海水から作る食卓塩には健康への影響が懸念される微小なマイクロプラスチック粒子が含まれている!

 人体に悪影響を及ぼす可能性が指摘される「マイクロプラスチック」が、多くの国の食卓塩に含まれていることが科学的な調査で分かりました。食塩などの生成過程でマイクロプラスチックを除去するプロセスの導入が推奨されています。

 マイクロプラスチックは海洋などの環境に存在する微少なプラスチック粒子です。プラスチックの量産に成功した1950年代以降、プラスチック製品の製造量は増え続け、2015年時点で3億2200万トンものプラスチックが作られていますが、適切に処理されることなく投棄されたプラスチックが原因で、マイクロプラスチックが海洋や土壌に流出していると考えられています。

 近年、マイクロプラスチックが魚介類の体内に蓄積することが指摘され、これを食べることで健康に悪影響がもたらされる危険性が指摘されていますが、これまで注目されていたのはあくまで魚などに含まれるマイクロプラスチックでした。しかし、海水から作る塩にもマイクロプラスチックが含まれていることから、マレーシアプトラ大学医学部のア・カラミ教授らの研究グループは、各国で生産されている食卓塩に含まれるマイクロプラスチックを調査しました。

 研究グループは、オーストラリア、フランス、イラン、日本、マレーシア、ニュージーランド、ポルトガル、南アフリカの8カ国計17ブランドの食塩をマレーシア国内で調達し、密度分離や視覚的手法でマイクロプラスチックを分離した後で、ミクロラマン分光法で組成を同定しています。その結果、1つのブランドを除いて、残りのすべての食卓塩にマイクロプラスチックが含まれていることが分かったとのこと。その量は食塩1kgあたりに1個から10個だったとしています。

 

 マイクロプラスチック粒子の平均サイズは160マイクロメートル、最大のものは980マイクロメートル。

  抽出された72個の粒子のうち41.6%がプラスチックポリマーで、23.6%が顔料、5.50%がアモルファスな炭化物、残りの29.1%は特定できなかったとのこと。

  マイクロプラスチックの形状は、63.8%が断片、25.6%が細い糸状、10.6%がフィルム状です。

  プラスチックポリマーの内訳は、ポリエチレンが33.3%、ポリエチレンテレフタレート(PET)が6.66%、ポリイソプレン・ポリスチレンが6.66%、ポリアクリロニトリルが10.0%、6-ナイロンが3.33%となっています。

 これが各国ブランドの塩に含まれていたミクロプラスチックの数と成分を示すグラフ。日本ブランドの塩からは顔料に使われるフタロシアンが検出されたようです。

 各種ポリマーの国別含有量のグラフは以下の通り。

 研究グループによると、この研究から推測できる食卓塩を原因とする人体へのマイクロプラスチックの侵入は、1人当たり年間37粒子であり、健康への影響は無視できる程度だとのこと。しかし、マイクロプラスチックの健康へのリスクについて科学的に明らかではない現時点では、149マイクロメートルよりも小さな粒子については濾過などを利用して適切に分離・除去する技術を開発し導入することが望ましいと述べています。

(Scientific Reports―Gigazineより)

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