ニンジンを食べて魅力的に見える肌を作る!

 ブルーベリーを食べても、人間の肌は青くはなりません。しかしニンジンを食べると、肌はオレンジがかった色になります。といっても、通常の食事で摂取する以上に大量に食べる必要があります。これは、ニンジンに色素の一種ベータカロテンが含まれているためです。着色料として食品にも使われているベータカロテンは、カボチャやサツマイモのほか、ホウレンソウなどに含まれますが、含有量が最も多いのはニンジンです。


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 ベータカロテンを過剰に摂取すると、肌の色は不気味な黄色がかったオレンジになりますが、適量であれば、肌がほんのり色づくだけですみます。「ニンジン色の肌」と聞くと、あまり魅力的には思えませんが、オレンジがかった肌色をしている人のほうが健康そうに見え、魅力的と評価されることが研究で明らかになっています。

 これは「性淘汰(雌雄選択)」と呼ばれる現象です。もっと具体的に言うと、指標による配偶者の選択、すなわち、健康さを示すサインを出している相手はより魅力的に映るという理論です。逆に言えば、魅力的に感じる相手の要素は、健康を示す指標であることが多いといいます。

 ここで1つの疑問が生じます。私たちは健康それ自体にひきつけられるのか、それとも、健康の可能性を示すサインにひきつけられているだけなのか、という疑問です。ベータカロテンは、この疑問の答えを見つけるのにぴったりのツールです。というのもベータカロテンは、人々が健康な容姿に対して抱くイメージに合った肌色をもたらしてはくれますが、実際に健康を改善することは示されていないからです。ベータカロテンは抗酸化物質として作用し、免疫や生殖機能を助けるといった健康効果をもたらすとの説がありますが、これを裏づけるエビデンスは今のところ存在しません。

 ちなみに、鳥もベータカロテンを同じように利用します。やはり健康面での恩恵はありませんが、フラミンゴなどが、羽根を染めるための色素として使っています。色鮮やかな羽根は、鳥をよりセクシーに見せる(少なくとも仲間の鳥たちの目には)ので、人間以外にとってもベータカロテンは性的魅力のサインであるようです。中には、交尾相手をひきつけるベータカロテンを得るために、ほかの動物の糞を食べる鳥までいます。


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右側の顔の方が赤みがあるので、より魅力的


 しかしもしかすると、鳥たちは何かに気づいているのかもしれません。2月13日付けで学術誌『Behavioral Ecology』に発表された研究で、西オーストラリア大学の心理学者たちは、肌の色合いを少しだけ変える適量のベータカロテンを、男性グループに与えました。すると、彼らの顔写真を見た女性グループは、ベータカロテンを摂取する前よりも、摂取したあとの男性たちをより魅力的だと評価しました。彼らの健康状態が向上したことを示す証拠は何ひとつ見つからなかったにもかかわらず、顔色がオレンジの色味を増し、健康そうに見えるようになったというだけで、好意的な評価につながったのでしょう。

 肌の色合いを変えない抗酸化物質で健康を改善した場合、容姿の魅力が増すかどうかはまだわかっていません。でしかし実際に健康にならなくてもいいという方は、とりあえずニンジンをたくさん食べてみてはいかがでしょう? それであなたの視力が良くなることはなくても、見る人の目にはあなたのことが良く映るのですから。

(Popular Science―Lifehackerより)
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