コーヒー1日3杯以上のカフェインが認知症を減らす?

 1日にコーヒー3杯以上に相当するカフェインを摂取している高齢女性は、カフェイン摂取量が少ない人に比べて、その後認知障害や認知症を発症するリスクが低いことが、米国の高齢女性を対象とした研究で明らかになったといいます。


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カフェインは認知機能の保護に役立つ可能性が示唆されていた

 これまで、動物を対象とする研究では、コーヒーに含まれるカフェインやその他の成分が、認知機能の保護に役立つことが示唆されていました。また、カフェインが、認知障害とアルツハイマー病を予防する可能性を示した実験データも報告されています。しかし、人を対象とする研究では、明瞭な結果は得られていませんでした。

 今回、米ウィスコンシン大学ミルウォーキー校のIra Driscoll氏らは、Women’s Health Initiative Memory Studyと名付けられた研究に参加した、65歳から80歳の女性を対象に、カフェインの摂取と認知障害や認知症の関係を調べました。

 最初に食物摂取頻度調査を行い、コーヒー、紅茶、コーラ飲料などの摂取習慣に基づいて1日当たりのカフェイン摂取量を推定しました。それ以降の追跡期間中には、認知機能の検査を毎年行い、1回以上検査を受けていた6467人を分析対象にしました。

 認知障害や認知症の診断には、4段階からなる診断方法を用い、第一段階は、認知機能検査(MMSE)を用いた年1回の検査で、そのスコアが認知機能の低下を示唆した患者には、第二段階として神経心理学的総合テストを行い、さらに第三段階として詳細な診察を行いました。ここで認知症の可能性が高いとみなされた患者には、第四段階となるCT検査と血液検査を行って、認知機能を低下させる他の病気ではないことを確認しました。以上の結果を専門家からなる中央判定委員会で審議して、診断を確定しました。

 追跡期間中に209人が認知症と診断され、179人が軽度認知障害と診断されており、計388人が認知機能の低下を経験していました。


平均261mgの群と平均64mgの群で認知症リスクに26%の差

 対象となった女性の1日当たりのカフェイン摂取量の中央値は175mg/日でした。この中央値に基づき、対象者を、1日当たりのカフェイン摂取量が175mg以上だった高摂取群(平均は261mg/日)と、175mg未満だった低摂取群(平均は64mg/日)に分けて分析しました。高摂取群の追跡期間は7.2年、低摂取群は6.9年になりました。

 分析の結果、低摂取群の女性に比べ、高摂取群の女性では、追跡期間中に認知症と診断されるリスクが26%低く、軽度認知障害または認知症と診断されるリスクも26%低いことが明らかになりました。また、カフェイン摂取量が多い人ほどMMSEのスコアが良好である傾向もみられました。

 今後、世界的に高齢化が進むと共に認知症の患者が増加すると予想されています。1人ひとりの女性に対するカフェインの作用は小さくても、国レベルで考えると、利益は意義のあるものになるだろうと考えられます。

 なお1日のカフェイン摂取量は、カフェインを含有する飲食物としてコーヒーしか飲まないと仮定すると、3杯でおおよそ180mgになります。


健康な成人が摂取しても安全とみなしたカフェインの量


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(日経Goodayより)
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