天は笑い、地は歓喜す(BWV31)

 今日は復活祭第1日です。復活祭はキリスト教の典礼暦における最も重要な祝日で、十字架に磔(はりつけ)になって処刑されたイエス・キリストが三日目によみがえったことを記念し、典礼暦においては復活祭からペンテコステ(聖霊降臨)にいたる二ヶ月間は復活節、あるいは「イースター」とも呼ばれます。復活祭そのものは移動祝日で、その年によって日付が変わりますが、基本的に「春分の日の後の最初の満月の次の日曜日」に祝われています。




 今日聴く「天は笑い、地は歓喜す」BWV31は、1715.4.21ヴァイマルで初演された初期の作品で、復活を祝う明るい曲です。BACHの自信作であったためか、ライプツィヒでも繰り返し再演されました。(1725年には復活祭オラトリオが初演されました)

 歌詞台本はザロモン・フランクで、冒頭の合唱曲では「死の縛めを逃れ」というルターの復活祭用コラールから引用し、キリスト復活に寄せる喜びが、自らもそれにあずかろうとする熱烈な願いに変容し、ついに死と永遠を想うコラールへと収斂してゆきます。


 トン・コープマン指揮、アムステルダム・バロック・オーケストラ、バルバラ・シュリック(S)、カイ・ヴェッセル(CT)、ギ・ド・メイ(T)、クラウス・メルテンス(B)の演奏でお聴きください。






















天は笑い、地は歓喜す(BWV31)

1. ソナタ

2. 合唱

Der Himmel lacht! die Erde jubilieret

天が笑う! 地は歓呼す、

Und was sie trägt in ihrem Schoß;

その胎内に宿ったものよ。

Der Schöpfer lebt! der Höchste triumphieret

創造主は生るのだ! いと高き方は凱旋し

Und ist von Todesbanden los.

死の縛めを逃れる。

Der sich das Grab zur Ruh erlesen,

墓を憩いの場に選んだ御方、

Der Heiligste kann nicht verwesen.

聖なる御方は、決して朽ちることはない。

3.レチタティーヴォ(バス)

Erwünschter Tag! sei, Seele, wieder froh!

待ち望んだ日!魂よ、再び喜ぶのだ!

Das A und O,

アルファにしてオメガ、

Der erst und auch der letzte,

最初にして最後である御方、

Den unsre schwere Schuld in Todeskerker setzte,

我々の重い罪によって牢獄に入ったその御方が

Ist nun gerissen aus der Not!

今、その苦難を打ち破って出て来るのだ!

Der Herr war tot,

主は死んでしまったが、

Und sieh, er lebet wieder;

しかし見よ、主は再びよみがえる。

Lebt unser Haupt, so leben auch die Glieder.

我々の頭が生きることによって、手足もまた生きるように。

Der Herr hat in der Hand

主は手に

Des Todes und der Hölle Schlüssel!

死と地獄の鍵をもつ!

Der sein Gewand

衣を

Blutrot bespritzt in seinem bettern Leiden,

辛い受難の血で真っ赤にそめた御方は、

Will heute sich mit Schmuck und Ehren kleiden.

今日、飾りと栄光であるその衣を身にまとうのだ。

4. アリア (バス)

Fürst des Lebens, starke Streiter,

命の君、強き戦士、

Hochgelobter Gottessohn!

いと高く誉めまつられる神の子よ!

Hebet dich des Kreuzes Leiter

十字架への架け橋があなたを

Auf den höchsten Ehrenthron?

誉れある栄光の座へと高めるのでしょうか?

Wird, was dich zuvor gebunden,

あなたを縛っていたものが、

Nun dein Schmuck und Edelstein?

今や、あなたを飾る宝石となり、

Müssen deine Purpurwunden

あなたの真っ赤な傷は

Deiner Klarheit Strahlen sein?

きっと明るい輝きとなのでしょう?

5. レチタティーヴォ (テノール)

So stehe dann, du gottergebne Seele,

ならば、神に帰依した魂よ、

Mit Christo geistlich auf!

キリストと共に神をあがめてよみがえれ!

Tritt an den neuen Lebenslauf!

新しき命のあゆみを踏み出すのだ!

Auf! von des Todes Werken!

死を望むような行いから立ち上がれ!

Laß, daß dein Heiland in dir lebet,

救い主がお前の内で生きていることを、

an deinem Leben merken!

お前の生きざまにおいて現すのだ!

Der Weinstock, der jetzt blüht,

いま咲くブドウの花は

Trägt keine tote Reben!

死んだ実をつけはしない!

Der Lebensbaum läßt seine Zweige leben!

命の木は枝を伸ばすのだ!

Ein Christe flieht

キリストを信じる者が、

Ganz eilend von dem Grabe!

足早に墓を去る!

Er läßt den Stein,

彼は墓石を残し、

Er läßt das Tuch der Sünden dahinten

その後に罪の布地を脱ぎ捨てて、

Und will mit Christo lebend sein.

キリストと共に生きようと望むのだ。

6. アリア (テノール)

Adam muß in uns verwesen,

アダムはわれらの中で朽ちねばならぬ、

Soll der neue Mensch genesen,

神に似せた新しい人間として、

Der nach Gott geschaffen ist.

よみがえるためには。

Du mußt geistlich auferstehen

お前の霊はよみがえり

Und aus Sündengräbern gehen,

罪の墓場から出ねばならぬ、

Wenn du Christi Gliedmaß bist.

お前がキリストの手足であるのなら。

7.レチタティーヴォ (ソプラノ)

Weil dann das Haupt sein Glied

頭がその手足を主導するのが

Natürlich nach sich zieht,

自然なのだから、

o kann mich nichts von Jesu scheiden.

私をイエスから引き離すものはない。

Muß ich mit Christo leiden,

私はキリストとともに苦難を受けねばならない、

So werd ich auch nach dieser Zeit

だから私もこの時に

Mit Christo wieder auferstehen

キリストとともに、

Zur Ehr und Herrlichkeit

栄誉と栄光をもってよみがえるでしょう、

Und Gott in meinem Fleische sehen.

そして神を自らの中に見出すのです。

8.アリア (ソプラノ)

Letzte Stunde, brich herein,

最後の時よ、こちらに出でよ、

Mir die Augen zuzudrücken!

私の眼をつぶらせてください!

Laß mich Jesu Freudenschein

私にイエスの喜びの輝きと

Und sein helles Licht erblicken,

明るい光を見せてください、

Laß mich Engeln ähnlich sein!

私を天使のようにしてください!

Letzte Stunde, brich herein!

最後の時よ、こちらに出でよ!

9.コラール

So fahr ich hin zu Jesu Christ,

そうすれば私はイエス・キリストの許へ行く、

Mein’ Arm tu ich ausstrecken;

わが腕をさし伸ばして。

So schlaf ich ein und ruhe fein,

だから私は一人 だから私は一人眠り、静かに憩うのだ、

Kein Mensch kann mich aufwecken,

だれ一人私を起こすことは出来ない 、

Denn Jesus Christus, Gottes Sohn,

イエス・キリスト、神の子以外は、

Der wird die Himmelstür auftun,

その御方が天の扉を開け、

Mich führn zum ewgen Leben.

私を永遠の命へと導き入れてくださるのだ。

                    翻訳:ターフェルムジーク鎌倉


マルコによる福音書 16章 1-8

安息日が終わると、マグダラのマリア、ヤコブの母マリア、サロメは、イエスに油を塗りに行くために香料を買った。 そして、週の初めの日の朝ごく早く、日が出るとすぐ墓に行った。

彼女たちは、「だれが墓の入り口からあの石を転がしてくれるでしょうか」と話し合っていた。 ところが、目を上げて見ると、石は既にわきへ転がしてあった。石は非常に大きかったのである。 墓の中に入ると、白い長い衣を着た若者が右手に座っているのが見えたので、婦人たちはひどく驚いた。

若者は言った。「驚くことはない。あなたがたは十字架につけられたナザレのイエスを捜しているが、あの方は復活なさって、ここにはおられない。御覧なさい。お納めした場所である。 さあ、行って、弟子たちとペトロに告げなさい。『あの方は、あなたがたより先にガリラヤへ行かれる。

かねて言われたとおり、そこでお目にかかれる』と。」 婦人たちは墓を出て逃げ去った。震え上がり、正気を失っていた。そして、だれにも何も言わなかった。恐ろしかったからである。
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