見るものに合わせて自動的にピントを合わせるスマートメガネ

 メガネのレンズには度数が固定されたものだけでなく、遠近両用レンズの「二焦点(バイフォーカル)レンズ」「累進(プログレッシブ)レンズ」などが存在します。これらのレンズは1枚に異なる度数のレンズを合わせているため、普通のメガネとは物の見方が異なり、慣れるまで時間がかかるのですが、装着して何かを見るだけでメガネが自動的にピントを合わせてくれるという、液体ベースの特殊なレンズを使った画期的なメガネが開発されています。


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 装着者の見ているものに自動的にピントを合わせるというスマートメガネを開発したのは、ユタ大学の電気・コンピュータ工学部のカルロス・マストラジェロ教授らを含むエンジニアチームです。レンズには保湿剤や美容製品などによく使われている「液体グリセリン」が使用されており、レンズの両面は柔軟なゴム状の膜で覆われているとのこと。背面のゴム状の膜には3つのアクチュエーターが接続されており、ゴム状の膜を前後に動かすことで、レンズの光の屈折率を調整するという仕組みです。

 また、スマートメガネはレンジファインダーを内蔵しており、装着者が見ている物体との距離を赤外線で計測します。レンジファインダーが物体の遠近をアクチュエーターに伝えることで、モノを見ているだけでレンズが変形し、自動的にピントが合うというわけです。Bluetooth接続機能も備えており、初めて使用するときは専用のアプリから一度だけ装着者の目とレンズの調整が必要とのことです。


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 このスマートメガネのプロトタイプはCES 2017にも出展されましたが、現段階ではメガネのフチがとても太く、一般的なおしゃれなメガネとは程多いデザインなのがネックです。マストラジェロ教授も「販売するにはもっと薄く、魅力的なメガネにしなくてはいけない」と語っています。開発されたスマートメガネは目が悪くなっても買い換える必要はないのですが、メガネを着けている人は「ファッション性」を理由にメガネを買い換えることがあるのも事実。その一方でバッテリーや特殊なレンズを内蔵するスマートメガネは、通常のメガネより高価になってしまうことを意味しています。


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 ユタ大学のエンジニアチームは3年以内に普通のメガネらしいデザインの製品版を発売するとしています。二焦点メガネなどを使う人は年齢層が高い傾向があるのですが、すでに機能的には問題ないレンズは完成済みであるため、分厚いレームのままスマートメガネを販売しても、デザインを気にしない層からの需要があるだろうと、Mashableは予想しています。

 なお、手動で度数を調整できるメガネは以前から日本でも販売されており、見た目も普通のメガネと遜色ないデザインです。

(UNews、Mashable.com、Gigazineより)
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