「好きな音楽」と性格には密接な関連がある!

 音楽の好みとその人の性格の間に密接な関係があるというのは、もはや定説と化しています。エモーショナルな音楽(エモ系)が好きな若者はあまり快活とは言えない性格で、パンクのファンは同調性が低いなどと言われています。また、ヘビーメタル好きには怒りっぽい印象があります。

 しかし、こうしたステレオタイプの信憑性はどれほどなのでしょう? 好んで聴いているプレイリストからその人の性格を当てられるという通説には、何らかの科学的根拠はあるのでしょうか?



 スタンフォード大学経営大学院が発表した新たな研究によると、この疑問に対する答えは「関連は認められる」ということです。科学的に有効性が認められた性格テストを受けてもらえば、その人がラジオをつけた時にどんなジャンルの音楽を流す放送局を選ぶか、かなりの確度で当てられると、この研究を実施したチームは主張しています。


そもそも音楽ジャンルとは?

 これまで、個人の性格と音楽の好みの間にある関係を解き明かすうえで大きな障壁になっていたのは、「ジャンルとは何か」という問題でした。要するに、ジャンルの定義が曖昧すぎたのです。レコード会社やファンが「ジャズ」と呼ぶ音楽1つをとっても、アバンギャルドで実験的な作品から、陽気でアップテンポなものまで、実に幅広いのです。また、ある人には「ロック」に聞こえる作品が、ほかの人からすると「ポップ」に分類される、といった問題もあります。

 というわけで、今回の研究を行ったチームはまず、より正確に音楽を分類する方法を見つけるところから始めました。これは、正式な音楽のレッスンを受けたことがないリスナーに、サンプル音源を聞いて評価してもらうという手法です。評価者の意見を統計的に分析したところ、多様なジャンルにまたがるサンプル音源の違いは、大きく3つの側面に要約できることが判明しました。それは刺激度、感情誘発性、そして深度だといいます。

 この評価体系によると、刺激度は作品の激しさを測る尺度です。優しく癒されるような音楽は、刺激度が「低い」ということになります。一方、マイナスの感情誘発性がある楽曲とは、普通の人が聞いて「悲しい」と表現するタイプのものです。また、シンプルな曲は「深度が低い」と評価されます。逆に、複雑で重層的な音楽では深度が高くなります。


音楽カテゴリーと性格の関係は?

 音楽を客観的に分析する方法を編み出したのちに、研究チームは音楽の各タイプについて、どういった性格の持ち主が好む傾向があるかを割り出す作業に着手しました。研究チームは9500人の被験者を対象に、タイプの違う50のサンプル音源を聞いてもらい、それぞれの好き嫌いについて調査すると共に、標準的な性格テストも実施しました。その結果、性格と音楽の好みは密接に結びついていることが判明しました。

 神経質なタイプは、マイナスの感情を喚起し、刺激度の低い音楽を好む傾向がありました。一方、寛容でリベラルな人は複雑なメロディーが好きでした。快活で外向的な人はプラスの感情を持つ曲を好むことも判明しています。さらに興味を持った人は、こちらのサイトで自分の性格と音楽の好みの関連についてもテストを受けられるので試してみてください。(英文)


TheMusical Universe


 エモ系の曲を聞く子は暗い といったこれまでのステレオタイプに比べれば、これらの研究はより科学的と言えるでしょう。とはいえ、結果そのものは通説とそれほどかけ離れていないというのが正直な感想です。それでも、今回の研究を主導した音楽心理学者のDavid Greenberg氏はこの結果について、人の心と、その心が創り出す音楽との間には驚くほど密接な関連があることを示すものだと評価しています。

 「我々が持つ音楽の好みは、いわば『音の鏡』なのです。音楽を通じて我々は、自分自身や本当の気持ち、信条などへの理解を深めることができます。私もミュージシャンなので、音楽が持つ奥深い力については身をもって知っています。しかし残念ながら、音楽の持つ可能性をフルに活用している人はあまり多くはありません」とGreenberg氏はコメントしています。

 Greenberg氏のような観点から、ミュージシャンや音楽マニアが今回の研究結果に強い興味を持つのは間違いないでしょう。しかし、この結果を注視するとみられるグループがもう1つあります。これらの研究結果は、SpotifyやPandoraといったストリーミング配信プラットフォームにも、革命をもたらす可能性があります。

 音楽と人の感情の間にある関係について、ほかにもさまざまな科学的研究の結果が出ています。職場での協力関係や、家庭での団らん、さらには人の身体の機能まで、音楽が実にさまざまな影響を与えることがわかっています。仕事の効率を向上させるには、作業のタイプに合わせてBGMを変えるべきだと示唆する研究結果もあります。

(Inc.―Lifehackerより)
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