わたしは善い羊飼いです(BWV85)

 復活節後第2主日に聴くカンタータは、1725年4月15日にライプツィヒで初演されました。この日のためのカンタータは3曲現存しますが、この作品は全体的に厳粛な曲想で、他の2曲、BWV104や112が冒頭から「牧者」イメージを喚起するパストラーレ風で、安らいだ曲調であるのとは対照的です。


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 主イエスを良い羊飼いに、弟子を羊たちにたとえて語られています。そのルーツは古代イスラエルの牧畜生活ですが、イエス自身がその説話でこのたとえを用いています。それが復活節後第2主日のペリコーペとなったヨハネによる福音書の章句です。


 今日聴くのはシギスヴァルト・クイケン率いるラ・プティット・バンドの演奏会の動画です。歌手はゲルリンデ・ゼーマン (S)、ペトラ・ノスカイオヴァ(A)、クリストフ・ジェンツ(T)、ヤン・ファン・デル・クラプベン(B)です。





わたしは善い羊飼いです(BWV85)

1.アリア(バス)

"Ich bin ein guter Hirt,

「わたしは善い羊飼いです。

ein guter Hiert laesst sein Leben

善い羊飼いは羊のために命を

fuer die Schafe"

捨てるのです」                                

2.アリア(アルト)

Jesus ist ein guter Hirt;

イエスは善い羊飼いです。

Denn er hat bereits sein Leben

彼はその命を

Fuer die Schafe hingegeben,

羊たちのために捨てたのですから。

Die ihm niemand rauben wird.

羊たちを彼から奪う者はいません。

Jesus ist ein guter Hirt.

イエスは善い羊飼いです。                         

3.コラール(ソプラノ)

Der Herr ist mein getreuer Hirt,

主は私の信実の羊飼い、

Dem ich mich ganz vertraue,

主に私はすべてをゆだねます。

Zur Weid er mich,sein Schaeflein,fuehrt

主は私を子羊のように

Auf schoener gruenen Aue,

緑の牧場に導いて下さり、

Zum frischen Wasser leit er mich,

流れる水のほとりにともなって下さいます、

Mein Seel zu laben kraeftiglich

私の魂を力強く生かすためためです、

Durchs selig Wort der Gnaden.

幸いな恵みのみ言葉によって。                                            

4.レチタティフ(テノール)

Wenn die Mietlinge schlafen,

雇い人たちは眠っても

Da wachet dieser Hirt bei seinen Schafen,

この羊飼いは羊たちのそばで目覚めている、

So dass ein jedes in gewuenschter Ruh

羊たちがそれぞれ安心して

Die Trift und Weid kann geniessen,

命の川の流れる

In welcher Lebensstroeme fliessen.

牧場や野原ですごせるようにと。

Denn sucht der Hoellenwolf gleich einzudringen,

地獄の狼が今も押し入って

Die Schafe zu verschlingen,

羊たちを飲み込もうとしている、

So haelt ihm dieser Hirt doch seinen Rachen zu.

しかし羊飼いは彼らの口を押さえ込む。                                           

5.アリア(テノール)

Seht,was die Liebe tut!

見よ、愛の行うことを。

Mein Jesus haelt in guter Hut

私のイエスはその保護のもとに

Die Seinen feste eingeschlossen.

自分のものたちをしっかりと入れて下さる。

Und hat am Kreuzesstamm vergossen

そのために十字架の上で流されたのです、

Fuer sie sein teures Blut.

彼らのためにその尊い血を。                                    

6.コラール

Ist Gott mein Schutz und treuer Hirt,

神が私の守り手で羊飼いなら、

Kein Unglueck mich beruehren wird:

どんな不幸も私を恐れさせない。

Weicht,alle meine Feinde,

退け、私のすべての敵よ、

Die ihr mir stiftet Angst und Pein,

お前たちが私に企てる不安と苦しみは

Es wird zu eurem Schaden sein,

お前たちの不名誉となる、

Ich habe Gott zum Freunde.

私は神を友としているのだから。

                   対訳:川端純四郎


ヨハネによる福音書 10,11~16

わたしはよい羊飼である。よい羊飼は、羊のために命を捨てる。

羊飼ではなく、羊が自分のものでもない雇人は、おおかみが来るのを見ると、羊をすてて逃げ去る。そして、おおかみは羊を奪い、また追い散らす。

彼は雇人であって、羊のことを心にかけていないからである。

わたしはよい羊飼であって、わたしの羊を知り、わたしの羊はまた、わたしを知っている。

それはちょうど、父がわたしを知っておられ、わたしが父を知っているのと同じである。そして、わたしは羊のために命を捨てるのである。

わたしにはまた、この囲いにいない他の羊がある。わたしは彼らをも導かねばならない。彼らも、わたしの声に聞き従うであろう。そして、ついに一つの群れ、ひとりの羊飼となるであろう。
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