私の魂は主をあがめ(BWV10)

 今日は三位一体主日後第3主日ですが、マリアのエリサベト訪問の祝日でもあります。現在では5月31日になっていますが、BACHの時代は7月2日でした。当時の教会暦に合わせて、この曲を聴くことにします。

 福音書の記述では、マリアは、エリサベトが身ごもって6か月になることを受胎告知の折に告げられて、エリサベトを訪ねます。エリサベトと胎内の子(洗礼者ヨハネ)は聖霊に満たされ、エリサベトはマリアを祝福しました。マリアはマニフィカトを歌って主を賛美し、エリサベトのもとに3か月ほど滞在したとあります。

 

 

 このカンタータは、1724.7.2ライプツィヒで初演されました。当日の福音書章句に基づくマリア賛歌のドイツ語訳を歌詞とし、グレゴリオ聖歌の古来からのメロディをもとにしたコラール旋律を使っています。同じコラールはマニフィカトBWV243/243aの第10曲にも使われています。

 

 トン・コープマン指揮、アムステルダム・バロック・オーケストラ、デボラ・ヨーク(S)、ボグナ・バルトシュ(A)、イェルク・デェルミュラ(T)、クラウス・メルテンス(B)の演奏会動画でお聴きください。 

 


 

 

私の魂は主をあがめ(BWV10)

1.合唱

Meine Seel ergebt den Herren,

私の魂は主をあがめ

Und mein Geist freuet sich Gottes,

meines Heilandes;

私の救い主なる神を。

Denn er hat seine elende Magd angesehen. 

神はその哀れなしもべをかえりみて下さったのです。

Siehe,von nun an

ごらんなさい、今からのち、すべての

werden mich selig preisen

人の子たちは私を

alle Kindesdind.

至福の人とたたえるでしょう。

2.アリア(ソプラノ)

Herr,der du stark und machtig bist,

主よ、力ある強い主よ、

Gott,dessen Name heilig ist,

神よ、そのみ名は聖なる神よ、

Wie wunderbar sind deine Werke!

あなたのみわざは何と驚くすばらしいことか  

Du siehest mich Elenden an,

あなたはこの哀れな私をかえり見、

Du hast an mir so viel getan,

多くのことをして下さった。私には

Dass ich nicht alles zahl und merke.

その恵みを数えあげることもできません。

3.レチタティフ(テノール)

Des Hochsten Gut und Treu

至高者の恵みと信実は

Wird alle Morgen neu

朝ごとに新しく

Und wahret immer fur und fur

いつまでも、いつまでも

Bei denen,die allhier

この地上であなたの助けをあおぎ、

Auf siene Hulfe schaun

心からあなたを恐れて、あなたに

Und ihm in wahrer Furcht vertraun.

信頼する者たちと共にあります。

Hingegen ubt er auch Gewalt

それにくらべて、あなたは、

Mit seinem Arm

信仰と生活において

An denen,welche weder kalt

冷たくも熱くもない者たちに対しては、

Noch warm

そのみ腕でもって

Im Glauben und im Lieben sein;

大いなる力をふるわれます。

Die nacket,bloss und blind,

はだかで傲慢で盲目な、

Die voller Stolz und Hoffart sind,

誇りと不遜に満ちた者たちは、み手によって  

Will seine Hand wie Spreu zerstreun.

もみ殻のように散らされるでしょう。

4.アリア(バス)

Gewaltige stosst Gott vom Stuhl

権力者を神はその王座から

Hinunter in den Schwefelpfuhl;

硫黄の沼へとつき落とされる。

Die Niedern pflegt Gott zu erhohen,

低い者たちは神は高めて

Dass sie wie Stern am Himmel stehen.

星のように天において下さる。

Die Reichen lasst Gott bloss und leer,

富者を神は裸でからっぽにし、

Die Hungrigen fullt er mit Gaben,

飢えた者たちは賜物で満たして、

Dass sie auf seinem Gnadenmeer

神の恵みの海原で

Stets Reichtum und die Fulle haben.

いつも豊かにあふれさせて下さる。

5.コラール(二重唱 アルト、テノール)

Er denket der Barmherzigkeit

神は憐れみを思い起こして

Und hilft seinem Diener Israel auf.

しもべイスラエルを助けて下さいます。

6.レチタティフ(テノール)

Was Gott den Vatern alter Zeiten

神が昔、父祖たちに 告げ、

Geredet und verheissen hat,

約束されたことを、

Erfullt er auch im Werk und in der Tat.

今、そのはたらきと行為によって実現される。

Was Gott dem Abraham,

神がアブラハムに、

Als er zu ihm in seine Hutten kam,

その天幕に訪れた時に

Versprochen und geschworen,

約束し、誓われたことが、

Ist,da die Zeit erfullet war,geschehen:

今、時が満ちて、実現した。

Sein Same musste sich so sehr

アブラハムの子孫は

Wie Sand am Meer

海の砂のように増え、

Und Stern am Firmament ausbreiten,

天空の星のようにひろがり、

Der Heiland ward geboren,

やがて救い主が生まれて、

Das ewge Wort liess sich im Fleische sehen,

永遠のみ言葉は肉体となられた。

Das menschliche Geschlecht

それは人々を

von Tod und allem Bosen

死とすべての悪と

Und von des Satans Sklaverei

サタンの奴隷の状態から

Aus lauter Liebe zu erlosen;

まことの愛によって救い出すためなのです。

Drum bleibts darbei,

だからたしかなことは、神の言葉は

Dass Gottes Wort voll Gnad und Wahrheit sei.

恵みと真理に満ちていることです。

7.コラール

Lob und Preis sei

賛美とほまれが

Gott dem Vater und dem Sohn

父と子と聖霊の神に

Und dem Heiligen Geiste,

ありますように、

Wie es war im Anfang,itzt und immerdar

はじめにあったように、今もいつまでも、

Und von Ewigkeit zu Ewigkeit.Amen.

永遠から永遠にいたるまで。アーメン。

                       対訳:川端純四郎

 

ルカによる福音書 第1章 39-56

そのころ、マリアは出かけて、急いで山里に向かい、ユダの町に行った。

そして、ザカリアの家に入ってエリサベトに挨拶した。

マリアの挨拶をエリサベトが聞いたとき、その胎内の子がおどった。

エリサベトは聖霊に満たされて、声高らかに言った。「あなたは女の中で祝福された方です。胎内のお子さまも祝福されています。私の主のお母さまがわたしのところに来てくださるとは、どういうわけでしょう。あなたの挨拶のお声を私が耳にしたとき、胎内の子は喜んでおどりました。主がおっしゃったことは必ず実現すると信じた方は、なんと幸いでしょう。」

そこで、マリアは言った。「わたしの魂は主をあがめ、私の霊は救い主である神を喜びたたえます。身分の低い、この主のはしためにも 目を留めてくださったからです。今から後、いつの世の人もわたしを幸いなものと言うでしょう、力ある方が、わたしに偉大なことをなさいましたから。その御名は尊く、その憐れみは代々に限りなく、主を畏れる者に及びます。主はその腕で力を振るい、思い上がる者を打ち散らし、権力ある者をその座から引き降ろし、身分の低い者を高く上げ、飢えた人を良い物で満たし、富める者を空腹のまま追い返されます。その僕イスラエルを受け入れて、憐れみをお忘れになりません、わたしたちの先祖におっしゃったとおり、アブラハムとその子孫に対してもとこしえに。」

マリアは、三ヶ月ほどエリサベトのところに滞在してから、自分の家に帰った。

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