ウコンなど「飲む前に飲む」系飲料の危険な副作用!

 忘年会にクリスマス、そして年が明けて新年会。いよいよ飲み会シーズンです。宴会前にコンビニエンスストアに立ち寄り、ウコン飲料やウコンサプリなどを購入し、「飲む前に飲む」と悪酔いしないとよくいわれます。

 二日酔いや肝臓に良いという口コミが広がって、いつの間にか「飲み会の強い味方」となったウコン。その認知度とは逆に、ウコンの副作用についてはあまり知られていません。特に肝臓に不安のある方は副作用をしっかり理解して、「飲む前に飲む」を過信しないようにしましょう。



ウコンとは?

 ウコンは、もともと東南アジアに自生していた植物です。ショウガ科ウコン属の植物で、見た目もショウガによく似ています。利用されているのは根の部分ですが、割ってみると鮮やかな黄色をしていて、ショウガより苦味が強いのも特徴的です。代表的な産地としては、インドやミャンマーなどで、高温多湿を好み、日本では主に沖縄や九州で栽培されています。

 沖縄では、昔から「ウコンは健康に良い」とされ、お茶として飲んだり、料理に使ったり、日常的に利用されていました。祭りなどで、泡盛などお酒をたくさん飲み交わすときには、祭りの前にウコンを飲む習慣があったようですが、一方で「妊婦にウコンを飲ませると流産の危険がある」ともいわれていました。


ウコンが二日酔いに効く理由

 ウコンが二日酔いに効くといわれているのは、ウコンが肝臓の機能を助けるからですが、これはウコンに含まれる「クルクミン」という成分によるものです。

 ウコンの黄色は、色素成分であるクルクミンを含むためです。このクルクミンは着色料としても使われていて、ターメリックとも呼ばれています。カレーの黄色は、このターメリックがスパイスとして入っているからです。

 クルクミンには、胆汁の分泌を促す効果があり、これが肝細胞を刺激し、肝臓の働きがより活発になるといいます。

 飲み会の前にウコンを飲む最大の理由は、二日酔いを防ぐためですが、二日酔いは、「アセトアルデヒド」が体内に残ってしまうことで起こります。体内に入ったアルコールは、まず、アルコール脱水素酵素の働きでアセトアルデヒドに分解されます。次に、アセトアルデヒド脱水素酵素によって酢酸に分解され、さらに水と二酸化炭素に分解されて体の外へ排出されます。

 このアセトアルデヒドが、頭痛や吐き気など二日酔いの原因です。アセトアルデヒドを分解する酵素の力は、体質によって大きく異なり、これがお酒の強い人・弱い人を決めています。その人の持つ酵素の力以上のアルコールを飲むと、分解しきれなかったアセトアルデヒドが体内に残り、吐き気や頭痛を引き起こします。

 ウコンに含まれるクルクミンの作用により肝機能が活性化し、アセトアルデヒドが残りにくくなるといわれ、二日酔いだけではなく、飲んでいる間の悪酔いも起こりにくくなります。

 ウコンにもいろいろな種類があり、主なものでは「春ウコン」「秋ウコン」、そしてガジュツとも呼ばれる「紫ウコン」などがあります。同じウコンの仲間でも、含まれる成分の割合も異なります。

 肝臓の機能を活性化するクルクミンが多く含まれているのは秋ウコンで、沖縄では秋ウコンを「肝臓の妙薬」と呼んでいるそうです。また、春ウコンや紫ウコンは、クルクミンの含有量は少ないですが、ミネラル分や精油成分は豊富に含まれています。


ウコンの副作用

 ウコンの副作用についてはあまり知らされていませんが、下記に当てはまる方は注意が必要です。

(1)肝機能が低下している方

 ウコンには鉄分が多く含まれています。「日本人は鉄分が不足している」といわれているので、鉄分が多いことは良いことのように思えますが、肝臓が弱っている人の場合には摂取した鉄分が肝臓に溜まり排出できずに鉄分が過剰状態になってしまいます。過剰になると、肝硬変などになる危険性もあり、特に肝臓障害、たとえばC型肝炎や、非アルコール性脂肪性肝炎にかかっている方の摂取は控えます。

(2)抗血液凝固剤などを服用している方

 クルクミンには、血液をサラサラにする効果があります。血液をサラサラにする薬を常用されている方は、血が止まりにくくなることがありますので注意しましょう。また、血小板が少なく、血が止まりにくい病気(血友病など)の方も、飲まないほうが良いでしょう。

(3)胆汁管障害、胆石を患っている方

 クルクミンには、肝臓の機能を促進し、胆汁の分泌量を増やす効果があります。そのため、胆汁観障害や胆石を患っている方の場合、胆のう刺激作用のあるクルクミンの摂取は控えましょう。

(4)妊娠中や授乳中の方

 ウコンのなかでも紫ウコンは、香りが強く精油成分を多く含んでいます。この精油成分が、子宮を収縮させてしまうことがあります。紫ウコンの名産地、沖縄では「妊婦に紫ウコンは与えるな」と言い伝えられています。二日酔いを防ぐためのウコン飲料に含まれているのは「秋ウコン」ですから、それほど影響はないと考えられます。また、紫ウコンも大量に摂取しない限り、流産するほどの危険はないと思われますが、妊娠している方は注意しましょう。もちろん、カレーや料理のスパイスとして使う程度であれば問題はありません。

 また、ウコンには血圧を下げる作用もあるので、降圧剤を服用中の方も注意します。ほかにも、急性黄疸、ヘルペス、消化性潰瘍、胃酸過多などの方も慎重に摂取しましょう。


本当に怖いのは自覚症状が出にくい肝臓の異常

 ウコンに含まれるクルクミンが肝臓の機能を強化し、働きを促進します。そのため、「飲む前に飲む」を繰り返していると、肝臓にかかる負担は大きくなり、結果的に肝臓の機能低下を招いてしまうこともあります。

 ウコンを摂取し自分の酵素の力以上の働きをすることで、日常的に暴飲暴食が繰り返されると、中性脂肪が肝臓内に溜まっていきます。肝細胞の30%以上が脂肪化している状態が「脂肪肝」で、脂肪肝は肝硬変に進行してしまいます。

 「肝臓は無言の臓器」ともいわれ、検査を受けてはじめて肝炎や脂肪肝と診断されることも多いといいます。自覚症状が出にくく、症状が出てもだるさ程度で見落としてしまいがちです。肝炎や脂肪肝がさらに肝臓がんに移行して、気付いた時には取り返しのつかない状態になっている場合もあります。これが「飲む前に飲む」を繰り返して起こる本当に怖い副作用です。

 自覚症状のないまま肝臓に負担をかけ続け、自覚した時にはもうかなり症状が悪化しているというケースが少なくありません。

 これはウコンに限ったことではなく、「酔わない」「二日酔いになりにくい」と謳っているドリンク、サプリなどにもいえることです。

 これからの季節、毎日のように繰り広げられる飲み会で、疲れている胃を胃薬でだまし、「飲む前に飲む」ドリンクやサプリを飲んで自分の酵素の能力以上の負担をかけるのはほどほどにしましょう。

( Business Journal より)
スポンサーサイト
コメント
コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する