中年成人の16%が「仮面高血圧」

 診察室では正常血圧ですがそれ以外で血圧が上昇するのが「仮面高血圧」。この仮面高血圧を気付かないまま放っておくと、動脈硬化がすすみ、脳卒中や心筋梗塞を引き起こす危険性が高くなるといいます。この病態を検出する最良の方法は、小型のモニタリング機器を24時間装着することだとされています。「Circulation」に掲載された研究報告によると、診察室で「正常」血圧である人のうち約16%は、24時間モニタリングで「仮面高血圧」であることが判明したといいます。

 

 

健康な中年成人約900人の16%が高血圧だった

 米ストーニーブルック大学(ニューヨーク州)精神医学・社会学教授のJoseph Schwartz氏らは、健康な中年成人約900人を対象として、診察室血圧を3回の受診時に各3回、計9回にわたり測定し、さらに24時間自由行動下血圧測定により30分ごとの24時間測定も行いました。

 対象者は全員、降圧薬は使用しておらず、平均年齢は45歳、約80%が白人でした。退職した高齢者は、高血圧である可能性が高いため除外しました。

 研究の結果、診察室血圧が正常であった対象者のうち16%弱は、覚醒時自由行動下血圧の平均値に基づく高血圧の基準を満たしていました。自由行動下血圧は診察室血圧に比べて、収縮期血圧では平均約7 mmHg、拡張期血圧では約2mmHg高く、対象者の3分の1以上は、24時間収縮期血圧が診察室血圧よりも10 mmHg高かったそうです。10分の1では拡張期血圧が同様に高かったとそうです。

 測定値の差は若く痩せた人で最も多くみられ、この差は60歳までに、または過体重の人が肥満になると大幅に小さくなることが示されました。Schwartz氏は、「高血圧の治療を受けていない人の場合、自由行動下血圧は通常、診察室血圧よりも高いことが示唆された」と話しています。

 

仮面高血圧は脳卒中・心筋梗塞リスクが3.86倍

 この仮面高血圧とまったく真逆なのが「白衣高血圧」。診察室で測ると緊張して血圧が上がってしまう場合です。血圧はその時々の体調や心理状態でも大きく変化します。白衣高血圧は緊張しやすい傾向があることが多く、すぐに疾患への関連性が問題視はされませんが、仮面高血圧は注意が必要です。

 アメリカ・コロンビア大学のトーマス・ピッカリング教授の研究報告では、脳卒中や心筋梗塞などのリスクは正常血圧の人を1とした場合、慢性的な高血圧で2.94倍、仮面高血圧では3.86倍にもなっています。

 早朝に血圧が高くなる「早朝高血圧」も仮面高血圧の一種と考えられています。朝に血圧を測ると高い数値となるが、病院で日中に図ると正常値になっている場合です。やはり脳卒中や心筋梗塞になる危険性が高いといわれています。

 早朝高血圧で特に、夜間の血圧は低く早朝に急上昇するタイプ<モーニングサージ>は、心疾患リスクが特に高くなります。自治医科大学の研究では、慢性的な高血圧のに加えモーニング・サージがあると、通常の高血圧患者より脳卒中のリスクが2.5倍も高くなるとされています。

 

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仮面高血圧を発見するにはどうしたらいいのか?

 答えはきわめて地味ですが、血圧を、毎日家庭で規則的に計測することです。朝と夜の1日に朝と夜の2回。血圧は夜間に上昇することが多いため、朝晩に測定することで「仮面高血圧」を発見しやすくなります。

 すでに高血圧の薬(降圧剤)を飲んでいる場合は、朝は起床後、薬を飲む前に。飲んでいない場合は起床後1時間以内に測るようにします。また、夜は就寝直前が理想ですが、血圧は入浴やアルコールで下がるため、入浴や晩酌の前に測るようにします。

 正常値の目安は、家庭で測る場合125/80mmHg未満。3カ月程度続けて測定し、135/85mmHgを超えるようであれば医師の診察が必要です。

 家庭で毎日計るのが面倒で難しいという人には「24時間ABPM(自由行動下血圧)測定検査」もあります。携帯型の自動血圧計を取り付け、24時間の血圧を昼間は15分置き、夜間は30分置きに測定して、24時間の平均血圧を含め、詳細な血圧の評価を行えます。保険診療で行うことができるので、専門医に相談しましょう。

(Health Pressより)

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