なんと美しく明けの明星が輝く(BWV1)

 今日は、大天使ガブリエルがマリアにキリスト受胎を告知した、マリアのお告げの祝日です。受難に先立つ四旬節は、ライプツィヒでもカンタータの演奏が禁止されていましたが、マリアのお告げの祝日は唯一の例外でした。BWVのトップを飾る名作カンタータです。1725. 3.25ライプツィヒで初演されました。



 ここで主役になるのはマリアではなくイエスで、「暁の明星」とは、やがて生まれてくるイエスの象徴です。歌詞はフリープ・ニコライのコラールに基づき、全編がイエスへの賛歌になっています。


 一昨年はシギスヴァルト・クイケン指揮ラ・プティット・バンドの演奏を聴きましたが、今年はトン・コープマン指揮、アムステルダム・バロック・オーケストラ、デボラ・ヨーク(S)、ポール・アグニュー(T)、クラウス・メルテンス(B)の演奏でお聴きください。





なんと美しく明けの明星が輝く(BWV1)

1.合唱

Wie schön leuchtet der Morgenstern

なんと美しく明けの明星が輝く

Voll Gnad und Wahrheit von dem Herrn,

主の恵みと真理に満ちて。

Die süße Wurzel Jesse!

甘やかなエッサイのひこばえ!

Du Sohn Davids aus Jakobs Stamm,

御身、ヤコブの幹から生い出たダビデの子

Mein König und mein Bräutigam,

わが王、わが花婿よ、

Hast mir mein Herz besessen,

御身こそわが心を領しておられます。

Lieblich,

慕わしく

Freundlich,

やさしく

Schön und herrlich, groß und ehrlich, reich von Gaben,

美しく堂々と、大きく誉れたかく、賜物ゆたかに

Hoch und sehr prächtig erhaben.

いや高く いときららに高く在します。

2.レチタティーヴォ(テノール)

Du wahrer Gottes und Marien Sohn,

御身、神とマリアのまことの子、

Du König derer Auserwählten,

御身、選ばれた者らの王、

Wie süß ist uns dies Lebenswort,

この生命の言葉はわれらに何と甘やか、

Nach dem die ersten Väter schon

これを求めて、太古の父祖達が早くも

So Jahr' als Tage zählten,

日々を数え、年を数え、

Das Gabriel mit Freuden dort

ガブリエルが喜びもって かの地

In Bethlehem verheißen!

ベツレヘムに約束したもの!

O Süßigkeit, o Himmelsbrot,

おお、甘きもの、おお、天のパン!

Das weder Grab, Gefahr, noch Tod

墓も危難も、死もこれを、

Aus unsern Herzen reißen.

われらの心から引きさらうことはない。

3.アリア(ソプラノ)

Erfüllet, ihr himmlischen göttlichen Flammen,

満たせませ、天の神々しい炎よ、

Die nach euch verlangende gläubige Brust!

御身らを焦がれ求める、信仰篤いこの胸を。

Die Seelen empfinden die kräftigsten Triebe

魂らはいま感じます、衝きあげるうながし、燃えさかる愛のそれを、

Und schmecken auf Erden die himmlische Lust.

そして味わいます、地にいながらに、天の悦びを。

4.レチタティーヴォ(バス)

Ein irdscher Glanz, ein leiblich Licht

地上の輝き、目に映る光は

Rührt meine Seele nicht;

わが心を動かすことはない。

Ein Freudenschein ist mir von Gott entstanden,

喜びの光明が、この身に神から射し出でた、

Denn ein vollkommnes Gut,

欠けるところのない宝、

Des Heilands Leib und Blut,

救い主の御身体と御血が、

Ist zur Erquickung da.

みずみずしいい生命の糧に与えられたのだ。

So muß uns ja

それゆえわれらを、

Der überreiche Segen,

あふれるばかりの祝福が、

Der uns von Ewigkeit bestimmt

われらのものと永遠から定められ

Und unser Glaube zu sich nimmt,

われらの信仰が拝受する祝福が、

Zum Dank und Preis bewegen.

感謝と賛美へとうながしてやまない。

5.アリア(テノール)

Unser Mund und Ton der Saiten

われらの口と弦の音が

Sollen dir

御身に

Für und für

いつまでも

Dank und Opfer zubereiten.

感謝と供物をそなえましょう。

Herz und Sinnen sind erhoben,

心と思いは高みに向かいます、

Lebenslang

命かぎり

Mit Gesang,

歌をもって

Großer König, dich zu loben.

大いなる王よ、御身を讃めまつろうと。

6.合唱

Wie bin ich doch so herzlich froh,

なんと心がおどるのだろう、

Daß mein Schatz ist das A und O,

わが宝なる御方はアルファとオメガ、

Der Anfang und das Ende;

始めと終わりに在します。

Er wird mich doch zu seinem Preis

あの方はきっとご自身の誉れのために、

Aufnehmen in das Paradeis,

天国に迎えてくださるだろう、

Des klopf ich in die Hände.

そのうれしさに、おのずと手打ちあわす。

Amen!

アーメン

Amen!

アーメン

Komm, du schöne Freudenkrone, bleib nicht lange,

来たりませ、御身うるわしの、喜びの冠、もはやひまどり給うなかれ、

Deiner wart ich mit Verlangen.

御身を待ってこの身は焦がれます。

                       対訳:松浦 純


ルカによる福音書 1,26-38

イエスの誕生が予告される六ヶ月目に、天使ガブリエルは、ナザレというガリラヤの町に神から遣わされた。ダビデ家のヨセフという人のいいなずけであるおとめのところに遣わされたのである。そのおとめの名はマリアといった。天使は、彼女のところに来て言った。「おめでとう、恵まれた方。主があなたと共におられる。」マリアはこの言葉に戸惑い、いったいこの挨拶は何のことかと考え込んだ。すると、天使は言った。「マリア、恐れることはない。あなたは神から恵みをいただいた。あなたは身ごもって男の子を産むが、その子をイエスと名付けなさい。その子は偉大な人になり、いと高き方の子と言われる。神である主は、彼に父ダビデの王座をくださる。彼は永遠にヤコブの家を治め、その支配は終わることがない。」マリアは天使に言った。「どうして、そのようなことがありえましょうか。わたしは男の人を知りませんのに。」天使は答えた。「聖霊があなたに降り、いと高き方の力があなたを包む。だから、生まれる子は聖なる者、神の子と呼ばれる。あなたの親類のエリサベトも、年をとっているが、男の子を身ごもっている。不妊の女といわれていたのに、もう六ヶ月になっている。神にできないことは何一つない。」マリアは言った。「わたしは主のはしためです。お言葉どおり、この身に成りますように。」そこで、天使は去っていった。

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