ビタミン・ミネラルは体調維持に重要

 糖質、たんぱく質、脂質の三大栄養素に対し、微量栄養素といわれるビタミンとミネラルは第4、第5の栄養素と呼ばれます。三大栄養素ほど多くの摂取量は必要ありませんが、人間が健康的に暮らすうえで欠かせない重要な栄養素であることに変わりはありません。

 

 

ビタミンは有機物、ミネラルは無機物

 ビタミンは体の調子を整えるのに必要な栄養素です。厳密な定義は、生物が生きていくうえで欠かせない栄養素のうち、炭水化物、たんぱく質、脂質以外の有機化合物の総称ということになります。

 たくさんの種類がある点もビタミンの特徴。おなじみのビタミンCに加えて、A、B群(8種類)、D、E、Kがあり、このうちB群とCが水溶性で、残りは脂溶性です。脂溶性ビタミンは体内に蓄積されやすいので、サプリメントなどで大量にとると過剰症を起こす危険があります。

 一方、ミネラルとは鉄や亜鉛など無機物のことで、むやみにとりすぎるのは良くありませんが、足りないと不調や疾患の原因になることがあるので注意が必要です。

 

現代人はB1とB2が不足しがち

 食べ物からとった糖質や脂質が体内でエネルギーとして活用されるには、ビタミンB群が欠かせません。特にB1は糖質の代謝、B2は脂質の代謝を助ける重要なビタミンです。これらが不足すると、せっかくとった糖質や脂質をうまくエネルギーに変えられなくなり、体の調子が悪くなってしまうことがあるといいます。

 B1が不足すると糖質の代謝がスムーズにできず、体のだるさなどにつながり、結果的に運動量が減ることで、肥満を招くおそれもあります。B1には脳や神経の機能を正常に保つ働きもあるので、不足すると集中力が失われ、イライラしやすくなります。一方、脂質の代謝を助けるB2も不足すると同様に体の調子を落とすことになりかねません。

 ところが現代の日本人は、B1とB2が不足しがちといいます。「日本人の食事摂取基準(2015年版)」によると、B1の推奨量は30~40代の男性で1日1.4ミリグラム。しかし「平成27年国民健康・栄養調査」によると、実際の摂取量は30代の男性で0.91ミリグラム、40代男性で0.95ミリグラムでした。B2は30~40代男性の推奨量が1.6ミリグラムに対し、実際の摂取量は30代男性で1.12ミリグラム、40代男性で1.11ミリグラムでした。

 

 

 B群が多い食品はレバー、うなぎ、卵など。中でもB1は豚肉、大豆、玄米などに多く、またタマネギやニンニクなどネギ属の植物にはアリシンという臭気成分が含まれており、一緒に食べるとB1の吸収率が良くなります。

 ちなみにB群は水溶性ビタミンなので排出が速く、食事でとる分には、少々多めにとっても大きな危険はないケースが多いといいます。

 

前立腺がんのリスクを下げるビタミンK

 ビタミンKにはカルシウムを定着させ、骨を丈夫にする作用があります。このビタミンKをたっぷり含んでいる食品が日本の伝統食・納豆です。米国で男性のがん発症数トップの前立腺がんは日本でも急増中で、前立腺がんで亡くなる人は2009年に1万人を突破し、この20年で2倍以上に増えています。この前立腺がんのリスクをビタミンKが下げるという報告があり、ドイツで1万1319人の男性を平均8.6年追跡した研究で、ビタミンKの摂取量が最も多い人たちは最も低い人たちに比べて進行性前立腺がんにかかるリスクが63%も低かったといいます。

 ちなみに納豆には、ビタミンKのほかにも大豆たんぱく質やナットウキナーゼ(血栓を溶かす酵素)など、多くの有用成分が含まれています。岐阜県高山市で約3万人を対象に行われた最新の研究から、週に1パック以上の納豆を食べている人は、ほとんど食べない人に比べて循環器疾患で亡くなるリスクが25%低いことも分かったそうです。

 

カルシウムは働き盛りの年代にも欠かせない

 カルシウムは成長期の子どもや高齢者はもちろん、働き盛りの年代にもカルシウムは欠かせなません。ところが、カルシウムは現代人が不足しがちなミネラルのひとつなのです。「日本人の食事摂取基準(2015年版)」によると、カルシウムの1日の推奨量は30~40代男性で650ミリグラム。しかし「平成27年国民健康・栄養調査」によると30代男性の摂取量は443ミリグラム、40代男性は459ミリグラムと大幅に不足しています。

 また、カルシウムは骨を丈夫にするだけではありません。神経の緊張を緩和する作用、血圧を下げる作用やHDLコレステロール(いわゆる善玉コレステロール)を増やす作用もあり、生活習慣病予防にも役立ちます。国立がん研究センターが約8万人を対象にした調査から、「男性の大腸がんを防ぐ」効果も報告されています。

 

血圧が気になる人はカリウムをとろう

 日本高血圧学会では、血圧の収縮期(上の数値)が140mmHg以上、または拡張期(下の数値)が90mmHg以上を高血圧と定義。収縮期が140mmHgを超えている、すなわち高血圧とされる人は想像以上に多く、「平成27年国民健康・栄養調査」を見ると成人男性の34.1%、成人女性の25.1%を占めます。

 高血圧の原因は喫煙、飲酒、肥満、ストレスなどもありますが、「塩分のとり過ぎ」も原因のひとつです。塩分(塩化ナトリウム)をとり過ぎると血液中のナトリウム濃度が上がり、それを薄めるために血液の水分量が増えることで、血管にかかる圧力が高くなってしまいます。血圧を気にして、「減塩」に励んでいる人も少なくないでしょう。

 しかし、減塩もそう簡単ではありません。塩分を減らした料理は文字通り味気なく、長く続けるのは難しい。そんなとき、強い味方になってくれるミネラルが、野菜や果物に含まれるカリウムです。

 カリウムにはナトリウムの排出を促す作用があり、結果的に減塩につながります。ほうれん草、春菊、トマト、ニンジンなどは、特にカリウムが多い野菜です。ほかにイモ、納豆、バナナにも多く含まれています。血圧が気になる人は、これらの食品を積極的に摂りましょう。

 ただし、腎機能が低下している人は、カリウムをあまり大量にとるのは良くありません。健康診断や人間ドックで腎機能に異常が見られた方は、医師に確認しておきましょう。

 

男性機能を維持するためには亜鉛を

 亜鉛が足りなくなったとき、真っ先に起こる症状は味覚異常。このほか、皮膚炎や抜け毛が起こることも知られています。

 また、亜鉛は「セックスミネラル」と呼ばれます。男性の性機能と深い関係があり、前立腺液や精子には亜鉛がたくさん含まれています。亜鉛が不足すると精子を作る力が衰え、性欲低下やED(勃起障害)を起こすことがあるといいます。

 メタボの予防に効果があるといわれるテストステロン(主要な男性ホルモン)の分泌にも亜鉛は影響していると言われ、髪の毛に含まれる亜鉛の濃度を調べたところ、亜鉛が多い男性ほど血液中のテストステロン濃度が高かったといいます。体に重要な栄養素をしっかりと摂取して、健康維持に努めましょう。

(Nikkei Trendyより要約)

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