歓呼のうちに神は昇天したもう(BWV43)
今日は昇天祭です。キリストの昇天を記念する日で、復活したキリストが40日にわたって弟子たちにの前に姿をあらわし、復活後40日目に昇天したと伝えられ、復活祭と連動する移動祭日で、復活祭後六週目の木曜日に祝います。
今日聞くカンタータは1726.5.30の昇天祭のために作曲され、ライプツィヒで初演されました。
この作品の歌詞は、ルードルシュタット詩華撰から取れれており、旧約聖書と新約聖書の引用を中心に構成され、第2部からは7行からなる詩節の連続で、最後をコラールで締めくくっています。
フィリップ・ヘレヴェッヘ指揮、コレギウム・ヴォカーレ・ゲント&管弦楽団、ドロテー・ミールズ(S)、ダミアン·ギヨン(CT)、トマス・ホッブズ(T)、ペーター・コーイ(B)の演奏会録画でお聴きください。マルセル・ポンセール(第1オーボエ)の横で北里孝浩も演奏しています。なおこの動画はBWV6、BWV11他が続きます。
歓呼のうちに神は昇天したもう(BWV43)
第1部
1 .合唱
Gott fähret auf mit Jauchzen
神は歓呼の中を昇られ、
und der Herr mit heller Posaunen. Lobsinget,
主は角笛の響きと共に昇られる。
lobsinget Gott, lobsinget,
歌え、神に向かって歌え。
lobsinget unserm Könige.
歌え、我らの王に向かって歌え。
2 .レチタティーヴォ(テノール)
Es will der Höchste sich ein Siegsgepräng bereiten,
至高者は勝利の凱旋を用意され、
Da die Gefängnisse er selbst gefangen führt.
みずから捕らわれ人を連れて行かれる。
Wer jauchzt ihm zu?
主に歓呼の声を上げるのはだれだ。
Wer ists, der die Posaunen rührt?
角笛を吹き鳴らすのはだれだ。
Wer gehet ihm zur Seiten?
主のかたわらを歩むのはだれだ。
Ist es nicht Gottes Heer,
それは主の軍勢ではないか、
Das seines Namens Ehr,
主の御名の栄光と、
Heil, Preis, Reich, Kraft und Macht mit lauter Stimme singet
救いと賛美と御国と御力と権能とを声高に歌い
Und ihm nun ewiglich ein Halleluja bringet.
主に永久にハレルヤを捧げるのは。
3 .アリア(テノール)
Ja tausend mal tausend begleiten den Wagen,
まことに千の千倍もの人々 が神の御車に従い、
Dem König der Kön'ge lobsingend zu sagen,
王の中の王に賛美の歌をうたう、
Dass Erde und Himmel sich unter ihm schmiegt
天と地が主の御下に従い
Und was er bezwungen, nun gänzlich erliegt.
主が征服されたものは今や全て屈服したと。
4 .レチタティーヴォ(ソプラノ)
Und der Herr, nachdem er mit ihnen geredet hatte,
ward er aufgehaben
主イエスは、弟子たちに話した後、
gen Himmel und sitzet zur rechten Hand Gottes.
天に上げられ、神の右の座に着かれた。
5 .アリア(ソプラノ)
Mein Jesus hat nunmehr
わたしイエスはいま
Das Heilandwerk vollendet
救いの御業を終えられ
Und nimmt die Wiederkehr
彼を遣わされた方のところへと
Zu dem, der ihn gesendet.
ふたたび還られた。
Er schließt der Erde Lauf,
彼は地上の活動を終えられた、
Ihr Himmel, öffnet euch
天よ、門を開き
Und nehmt ihn wieder auf!
彼をふたたび迎え入れよ。
第2部
6 .レチタティーヴォ(バス)
Es kommt der Helden Held,
勇者の中の勇者がやってくる、
Des Satans Fürst und Schrecken,
サ夕ンも恐れる王者は、
Der selbst den Tod gefällt,
死さえも打ち倒し、
Getilgt der Sünden Flecken,
罪のけがれも拭い去り、
Zerstreut der Feinde Hauf;
敵の群を蹴散らす。
Ihr Kräfte, eilt herbei
諸々 の力よ、急いで集まり
Und holt den Sieger auf.
勝利者を高く掲げなさい。
7 .アリア(バス)
Er ists, der ganz allein
彼こそは、ただひとり
Die Kelter hat getreten
酒ぶねを踏まれた人である。
Voll Schmerzen, Qual und Pein,
痛み、苦悩、苦痛を満身に受けられたのは、
Verlorne zu erretten
貴い価を払われて
Durch einen teuren Kauf.
堕落した者を救うため。
Ihr Thronen, mühet euch
諸々 の王座よ、力を尽くし
Und setzt ihm Kränze auf!
主に王冠を捧げなさい。
8 .レチタティーヴォ(アルト)
Der Vater hat ihm ja
御父はあの方に
Ein ewig Reich bestimmet:
永遠の御国を定められた。
Nun ist die Stunde nah,
いまその時は近づいた、
Da er die Krone nimmet
幾千の不幸に代えて
Vor tausend Ungemach.
王冠を被られるその時が。
Ich stehe hier am Weg
わたしはここの道ばたに立って
Und schau ihm freudig nach.
喜びつつあの方の御姿を追うのだ。
9 .アリア(アルト)
Ich sehe schon im Geist,
わたしはすでに霊において見ている、
Wie er zu Gottes Rechten
あの方が神の右に座り
Auf seine Feinde schmeißt,
敵どもを踏みつけ、
Zu helfen seinen Knechten
あの方の僕たちを
Aus Jammer, Not und Schmach.
悲惨と困苦と恥辱から救われるさまを。
Ich stehe hier am Weg
わたしはこの道ばたに立って
Und schau ihm sehnlich nach.
憧れつつあの方の御姿を追うのだ。
10.レチタティーヴォ(ソプラノ)
Er will mir neben sich
主は御自身のお隣に
Die Wohnung zubereiten,
わたしの住まいを用意される、
Damit ich ewiglich
わたしが永遠に
Ihm stehe an der Seiten,
深い悲しみから解き放たれて、
Befreit von Weh und Ach!
あの方の傍らに立っように。
Ich stehe hier am Weg
わたしはこの道ばたに立って
Und ruf ihm dankbar nach.
感謝してあの方に呼びかける。
11 .合唱
Du Lebensfürst, Herr Jesu Christ,
いのちの君、主イエス・キリスト、
Der du bist aufgenommen
あなたは天に挙げられた
Gen Himmel, da dein Vater ist
あなたの御父と
Und die Gemein der Frommen,
信ずるともがらがいます天に、
Wie soll ich deinen großen Sieg,
わたしはあなたの勝利をどのように讃えよう、
Den du durch einen schweren Krieg
あなたが辛い戦いによって
Erworben hast, recht preisen
得られた勝利を、
Und dir g'nug Ehr erweisen?
そしてあなたに充分な尊敬をどのように示そう。
Zieh uns dir nach, so laufen wir,
われらはあなたが引き寄せるままに歩みます、
Gib uns des Glaubens Flügel!
われらに信仰の翼をお与えください。
Hilf, dass wir fliehen weit von hier
助けたまえ、われらがこの地から遠く逃れ
Auf Israelis Hügel!
イスラエルの丘に到るように。
Mein Gott! wenn fahr ich doch dahin,
わが神よ、いつわたしはかの地に行き、
Woselbst ich ewig fröhlich bin?
永遠の喜びを味わうのですか。
Wenn werd ich vor dir stehen,
いつわたしは御前に立ち、
Dein Angesicht zu sehen?
あなたの御顔を拝めるのですか。
訳詞:磯山 雅
マルコによる福音書 16章 14-20
その後、十一人が食事をしているとき、イエスが現れ、その不信仰とかたくなな心をおとがめになった。復活されたイエスを見た人々の言うことを、信じなかったからである。それから、イエスは言われた。「全世界に行って、すべての造られたものに福音を宣べ伝えなさい。信じて洗礼を受ける者は救われるが、信じない者は滅びの宣告を受ける。信じる者には次のようなしるしが伴う。彼らはわたしの名によって悪霊を追い出し、新しい言葉を語る。手で蛇をつかみ、また、毒を飲んでも決して害を受けず、病人に手を置けば直る。」主イエスは、弟子たちに話した後、天に上げられ、神の右の座に着かれた。一方、弟子たちは出かけて行って、至るところで宣教した。主は彼らと共に働き、彼らの語る言葉が真実であることを、それに伴うしるしによってはっきりとお示しになった。
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