常症などの生活習慣病の発症リスクが低下することがわかりました。農研機構果樹研究所と浜松医科大学健康社会医学講座などの研究チームが、3月23日に明らかにしました。

 生活習慣病の予防には果物や野菜の摂取が重要であることが、近年の栄養疫学研究では示されています。とりわけ黄色や橙、赤などを示す天然色素である「カロテノイド」が注目を集めているといいます。

 みかんに多く含まれているのは、橙色の成分「βクリプトキサンチン」というカロテノイドです。

 研究チームは、2003年から静岡県浜松市三ヶ日町の住民1073人を対象とした栄養疫学調査「三ヶ日町研究」を行っていました。そして今回、10年間の追跡を終えた910人を対象に、βクリプトキサンチンなどの血中カロテノイド値と生活習慣病リスクとの関連について解析しました。

 被験者をβクリプトキサンチンの血中濃度により「低」「中」「高」の3群に分けて解析したところ、高濃度群は、低濃度群に比べて2型糖尿病の発症リスクが57%も低く、また、非アルコール性肝機能異常症のリスクも49%、脂質代謝異常症のリスクも33%低くなっていました。

 今回の参加者の多くは、みかん産業に従事しており、血中のβクリプトキサンチン濃度が高い人たちは毎日3〜4個のみかんを食べていることがわかりました。それに対して低濃度群は「毎日は食べない」という人たちでした。


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冬に「食いだめ」しても効果は持続する

 βクリプトキサンチンは、ニンジンに豊富なβカロテンよりはるかに強力な抗酸化作用があるとして、最近注目されている成分です。メカニズムはまだ不明だが、βクリプトキサンチンの血中濃度が高いと、インスリン分泌のバランスがよくなり、糖尿病予防につながるとみられています。

 また、色素成分の大半がほぼ1日で体外に排出され抗酸化作用がなくなるのに対し、βクリプトキサンチンは何カ月も体に残って抗酸化作用を発揮します。

 農研機構果樹研究所が行なった別の研究では、冬に採血した血液とほぼ同じ濃度のβクリプトキサンチンが、9月に同じ人から採取した血液からも検出されています。冬にたくさん食べたみかんの成分が翌年の秋まで残っていたのです。

 一方、みかんは動脈硬化にもいいといいます。マウスによる実験段階ですが、みかん果汁が動脈硬化の要因となる血管過剰増殖を抑えることが愛媛大医学部によって確認され、注目されています。

 どの成分が作用しているのかはまだ明らかになっていなませんが、ヒトに換算すると1日200mlほど飲めば効果があるといいます。


毎日食べても血糖値は大丈夫!

 ここで「みかんに含まれる果糖が血糖値を急激に上げるのでは?」と心配する向きもありますが、それは誤解です。血糖値上昇の指標であるグリセミックインデックス(GI)を見ると、ブドウ糖100、白米81に対して、みかんは33。果糖による血糖値の上昇度はかなり低いといいます。

 日本糖尿病学会が推奨する糖尿病食事療法でも、果物は血糖値を上げにくいと見直され、1日80kcal分摂るよう推奨されています。エネルギー量当たりのビタミンCやカリウム、食物繊維の含量が高く、制限された食事でも必要な栄養素が効率よく摂れる食品とされます。

 糖尿病患者であっても中くらいのみかんなら1日2個は食べられます。食べ過ぎは禁物ですが、適量なら問題はないようです。

(HealthPressより)
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