高カカオチョコは腸内で善玉菌を増やす!

ライフスタイルで腸内フローラは変わる

 人間の腸の中には1000種以上、実に600兆個を超える細菌が存在。その総重量は1kg以上になるといいます。腸内細菌には人間の健康にプラスに働く善玉菌とマイナスに働く悪玉菌、どちらともいえない日和見菌がいますが、肥満、糖尿病、がんに関係する悪玉菌がいることも分かってきたといいます。腸内細菌はおなかの調子にとどまらず、全身の健康にも大きく影響しているわけです。

 腸内フローラは性別、年齢によっても異なりますが、ライフスタイルも大きく関係しています。若い女性でも不摂生な生活をしていると中高年男性に多いタイプの腸内フローラになってしまうこともあり、食生活を中心としたライフスタイルを改善することで腸内フローラも改善するといいます。


善玉菌の中でも大切なのは?

 善玉菌の中でも大切なのは、酢酸を産生するビフィズス菌と、酪酸を産生するフィーカリバクテリウム(大便桿菌)や大便球菌。これらは健康長寿に直結する菌です。

 食物繊維や乳酸菌が多い食事、適度な運動と睡眠、規則正しい生活サイクル。これらを心がけることで、ビフィズス菌や酪酸産生菌が増えていきます。これらの菌が増え、腸内フローラが改善されることで免疫機能が高まり、病気になりにくくなるといいます。



カカオの健康成分はポリフェノールだけではない

 これまでもチョコレートの原料であるカカオの健康効果に関して、多くの研究が行われてきました。2014年に愛知県蒲郡市、明治、愛知学院大学が共同で行った、チョコレート摂取による健康機能に関する実証研究では、45歳から69歳の347人に、高カカオチョコレート(カカオ分72%)を1日25g、4週間食べてもらった結果、脳の神経細胞の活動を促進するBDNF(脳由来神経栄養因子)の増加による認知症予防の可能性、動脈硬化のリスク低減、血圧低下、HDL(善玉)コレステロール値の上昇など、カカオに含まれるポリフェノールの機能性が確認されました。さらに、多くの被験者から「便通が改善した」という意外な感想が寄せられたといいます。


カカオに含まれるたんぱく質、“カカオプロテイン”に着目

 カカオプロテインは消化されにくいことで知られます。人工消化試験にて牛乳に含まれるカゼインの消化率を100とすると、大豆たんぱく質は51.2、カカオプロテインは33.3しかないといいます。つまり、食物繊維やオリゴ糖と同じく、小腸で消化吸収されずに大腸に到達するわけです。


善玉菌を増やして便通を改善

 そこで今回明治と帝京大学が共同で「カカオプロテインの便通改善効果」を調べました。対象は20歳以上50歳未満、排便回数が週4回以下(便秘気味)の女性たちで、15人にカカオが含まれないホワイトチョコレートを、16人に高カカオチョコレート(カカオ分72%)を1日25gずつ、2週間食べ続けてもらいました。どちらもカロリーの差はなく、試験期間中に体重の増減は見られなかったといいます。

 するとホワイトチョコ群に比べて高カカオチョコレート群は(1)排便回数が多くなった(2)便の色が薄くなった(3)便の量が増えた--といった効果が確認されました。

 なぜ、こういった結果が得られたのでしょうか。例えば食物繊維をとると便の量が増える。しかし、推奨される食物繊維の量は1日約20gなのに対し、25gの高カカオチョコレートに含まれるカカオプロテインは1g程度しかありません。食物繊維を合算しても1日推奨量には届きません。

 その後、NGS法(菌のDNAを解読する最新技術)で被験者の腸内フローラを調べたところ、高カカオ群の女性たちはフィーカリバクテリウムなど4種類の短鎖脂肪酸産生菌が増えたことが分かりました。



短鎖脂肪酸が増えるとなぜいい?

 なお、短鎖脂肪酸とは酢酸、酪酸、プロピオン酸などの脂肪酸のことで、フィーカリバクテリウムは、その中でも特に酪酸を大量に産生する菌。長寿の人の腸内に多く存在することから、ビフィズス菌、乳酸菌に続く善玉菌といわれています。

 腸内に酪酸などの短鎖脂肪酸が増えると、ぜん動運動などの活発化による「便通改善」に加えて、腐敗産物減少と粘膜上皮細胞の異常増殖抑制による「大腸がんの抑制」、クローン病などの「炎症性腸疾患(IBD)の予防」、インスリンの分泌促進による「糖尿病の予防」などが期待できるといわれています。

 つまり、高カカオチョコレートの継続摂取で、最近増えている大腸がん、IBD、糖尿病のリスクを下げる可能性があるわけです。これからチョコレートを食べるときには、ぜひカカオの含有量にも注目しましょう。

(NIKKEI STYLEより)
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