睡眠不足は飲酒運転と同じくらい危険!

 「夜間の睡眠時間が1~2時間少ないだけでも、ドライバーが翌日、自動車事故に遭う確率が、ほぼ2倍になる」これは、全米自動車協会(AAA)交通安全財団のBrian Tefft氏らの詳細分析によって示唆されたもので、自動車事故リスクの原因究明に際し、同氏らは、米国運輸省道路交通安全局(NHTSA)の過去調査を再分析する方法を採用しました。



 これは2005年7月~2007年12月の期間中、午前6時~深夜0時までの時間帯に発生した交通事故4571件に関して、関連ドライバー7234人を対象に実施された調査データです。

 解析を担当したのは、特別な訓練を受けた専門調査員らで、

①事故の寄与因子

②ドライバーの睡眠習慣

③睡眠スケジュールの変化

④事故前24時間の睡眠時間

などを現場の状況に鑑みて比較しました。

 その結果、一般に推奨される睡眠時間(7時間以上)を取っていたドライバーに対し、睡眠時間が少ない層ほど、事故リスクが高くなる傾向が判明しました。具体的な内訳は、事故前の24時間内で「4~5時間しか睡眠時間を取らない」場合のリスクが4.3倍、「同4時間未満」になると実に11.5倍の数値が導かれました。

 「この層の睡眠不足状態は、血中アルコール濃度0.12~0.15で運転することと同じである」と、Tefft氏らはレポート上で指摘しています。大半の米国の州が、アルコール濃度0.08以上を「法的な飲酒状態」と見なしている事実を知れば、彼らの警告の深刻さが伝わります。


7時間以下の睡眠で運転したら事故リスクは

 事実、居眠り運転は「目隠し運転」よりも事故リスクが高いという専門筋の指摘さえあります。前者の場合、運転がふらつき、走行車線の維持が難儀で、中央線越えや路外逸脱の可能性が高いからです。

 また、居眠り運転の場合、速度操作もおぼつかなければ、万が一の際に反応時間やブレーキも遅れ、危険回避が行なえません。推奨される睡眠7時間を下回った場合、5~6時間眠っていても事故リスクは1.9倍、6~7時間未満で1.3倍に高まるといいます。免許保持者であるならば憶えておきたい数値です。

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日本の調査でも「ヒヤリ・ハット体験」が2.3倍も

 わが国の厚生労働省が2006年、トラックドライバー陣を対象に実施した「過労運転等による交通労働災害防止に係る調査研究」でも次のような結果が出ました。睡眠時間が5時間未満の運転手は、5時間以上の同業者に比べて「ヒヤリ・ハット体験」が2.3倍も高く、睡眠不足による危険性が浮き彫りとされています。

 「職場の掲示板に『最近の事故例』が張り出されますが、意外と多いのが公休日明けの乗務員が出庫直後に起こす朝の事故。休日で遊びすぎたり飲みすぎたりして、ついつい寝る時間が遅くなったとかが原因の事故ですね」と某トラックドライバーはいいます。

 今回の知見についてTefft氏は、「睡眠不足と自動車事故に巻き込まれるリスクとの関係を、実際に定量化した研究はこれが初めてだと自負している」と述べています。同報告によれば、事故原因となった運転手側の場合、一様に事故前24時間の睡眠時間が通常よりも少なく、過去7日間で睡眠スケジュールを変えた可能性が高かったそうです。

 また、居眠り運転関連の事故で最も過失が大きかった層は若齢と高齢運転者で、直接の事故原因ではない運転手側の大半が「中年」という傾向も読み取れました。普段は人一倍健康に気を使い、睡眠時間も規則的に順守している運転者でも、久しぶりの行楽ドライブやキャンプ行きなどに際しては準備に追われたりして睡眠時間が削られたりするものです。そんなイレギュラーな行動時こそ要注意です。

 昨年、私もロサンゼルスに行き、時差ボケで睡眠不足の中、サンタバーバラ迄およそ160km、東京から軽井沢くらいの距離を休憩なしに運転しましたが、途中睡魔に襲われ、明らかに居眠り運転をしていました。周囲の車と同じおよそ120km/hで走っていましたので、かなり蛇行運転をしていたと思われます。今考えるとかなり危険なドライブでした。

(HealthPressより要約)
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