ブドウ糖と果糖の違いとは?

 世間では「糖質制限ダイエット」が流行しています。糖質制限ダイエットは「糖質」の摂取量を制限して行うダイエット方法です。糖質が含まれる食べ物というとお菓子や果物などを想像しがちですが、ご飯やパン、麺類などの炭水化物にも糖質が含まれています。

 糖とは、多価アルコールの最初の酸化生成物で、一般的には炭水化物(糖質)と同義とされることが多いのですが、厳密には糖は炭水化物より狭い概念です。

 糖質化学や分子生物学などでは炭水化物の代わりに「糖質」ないしは「糖」と呼ぶ場合が多く、一方、生化学では「炭水化物」といいますが、徐々に「糖質」と表現するようになっています。栄養学では炭水化物のうち、ヒトが消化できない「食物繊維」を除いたものが「糖質」と呼ばれるますが、単に糖質のみを指して「炭水化物」と称されることも少なくありません。

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ブドウ糖(グルコース)と果糖(フルクトース)

 蜂蜜はブドウ糖と果糖の混合物で、白く固まる成分はブドウ糖です。ショ糖(ブドウ糖と果糖が結合した二糖類)はほとんど含まれません。ブドウ糖は、血液中を流れる糖質の主役です。糖尿病のときに問題となる「血糖値」は血液中のブドウ糖の濃度のことで、正常状態では100 mLあたり100mg(0.1g)前後に厳密に保たれています。膵臓から分泌されるインスリンと呼ばれるホルモンが、余分なブドウ糖を細胞内に取り込ませる結果、血糖値が下がり、食後でも血糖値が厳密に保たれます。

 ブドウ糖は、インスリンの作用で細胞内に取り込まれて、細胞活動のエネルギー源となります。細胞内でブドウ糖が分解され、エネルギー化される過程は「解糖系」といわれます。解糖系の過程では酸素は不要なので、無酸素運動で活躍する仕組みです。解糖系の最終産物であるピルビン酸は、酸素を使ってエネルギー変換する「クエン酸回路」といわれる代謝経路に入ります。もし、ピルビン酸が過剰になると、余ったエネルギーはアセチル-CoAという物質を経て脂肪が合成されます。急激な運動などで筋肉が酸素不足に陥ると、余ったピルビン酸は「乳酸」へ変換されて、疲れの原因となります。

 エネルギー貯留のためのもう一つの仕組みは、ブドウ糖自体をグリコーゲンとしてため込む経路で、肝臓や骨格筋でとくによく発達しています。グリコーゲンは必要なときに分解されて、ブドウ糖に変換されます。

 

 

 一方、果糖は、肝細胞に特異的なフルクトキナーゼという酵素の作用で、「解糖系」を迂回する形で代謝され、最終的にピルビン酸が生成されます。この過程は、血糖値やインスリンに左右されないため、大量に摂取された果糖は、必然的に「脂肪合成」へと向かい、さらに、ピルビン酸キナーゼが活性化される結果、乳酸が蓄積します。尿酸代謝にも影響し、尿酸値が上昇します。ラットにコレステロールを含まない高果糖食を与えると、肝での中性脂肪、さらにコレステロールの合成が促進されます。つまり、栄養学的に果糖はブドウ糖と比べて「太りやすい糖」なのです。

   

「干し柿」は太りやすい!

 つまり、果糖をたくさん含む食材は、より太りやすいので注意が必要です。果物の中では、「干し柿」は果糖成分がとびきり多く、肥満や痛風に干し柿はよくありません。ただし、果糖はアルコールの分解を助けるため、干し柿は「酔い覚まし」には効果があるとされます。なお生柿に含まれる糖の多くは「ショ糖(砂糖)」で

す。

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 運動前や運動中にブドウ糖を大量に摂取すると、脂肪燃焼が直ちに停止し脂肪合成に向かいます。骨格筋は脂肪とブドウ糖をともにエネルギー源とします。ブドウ糖の大量摂取は、インスリン分泌が刺激されるためにブドウ糖の細胞内への移入が促進されます。

 短距離走や運動の最初には、ブドウ糖の摂取は効果的です。しかし、マラソンなどの持久運動やダイエット目的の有酸素運動には、脂肪の燃焼が求められます。筋肉内に貯蓄されているグリコーゲンがエネルギー源としてまず利用されますが、まもなく貯蓄分はなくなってしまうので、よりエネルギー効率のよい脂肪燃焼が長距離走にはなくてはならないというわけです。

 

持久力を高く維持するためには果糖を摂取

 一方、代謝がインスリンに依存しない果糖は、脂肪燃焼を止める効果が著しく小さいので、スポーツ時の脂肪のエネルギー化を高く維持するために、糖質の摂取を果糖に限定することが行われる多いといいます。長距離走の最中は、ショ糖(黒砂糖やアメ)を少しずつ摂取するのがよいといわれます。ショ糖は腸内ですぐに分解されて、ブドウ糖と果糖に変わるからです。運動中のエネルギー源としては、果糖+クエン酸+アルギニン(疲労物質アンモニアの産生抑制が目的)が優れていると宣伝されています。

 

果糖は「精液」の栄養源

 ちなみに、精液(精漿)には果糖濃度が高く、その濃度は、血中のブドウ糖濃度よりも高い120~450mg/dLとされ、精液が<甘い>理由となっています。膀胱の裏側に2つある精嚢腺から、果糖は分泌されます。精子には、果糖の輸送体膜蛋白であるGLUT5というタンパク質が分布しています。果糖は精子の重要な栄養源なのです。

(HealthPressより要約、画像:福田一典 (銀座東京クリニック院長)のブログ他より)

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