世界で最も健康な心臓を持つチマネ族は1日1万6000歩く

 南米の原住民チマネ族が、世界で最も健康な心臓を持つことが最新の研究結果からわかりました。ところが彼らの食生活を見てみると、なんと摂取する食事の約7割ほどが炭水化物であることが判明し、研究者たちを驚かせています。もちろん、炭水化物をたくさん取れば心臓に良いというような話ではありません。健康を理解するためには、運動と食事というライフスタイル全体を捉えないといけない、ということです。

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 医学雑誌「The Lancet」に発表された論文では、2014年7月と2015年9月に行なわれた実験について詳細に説明しています。ボリビアの熱帯雨林に住むチマネ族705人を対象に、彼らの冠動脈石灰化スコア(CACスコア)を検査しました。この検査によって血栓の兆候を見つけることができ、心臓発作の可能性を推測することができます。スコアが100から400の場合、軽度の冠動脈疾患を発症する可能性が高いとされています。チマネ族の研究結果は以下のようになっています。


596人(85%)がCACスコア0。

89人(13%)がCACスコア1から100。

20人(3%)がCACスコア100より上。


75歳以上に限って検査結果を見ると:

31人(65%)がCACスコア0。

CACスコアが100より上だったのはたった4人(8%)。これは先進工業国の人口と比べると1/5の値。


 検査に参加したチマネ族の85%が0というスコアを叩き出しています。


1日に1万6000歩の運動量

 その秘訣は医者が長らく言い続けていたことを、彼らが実践できている点にあるようです。それはどんな生活かというと...タバコを吸わず、お酒も飲みません。そして1日に1万6000歩から1万7000歩は歩くそうです。60歳以上の人も平均して1万5000歩は歩くというから驚き。平均的なアメリカ人は1日に5,000歩を歩くとされています。比べてみるとその多さがわかります。そう、不摂生をせず、毎日ちゃんと運動をしているのです。

この研究結果を報道するBBCは彼らの食事内容についても紹介しています。



・彼らの食事の17%は野生の豚、バク、カピバラといった猟の獲物です。

・7%はピラニアやナマズといった淡水魚。

・残りの大部分は家族で営む畑で育てた米、とうもろこし、キャッサバの根、プラ ンテインです。

・これに採集した果物やナッツ類が加わります。

・カロリーの72%は炭水化物から(アメリカでは52%)。

・14%は脂質から(アメリカでは34%)。またチマネ族は飽和脂質の摂取量が少 なくなっています。

・アメリカ人、チマネ族、共にカロリーの14%はプロテインから来ています。し かしチマネ族はより赤身の肉を摂取します。


 これを見ると炭水化物が非常に多いことがわかります。それでもチマネ族が極めて健康的な心臓を持っていることは驚きです。だからといって、工業先進国に住む我々が炭水化物をたくさん食べるべきかというとそういう訳ではありません。科学者たちは彼らの運動量の多さにその秘訣があると考えているようです。


遺伝子ではなく、生活習慣がリスク要素

 カリフォルニア大学サンタバーバラ校の人類学教授であるMichael Gurvenさんは、BBCに次のように語っています。

 体を動かすエクササイズは、ただ週末だけ、というものではなくより全体的なアプローチを取る必要があるといえるでしょう。現代社会で私達は生き続けてはいるものの、都市化と労働力の専門化が新しい(不健康な心臓機能という点の)リスク要素である可能性があります。実際に、チマネ族がモーター付カヌーや加工食品と出会って以来、コレステロールのレベルが上昇していると研究でも述べられています。

 なおAl Jazeeraの取材に対して、スウェーデンのリンネ大学の心臓専門医であるJoep Perk博士は、今回の研究を見て「心臓の疾患に関して、人々は自分の遺伝子を原因だと責める傾向があるが、今回の研究によって両親ではなくて自分のライフスタイルを責めるしかないということがわかった」と述べています。

(BBC News、Al Jazeera、GIZMODOより)

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