わが魂よ、主を讃えよ(BWV69)

 今日は復活節前第6主日ですが、ライプツィヒでは復活節前までカンタータの演奏が禁じられていたので、聖金曜日ま新作は作られませんでした。そこで教会カンタータとして分類されている中から、教会暦には当てはまらない作品を聴いていきたいと思います。

 今日聴くのは1723.8.15、三位一体主日後第12主日にライプツィヒ初演された初年度カンタータのパロディで、1748年のライプツィヒ市参事会員交代式に初演されました。Bachが最後に作ったカンタータだとされています。



 市参事会員交代式のカンタータの歌詞は、神の力と栄光を賛美し、神政都市の統治触れて神に感謝するという組み立てですが、この歌詞では原曲のレチタティーヴォとコラールを全面的に取り替えて、原曲の福音書章句への言及を取り除き、市政と統治への言及を織り込んでいます。


 トン・コープマン指揮、アムステルダム・バロック・オーケストラ&合唱団、ルート・ツィーザク(S)、エリザベス・フォン・マグナス(A)、ポール・アグニュー(T)、クラウス・メルテンス(B)の演奏でお聴きください。





わが魂よ、主を讃えよ(BWV69)

1.合唱

Lobe den Herrn, meine Seele,

「わたしの魂よ、主をたたえよ。

 und vergiss nicht, was er dir Gutes getan hat!

 主の御計らいを何ひとつ忘れてはならない。」

2.レチタティーヴォ(ソプラノ)

Wie groß ist Gottes Güte doch!

神の御計らいのなんと大きなこと。

Er bracht uns an das Licht,

神はわれらを光に会わせ、

Und er erhält uns noch.

なおも養われる。

Wo findet man nur eine Kreatur,

そもそも造られたもので、

Der es an Unterhalt gebricht?

扶養を欠くものがどこにあるだろう。

Betrachte doch, mein Geist,

よく見なさい、わが霊よ、

Der Allmacht unverdeckte Spur,

全能の隠しがたい跡を、

Die auch im kleinen sich recht groß erweist.

それは小さなことの内にも真の大きさを示す。

Ach! möcht es mir, o Höchster, doch gelingen,

ああ、至高の方よ、どうかわたしに、

Ein würdig Danklied dir zu bringen!

あなたにふさわしい感謝の歌を捧げさせてください。

Doch, sollt es mir hierbei an Kräften fehlen

しかしたとえわたしにその力が欠けていても、

So will ich doch, Herr, deinen Ruhm erzählen.

主よ、わたしはあなたの名誉を語り伝えましょう。

3.アリア(テノール)

Meine Seele,

わが魂よ、

Auf! erzähle,

さあ、物語りなさい、

Was dir Gott erwiesen hat!

神がお前に示されたことを。

   Rühme seine Wundertat,

  その奇跡の御業を褒め称え、

  Lass, dem Höchsten zu gefallen,

  至高の方の御心にかなうよう、

  Ihm ein frohes Danklied schallen!

  喜ばしい感謝の歌を響かせよう。

4.レチタティーヴォ(アルト)

Der Herr hat große Ding an uns getan.

主はわれらに、大いなることをなされた。

Denn er versorget und erhält,

神は、世を気遣い、養い、

Beschützet und regiert die Welt.

守り統治されるから。

Er tut mehr, als man sagen kann.

神は、言葉で表せる以上のことをなされる。

Jedoch, nur eines zu gedenken:

しかし、ただひとつ忘れてはならないのは、

Was könnt uns Gott wohl Bessres schenken,

神がわれらに贈られたもののうちで、

Als dass er unsrer Obrigkeit

われらのお上に、知恵の霊を与えられたことほど

Den Geist der Weisheit gibet,

良いことはおそらくないということだ。

Die denn zu jeder Zeit

あらゆるときに

Das Böse straft, das Gute liebet?

悪を懲らし、善を愛する知恵の。

Ja, die bei Tag und Nacht

そうだ、その知恵は、昼も夜も

Vor unsre Wohlfahrt wacht?

われらの安寧のために目覚めている。

Lasst uns dafür den Höchsten preisen;

だから至高なる方を賛美しよう。

Auf! ruft ihn an,

さあ、あの方に呼びかけよう、

Dass er sich auch noch fernerhin so gnädig woll erweisen

これからもまた慈しみ深くあられるようにと。

Was unserm Lande schaden kann,

われらの国に害をなしうるものを、

Wirst du, o Höchster, von uns wenden

おお至高の方よ、われらから遠ざけられ、

Und uns erwünschte Hilfe senden.

われらに望ましい助けを送ってください。

Ja, ja, du wirst in Kreuz und Nöten

そうです、あなたこそは十字架と苦難によって

Uns züchtigen, jedoch nicht töten.

われらを懲らしこそすれ、殺すことはないでしょう。

5.アリア(バス)

Mein Erlöser und Erhalter,

わたしを購い、養うお方、

Nimm mich stets in Hut und Wacht!

常にわたしを守り、見張っていてください。

Steh mir bei in Kreuz und Leiden,

十字架と受難において、わたしの傍らに立ってください、

Alsdenn singt mein Mund mit Freuden:

それならばわたしの口は喜びをもって歌います、

Gott hat alles wohlgemacht.

神は全てのことを艮くなさったと。

6.合唱

Es danke, Gott, und lobe dich

神よ、願わくば民が善い行いによって、

Das Volk in guten Taten.

あなたに感謝し、あなたを誉め称えますように。

Das Land bringt Frucht und bessert sich,

国は実りをもたらし、良くなっていきます、

Dein Wort ist wohl geraten.

あなたの御言葉は良い忠告でした。

Uns segne Vater und der Sohn,

父と子よ、われらを祝したまえ、

Uns segne Gott, der Heilge Geist,

神と聖霊よ、われらを祝したまえ、

Dem alle Welt die Ehre tut,

全世界は神を敬い、

Für ihm sich fürchten allermeist,

神をこよなく畏れ、

Und sprecht von Herzen: Amen!

心から唱えよう、アーメンと

                    対訳:樋口隆一
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