平均律クラヴィーア曲集 第2巻(5)

  ヘルムート・ヴァルヒャの演奏による平均律クラヴィーア曲集第2巻は、第17曲から第20曲です。


第17曲  前奏曲 - 4声のフーガ 変イ長調(BWV 886)




 前奏曲は協奏曲の第1楽章を思わせる手法により、和音的な主楽章の間に、2声のソロ風の部分をを挟み込んでいます。フーガはBWV901(前奏曲とフーガ へ長調)のフーガの改稿で、新たに後半が加えられ拡大されました。活発な主題に続いて現れる半音階の対位句が重要な役割りを演じ、二重フーガのように聞えます。


第18曲  前奏曲 - 3声のフーガ 嬰ト短調(BWV 887)




 前奏曲は強弱の対照、表情豊かな前打音、明確な楽節構造によって、ソナタ形式を備えています。3声のフーガの主題は、狭い音域をうねうねと進み、この主題への半音階的な対位句が、やがて第2の主題を形成し、二重フーガになります。


第19曲  前奏曲 - 3声のフーガ イ長調(BWV 888)



 8/12拍子の穏やかなパストラーレ(田園曲)の前奏曲に続くフーガの主題もこれと関連しています。「前奏曲の舞踏の足取りを静かな歩みに変えている」といわれます。


第20曲  前奏曲 - 3声のフーガ イ短調(BWV 889)




 2部分形式による前奏曲は、2声のインヴェンションですが、その作風は彫塑的で現代音楽を思わせる半音階的進行が見られます。フーガも跳躍主題(十字架音型)を用いて、拡大し、稲妻のような対旋律と対峙し、迫力に満ちています。

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