天の王よ、よくぞ来ませり(BWV182)

 今日は復活祭の1週間前の棕櫚の日曜日です。受難の前にイエス・キリストがエルサレムに入城した時に、群衆がナツメヤシ(棕櫚)の葉を路に敷き、また手にとって迎えたことを記念する日で、パーム・サンデーともいわれます。

 イエスは首都エルサレムに入り、やがて十字架にかけられるのですが、キリスト教の暦では、エルサレム入城を棕櫚の日曜日とし、その週の金曜日を受難日、次の日曜日を復活祭としてます。

 この日のためのカンタータは、ワイマール時代の1714年に作られたこの曲しかありませんので、毎年聴いています。


棕櫚の日曜日.jpg


 ザーロモ・フランクと思われる台本では、エルサレム入城は、信者の心への入城に置き換え、現世における主の最後の凱旋を、受難死を克服しての永遠の凱旋として捉えています。


 トン・コープマン指揮、アムステルダム・バロック・オーケストラ&合唱団、バルバラ・シュリック(S)、カイ・ヴェッセル(CT)、クリストフ・プレガルディエン(T)、クラウス・メルテンス(B)の演奏でお聴きください。




















天の王よ、よくぞ来ませり(BWV182)

1.ソナタ

2.合唱

Himmelskönig, sei willkommen,

天の王よ、あなたをお迎えします。

Lass auch uns dein Zion sein!

こんな私たちをも、あなたのシオンとしてください。

Komm herein,

お入りください、

Du hast uns das Herz genommen.

あなたはもう、私たちの心を占めてしまわれたのですから。

3.レチタティーヴォ(バス)

Siehe, ich komme,

見なさい、私は来る。

im Buch ist von mir geschrieben;

私のことは巻物にこう記されている、

deinen Willen, mein Gott, tu ich gerne.

御心を、私の神よ、私は喜んで行こう、と。

4.アリア(バス)

Starkes Lieben,

強い愛、

Das dich, großer Gottessohn,

それこそあなたを、大いなる神の子よ、

Von dem Thron

栄光の王座から

Deiner Herrlichkeit getrieben,

駆り立てたもの。

Daß du dich zum Heil der Welt

かくてあなたは、この世の救いのために

Als ein Opfer vorgestellt,

身を犠牲として立て、

Dass du dich mit Blut verschrieben.

血をもっておのれを捧げられたのです。

5.アリア(アルト)

Leget euch dem Heiland unter,

救い主の御前にひれ伏しなさい、

Herzen, die ihr christlich seid!

キリストのものである心よ。

Tragt ein unbeflecktes Kleid

信仰の汚れない衣をまとって

Eures Glaubens ihm entgegen,

救い主に近づきなさい。

Leib und Leben und Vermögen

体と命と財産を、

Sei dem König itzt geweiht.

いまこそ王に捧げなさい。

6.アリア(テノール)

Jesu, lass durch Wohl und Weh

イェスよ、幸いの時にも災いの時にも、

Mich auch mit dir ziehen!

あなたといっしょに行かせてください。

Schreit die Welt nur "Kreuzige!",

世がただ「十字架につけろ!」と叫んでも

So lass mich nicht fliehen,

私を逃れさせないでください、

Herr, von deinem Kreuzpanier;

主よ、あなたの十字架の御旗から。

Kron und Palmen find ich hier.

冠と棕櫚の枝がここにあるからには。

7.コラール

Jesu, deine Passion

イエスよ、あなたの受難は

Ist mir lauter Freude,

私には純なる喜び。

Deine Wunden, Kron und Hohn

あなたの傷と冠、嘲りは、

Meines Herzens Weide;

私の心の牧場。

Meine Seel auf Rosen geht,

私の魂はばらの園へと向かう、

Wenn ich dran gedenke,

あなたの受難を思いみるとき。

In dem Himmel eine Stätt

願わくは天のひと隅を

Uns deswegen schenke.

私たちにお与えください。

8.合唱

So lasset uns gehen in Salem der Freuden,

さあ、 喜びのサレム(シオン)に行こう。

Begleitet den König in Lieben und Leiden.

王に従って、愛と受難の道へ赴こう。

Er gehet voran

主は 先に立って、

Und öffnet die Bahn.

道を開いてくださる。

                     対訳:礒山 雅


マタイによる福音書 21章 1~9

 一行がエルサレムに近づいて、オリーブ山沿いのベトファゲに来たとき、イエスは二人の弟子を使いに出そうとして、言われた。「向こうの村へ行きなさい。

するとすぐ、ろばがつないであり、一緒に子ろばのいるのが見つかる。

それをほどいて、わたしのところに引いて来なさい。もし、だれかが何か言ったら、『主がお入り用なのです。』と言いなさい。すぐ渡してくれる。」

それは、預言者を通して言われていたことが実現するためであった。「シオンの娘に告げよ。『見よ、お前の王がお前のところにおいでになる、柔和な方で、ろばに乗り、荷を負うろばの子、子ろばに乗って。』」

弟子たちは行って、イエスが命じられたとおりにし、ろばと子ろばを引いて来て、その上に服をかけると、イエスはそれにお乗りになった。

大勢の群衆が自分の服を道に敷き、また、ほかの人々は木の枝を切って道に敷いた。

そして群衆は、イエスの前を行く者も後に従う者も叫んだ。「ダビデの子にホサナ。主の名によって来られる方に、祝福があるように。いと高きところにホサナ。」
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