高血圧を予防する乳酸菌の秘密

 脳卒中や心疾患など命に関わる病気につながる高血圧。決して放置しておいてはいけないのですが、自覚症状がないため気がつかないでいると徐々に血管はむしばまれていきます。

 乳酸菌にはそんな高血圧を予防する効果も期待できるといいます。


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高血圧は「サイレントキラー」

 高血圧は日頃の生活習慣によって引き起こされることが多く、日本では30歳以上の男性の60%、女性の45%が高血圧だと試算されています。これといった自覚症状がほとんどないため放置されやすく、50歳代の高血圧患者の治療率は半数にも満たないというデータもあります。

 しかし、高血圧の状態を放置していると動脈硬化を促進し、脳梗塞や脳出血などの脳卒中、狭心症や心筋梗塞などの心疾患、あるいは慢性腎臓病など大きな病気につながる可能性が高くなります。

 そのため高血圧は「サイレントキラー」として恐れられていますが、最近の研究によると特に脳卒中は高血圧の影響が大きいことがわかってきました。一説では、収縮期血圧(最高血圧)が10mmHg上昇すると、脳卒中リスクが男性で約20%、女性で約15%も高くなるといいます。脳卒中は命が助かったとしても、運動機能や言語、認知機能などに障害が残りやすいのが特徴です。脳卒中を起こし、後遺症のために長年リハビリ治療を受けることを余儀なくされるケースも少なくありません。

 また、血圧の上昇は腎臓にも負担がかかり、慢性腎臓病を招きやすく、そうなるとさらに血圧が上昇するという悪循環を起こします。

 高血圧というと、高齢者というイメージがありますが、実際には30~40歳代の男性の約30%、女性でも10~20%が高血圧の状態であるにも関わらず、その多くは治療を受けていません。高血圧の放置期間が長ければ長いほど、血管の傷みも進み、いきなり脳卒中や心筋梗塞で倒れるという事態に陥りかねなませんい。日頃から食生活の改善や生活習慣の見直しをはかり、血圧を上手にコントロールしていきたいものです。


血圧を下げる乳酸菌の秘密とは?

 そんな怖い高血圧にも乳酸菌は有効に働く食品だといいます。まず、乳酸菌を含むヨーグルトには、豊富なミネラルが含まれていますが、その中でもカリウムは体内のナトリウムを排出させる役割を果たします。血管内にナトリウムが多く含まれていると、浸透圧の関係で水分が多くなり、そのために血圧が上昇します。カリウムは余分なナトリウムを体から排出させるので、それが血圧を下げる一因となります。

 さらに、血圧を下げる効果をもたらすカギとなるのが、「ラクトトリペプチド(LTP)」という物質です。これは牛乳に含まれる乳たんぱく質のカゼインから生まれた3つのアミノ酸が結合した有効成分です。

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 血圧が上がる要因の一つに、アンジオテンシン変換酵素(ACE)という物質が関わっています。このアンジオテンシン変換酵素は、体内で産生される生理活性物質のアンジオテンシンⅠを血管を収縮させて血圧を上昇させるアンジオテンシンⅡに変換させてしまう酵素です。

 先のラクトトリペプチドには、この酵素の働きを邪魔する作用があり、ラクトトリペプチドを摂取することで、血圧が低下することはいろいろな実験で証明されており、現在、特定保健用食品(トクホ)にも認められています。


血管を若返らせる効果も期待

 乳酸菌が作り出すラクトトリペプチドの効果は、高血圧の予防だけではなく、血管年齢を若返らせる作用があることも確認されています。

 血管年齢というのは、その人の血管の状態が何歳に相当するのかという指標のようなもので、血管年齢が若いほど血管は柔らかく弾力性に富んでいますが、血管年齢が高いと血管は硬く、内腔が狭くなり、動脈硬化が進んでいることになります。動脈硬化が進むと、いずれ梗塞などの詰まりを起こしたり、血管の破裂などの原因となります。

 ある実験では、実年齢より血管年齢の高い女性の被験者を2つのグループに分け、片方には食事指導を行い、もう片方には食事指導を行わずにラクトトリペプチドを含む飲料を1日1回摂取させ、8週間後に再び血管年齢をチェックしました。その結果、食事指導だけのグループでは特に血管年齢に変化はありませんでしたが、ラクトトリペプチドを摂取したグループは平均5歳もの低下が認められました。

 ラクトトリペプチドを含む乳酸菌で、血管を若返らせ、高血圧や動脈硬化などとは、できるかぎり縁のない生活を送りたいものです。高血圧予防に関連する乳酸菌には、BC90株やラクトバチルス、ヘルベティカス、CM4株などがあります。

(HealthPressより)
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