新たに生まれしみどり児(BWV122)

 この作品は降誕祭後第1主日、1724.12.31にライプツィヒで初演された、キリスト降誕による救済と新しい年の訪れを祝うキュリアスク・シュネーガス作詞の同名のコラールに基づくたカンタータです。今年は降誕祭後第1主日が巡って来ないので、初演と同じ12.31に聴くことにします。


無題.jpg


 初演された翌日には大規模な新年用のカンタータを控えて、演奏者のの負担を少なくする工夫がなされています。このカンタータの聴きどころは、限定された条件の中で見事な作品を生み出したところにあります。


 1991年ハンガリー、ブダペストに設立されたオルフェオ・オーケストラ、指揮ジェルジ・ヴァシェギの演奏でお聴きください。歌手はエスズター・バログ(S)、ピーター・メーサーロシュ(T)、Domonkos BLAZSÓ(B)です。





新たに生まれしみどり児(BWV122)

第1曲 合唱

Das neugebor’ne Kindelein,

生まれたばかりの幼な子が、

 das herzeliebe Jesulein,

 愛らしい幼いイエスが、

bringt abermal ein neues Jahr,

また新しい年を連れてくる、

 der auserwählten Christenschar.

 選ばれたキリストに従う者たちの群れに。

第2曲 アリア(バス)

O Menschen, die ihr täglich sündigt,

おお、人々よ、日々罪にまみれて暮らす者たちよ、

 ihr sollt der Engel Freude sein.

 天使たちと喜びをともにしなさい。

Ihr jubilierendes Geschrei,

天使たちの喜びの叫び声は、

 das Gott mit euch versohnet sei,

 神があなたたちと和解して下さるという、

 hat euch den süßen Trost verkündigt.

 甘い慰めをあなたたちに知らせているのです。

O Menschen, . . .

おお、人々よ、. . .

第3曲 レチタティーヴォ(ソプラノ)

Die Engel, welche sich zuvor vor euch,

天使たちは、かつてはあなたたちを

 als vor Verfluchten, scheuen,

 まるで呪われた者のように避けていましたが、

erfüllen nun die Luft im höhern Chor,

今や、天上の合唱隊となって空を満たし、

 um über euer Heil sich zu erfreuen.

 あなたたちの救いを喜んでいるのです。

Gott, so euch aus dem Paradies

神は、かつてあなたたちを楽園での、

 aus englischer Gemeinschaft stieß,

 天使にも等しい交わりから追放しましたが

läßt euch nun wiederum auf Erden,

今や再び、地上にあるあなたたちに、

durch seine Gegenwart,

御自身の姿を現わして、

 vollkommen selig werden:

 完全な幸福へと招いておられるのです。

So danket nun mit vollem Munde

それゆえ、言葉を尽くして感謝しなさい、

 vor die gewunschte Zeit im neuen Bunde.

 新しい契約の希望の時が満ちたことを。

第4曲 アリア三重唱(ソプラノとテノール)とコラール(アルト)

-Ist Gott versöhnt und unser Freund,

-神は人間と和解し、私たちの友となった、

O wohl uns, die wir an ihn glauben,

おお、何と幸いなことか、神を信じる私たちは。

-was kann uns tun der arge Feind?

-邪悪な敵とて私たちに対して何ができよう、

sein Grimm kann unsern Trost nicht rauben;

いくら怒っても私たちから慰めを奪えはしない。

-Trotz Teufel und der Höllen Pfort’,

-悪魔も地獄の門も何するものぞ、

ihr Wüten wird sie wenig nützen:

彼らがいかに猛り狂っても無駄なこと。

-das Jesulein ist unser Hort.

-幼いイエスが私たちの盾となったのだから、

Gott ist mit uns und will uns schützen.

神は私たちとともにおられ、私たちを守っている。

第5曲 レチタティーヴォ(バス)

Dies ist ein Tag, den selbst der Herr gemacht,

今日こそ、神御自身がお作りになった日、

 der seinen Sohn in diese Welt gebracht.

 神の御子がこの世に生まれてきた日。

O sel’ge Zeit, die nun erfüllt!

おお、今や幸いの時が満ちる。

O glaubig’s Warten, das nun mehr gestillt!

おお、信じて待つ心が今まさに静められる。

O Glaube, der sein Ende sieht!

おお、信仰はその目的地を見る。

O Liebe, die Gott zu sich zieht!

おお、愛が神を引き寄せる。

O Freudigkeit, so durch die Trubsal dringt

おお、喜びは悲しみを通り抜け、

 und Gott der Lippen Opfer bringt.

 神に唇の捧げ物(讃美の歌)を捧げる。

第6曲 コラール(合唱)

Es bringt das rechte Jubeljahr,

今まさに喜びの年が明ける、

 was trauern wir denn immerdar?

 もはや何を悲しむことがあるだろう。

Frisch auf! itzt ist es Singenszeit,

心をを新たにせよ、今こそは歌うべき時、

 das Jesulein wend’t alles Leid.

 幼いイエスがすべての憂いを除いて下さる、と。

                       小林 英夫 訳


ルカによる福音書 2章 33-40

 父と母は、幼子についてこのように言われたことに驚いていた。シメオンは彼らを祝福し、母親のマリアに言った。「御覧なさい。この子は、イスラエルの多くの人を倒したり立ち上がらせたりするためにと定められ、また、反対を受けるしるしとして定められています。――あなた自身も剣で心を刺し貫かれます――多くの人の心にある思いがあらわにされるためです。」 また、アシェル族のファヌエルの娘で、アンナという女預言者がいた。非常に年をとっていて、若いとき嫁いでから七年間夫と共に暮らしたが、夫に死に別れ、八十四歳になっていた。彼女は神殿を離れず、断食したり祈ったりして、夜も昼も神に仕えていたが、そのとき、近づいて来て神を賛美し、エルサレムの救いを待ち望んでいる人々皆に幼子のことを話した。 親子は主の律法で定められたことをみな終えたので、自分たちの町であるガリラヤのナザレに帰った。幼子はたくましく育ち、知恵に満ち、神の恵みに包まれていた。

スポンサーサイト
コメント
コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する