食後に血糖値が乱高下する「血糖値スパイク」で突然死も!

 健康診断の血糖値は正常なのに、食後の短時間だけ、まるでジェットコースターのように「血糖値が乱高下」する、「血糖値スパイク」と呼ばれる生命を脅かすほどの生理現象があります。



空腹時は正常でも、食後、急激に上昇して140mg/dLを上回る

 40代頃から急増し、日本人の4人に1人が罹るとされる生活習慣病、糖尿病。太っていなくても、健康診断で異常がなくても、安心できないのが糖尿病の怖さです。健康診断では気づきにくい血糖値の異常が潜んでいます。食後、血糖値が急激に乱高下する血糖値スパイクは万病の元だといいます。

 食事すれば、血糖値は一時的に上がりますが、正常な人なら140mg/DLを超えません。しかし空腹時の血糖値は正常でも、食後、急激に上昇して140mg/dLを上回り、その後、速やかに正常に戻る場合があります。これが血糖値スパイクです。グラフを見ると、急上昇の直線がまるでスパイク(尖った釘)のように見えます。

 以前から食後の血糖値が高まる事実は分かっていましたが、血糖値を24時間リアルタイムで計測できる測定器が開発され、1日の変動の推移が詳しく掴めるようになったことから、血糖値スパイクのリスクが問われるようになりました。



糖尿病、脳梗塞、心筋梗塞、がん、認知症などのリスクが高まり、最悪、突然死も

 血糖値スパイクが怖いのはなぜか? 血糖値スパイクは、糖尿病の初期段階なので、放置すれば、糖尿病につながる可能性が極めて高く、最悪なら合併症による失明、手足の切断などの致命的なリスクも避けられません。

 リスクは、それだけではありません。血糖値が急上昇すると、活性酸素が大量に発生し、血管内の細胞を傷つけ、コレステロールを酸化させます。免疫細胞が働くと、血管壁が盛り上がり、血管の内側が狭くなり、動脈硬化が多発するため、脳梗塞や心筋梗塞に陥ります。その結果、突然死のリスクが一気に高まります。

 さらに、最近の臨床研究によって、血糖値スパイクが生じてインスリンが多く分泌されると、脳内にアルツハイマー型認知症の原因とされるアミロイドベータの蓄積が進むため、記憶力が衰えやすくなり、またインスリンは細胞を増殖させる働きがあるので、がん細胞の増殖を促しやすいといいます。つまり、血糖値スパイクは、認知症、がんの発症リスクを必然的に高めることにつながります。

 血糖値スパイク予防の基本は、血糖値を上げる「糖質の吸収をゆっくりさせる」ことに尽きます。


食べる順番「野菜→肉・魚→ご飯・パン」を守る

 第1は、食べる順番「野菜→肉・魚→ご飯・パン」を守ります。特に食物繊維を先に多くゆっくり食べます。食物繊維を多く含む野菜を最初に食べると、食物繊維が腸壁をコーティングするので、糖質の吸収が遅れるからです。

 次にタンパク質や脂質を含む肉や魚を食べると、血糖値を抑える消化器ホルモンのインクレチンが分泌され、胃腸の動きが弱まるため、糖質の吸収が遅れます。最後に糖質を多く含むご飯・パンを食べると、血糖値の急上昇が抑えられます。

 また、最新の臨床研究によると、腸内細菌バクテロイデス類は、血糖値を下げ、血糖を分解するインスリンを出すホルモンのインクレチンを増やすことから、さらにインスリンも増えて、血糖が分解しやすくなる事実が分かっています。

 バクテロイデス類は、ゴボウ、タマネギ、ニンジン、ニンニクなどの根菜類、キノコ、ひじきなどの海藻類、オクラなどのネバネバする食品の水溶性食物繊維にたっぷり含まれています。ご飯は、玄米、大麦、五穀米なども効果があります。


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糖分を避ける=GI値(グリセミック指数)の低い食品を摂る

 第2は「糖分を避ける」こと。GI値(グリセミック指数)の低い食品を摂る。GI値は血糖値の上昇スピードを表す指標。たとえば、白米は88、玄米は55です。

 白米のようなGI値の高い食品を食べると、血糖値は急上昇し、血糖値を下げるためにインシュリンが多く分泌されるので、血糖値は下がります。ところが、インシュリンは脂肪を作り、脂肪の分解を抑制するため、肥満の原因になります。

 一方、玄米のようなGI値の低い食品を食べると、血糖値は緩やかに上昇し、インシュリンの分泌が抑えられるので、肥満が防げます。つまり、GI値の低い食品は、高血糖を改善する効果があることから、ダイエット効果を期待でき、糖尿病、がんなどの発症リスクを抑制します。


きちんと3食!食後は運動

 第3は「朝食を絶対に抜かない」こと。ある実験では、1日3食を規則正しく食べている時は、血糖値スパイクが生じなかったが、朝ごはんを抜くと、昼食後に血糖値スパイクが発生。朝食も昼食も抜くと、夕食後にさらに大きな血糖値スパイクが生じることが分かりました。きちんと3食、食べることが大切です。

 第4は「食後1時間程度、ちょこちょこ体を動かす」こと。食後15分間は、食べ物の消化吸収が促されるため、血液が胃や腸に集まります。体を動かせば、血液が手足の筋肉に使われ、胃や腸の働きが弱まります。その結果、糖の吸収が遅れ、血糖値が抑えられます。ただ、激しい運動は消化に悪く、逆効果です。掃除機をかける、床を拭く、風呂やトイレの掃除をする、買い物に出るなどの軽い運動でも効果があるといいます。

 糖尿病、脳梗塞、心筋梗塞、突然死、がん、認知症を招く、恐ろしい血糖値スパイク。しかし、血糖値のメカニズムを知り、血糖値をコントロールする生活習慣を心がければ、解消できます。健康診断の正常値だけに安心ぜず、日頃から血糖値の変化に関心を持ちましょう。

(HealthPressよりより要約)
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