ストラディバリウス、音色の秘密は防虫処理?

 バイオリンの名器ストラディバリウスの独特の音色が生みだされるわけは、材料の木材に防虫目的で塗り込まれた化学物質が影響している可能性があることがわかったといいます。台湾大などの研究チームが、名器から削り取った木片を分析し、現代のバイオリンと比べました。その論文を米科学アカデミー紀要(電子版)に発表しました。

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12億7420万円で落札されたストラディバリウス ”Lady Blunt”(Wikipediaより)


 ストラディバリウスは、イタリア・クレモナの楽器職人アントニオ・ストラディバリ(1644~1737)が作ったバイオリンやビオラなどの弦楽器。深みのある低音や透き通った高音が高く評価されています。世界に数百丁しか現存していないとされ、高価なものは10億円以上の値で取引されています。精巧な複製品も作られてきましたが音色は再現できません。音色の秘密として、専門家の間で木材やニス、防虫処理などが議論されてきましたが、今でも解明されていません。

 研究チームは、ストラディバリウスのバイオリン2丁とチェロ2丁、同じクレモナ産の名器ガルネリのバイオリン1丁の背面板などから修理の際などに出た余った木片を分析。アルミや亜鉛、カルシウム、カリウムなどを多く含むことを突き止めました。当時の材木業者がカビや害虫を防ぐため下処理したとみられます。化学物質が木材の繊維の結合を強め、木材の強度が増している可能性があるといいます。現代のバイオリンには、こうした物質は含まれていませんでした。

 3世紀に及ぶ年月や演奏による振動で、木質が大幅に変化していることも判明。水分を吸収する成分のヘミセルロースの分解が進み、現代のものより水分が約25%失われていました。こうした要因が複雑に絡み合い、独特の音色を生み出していると見られています。

 研究チームの戴桓青・台湾大助教(生化学)は「研究が進めば、本物とほぼ同じ音色を再現できるようになるだろう。成果は、今後の楽器作りにも役立つはずだ」と話しています。

 以下のYoutubeは、ストラディバリウスのオリジナル古楽器と改造した近代楽器との比較した興味深い動画です。ブログの内容とは異なりますが、参考までに添付します。




(朝日新聞Digital他より)


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