「辛い食べ物」をやめられない理由

 辛い食べ物は最高です! でも、カプサイシンによる痛み、水の飲み過ぎによるお腹の膨れ、止まらない汗など、不快なオマケも付いてきます。それらのオマケをもらわないで辛い食べ物を楽しむ方法はないものでしょうか?

 

バッファローウィング:鶏肉の手羽を素揚げにし、辛味の強いソースをまぶしたアメリカの料理である。ニューヨーク州のバッファロー発祥で、バッファロー住人には「チキンウィング」や「ウィング」と呼ばれている。

 

愛してしまうのにはわけがある

 実はその痛み、私たちが辛い食べ物を欲する理由の1つでもあります。耳から火が出るような経験が、そのカレーやバッファローウィング、あるいはサルサを、単純に味がいいだけでなく、風味豊かだと感じさせます。

 味と風味の違いは何でしょう? 風味は、3つの要素から成っています。味覚(酸っぱい、しょっぱい、甘いなど)、嗅覚(食べ物の匂い)、三叉神経の感覚(神経が感じる感覚)です。唐辛子の成分であるカプサイシンは、痛みの受容体を活性化し、食べた人に熱いと感じさせます。とはいえ、実際にやけどをするわけではなく、痛みとして感じるのです。

 また、カプサイシンはハイな感覚ももたらします。口の痛み受容体が活性化すると、体内でドーパミンとエンドルフィンが分泌されます。私たちが辛い食べ物の「経験」を愛する理由は、味だけでなくこのプロセスにもあります。知覚したカプサイシンの痛みは、風味を豊かにします。つまり、この痛みはバグではなく、機能の1つなのです!

 

耐久力を鍛えよ

 都市伝説ではなく、辛い物への耐久力を鍛えることは可能です。痛み受容体は、カプサイシンに何度もさらされることで、物理的に変化を起こします。

 雑誌「Discover」にこう書かれています。

 「カプサイシンにさらされると、これらの受容体は開いて、ナトリウムとカルシウムイオンを受け入れます。これにより、脳に熱いという信号が送られます。しかし、カプサイシンに短時間さらされることを繰り返すうちに、カルシウムイオンがレセプターのドアを閉じるようになります。そのため、痛みの信号がそれ以上送られなくなります。さらに、長期的に辛い食べ物を繰り返し食べていると、神経終末が劣化し始めます。そのメカニズムは、まだ解明されていません」

 もちろん、神経は再び成長します。つまり、耐久力を維持するには、辛い食べ物を定期的に食べ続ける必要がありそうです。このことから、非常にシンプルな答えが導き出されます。スパイスを少しずつ増やしていきます。赤唐辛子のフレークをスープにかけ、食事の黒コショウを増やしましょう。本当に辛いのが苦手なら、ケチャップにタバスコを2滴たらすことから始めるのがいいそうです。

 

正しい冷却剤を選びましょう

 もちろん、耐久力を鍛えれば、三叉神経に由来する風味を失うリスクがあります。ですから、受容体を劣化させたくないのであれば、別の熱さ対策を講じなければなりません。これは、正しい冷却剤を見つけることを意味します。それは水や炭酸飲料、ジュースではありません。もっと、牛乳のようなものが適しています。

 カプサイシンは脂肪に溶けやすく、水には溶けません。学術誌「Pharmacological Review」に掲載されていた論文で、このように説明されていました。

 「カプサイシンは水に溶けないため、局所用製剤やスプレーでは、アルコールやその他の有機溶剤を使って可溶化します。口内の過剰なカプサイシンを水で軽減できないのは、このような脂溶性が原因だと考えられます。それよりも、ラッシーのようなヨーグルトベースの飲み物のほうが、口からカプサイシンを取り除いてくれるでしょう」

 ライターのMichelle No氏が、さまざまな冷却剤を試しています。その結果、成分無調整の牛乳とココナッツウォーターがもっとも効果が高かったそうです。ほかに口の中の火事を消してくれる食材と言えば、砂糖、米、サワークリーム、はちみつ、それからライムなどの酸です。

 辛い物を食べて水を飲み過ぎてしまうのは、水に冷却効果がないためです。ですから、冷却剤を変えて、少量で痛みを抑えられるようにしましょう。

 

焦らない、焦らない

 最後に、熱さを楽しむシンプルなアイデアは、ゆっくり食べること。ちょっとでいいので、食べるペースを落としてみませんか。「The Kitchn」が指摘するように、カプサイシンを多く食べるほど、反応が強くなります。ですから、ゆっくり焦らずに食べることで、体内で「安定的で耐えうる量」を維持することができるます。辛い食べ物の効果は、所詮15分程度しか続きません。間食をするのであれば、このことを覚えておきましょう。熱さをやり過ごしたら、また食べるのです。

 カプサイシンによる舌への刺激がどんなに好きでも、不快感が勝ってしまえば食事を楽しめません。ですから、風味豊かな食べ物をぺろりと平らげることと、辛すぎて悲劇になることの間でバランスを取るのが大事。ここで紹介したヒントを参考にバランスを見つけてください。最適な量の痛みであれば、風味を増してくれる効果があります。

(Lifehackerより)

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