脂肪を落としたい人が意識すべき「ニート」とは?

 私たちが食べたものは、体の中で消化・吸収され、活動するのに必要な成分に変換されます(エネルギー代謝)。このエネルギー代謝のうち、60~70%は生命維持のための「基礎代謝」が、20~30%は運動や日常生活での「身体活動時代謝」が占めています。残りの10%は、食べたものを消化・吸収するときに使われる「食事誘発性熱産生」です。

 この「身体活動時代謝」のうち、運動を除いた日常生活の活動による代謝を、「非運動性身体活動時代謝」と呼びます。この「非運動性身体活動時代謝」の別名が「ニート(NEAT;non-exercise activity thermogenesis)」です。NEATはつまり、家事やオフィスワーク、立ち座り、階段の上り下りなど、運動とは呼べないような日常生活活動によるエネルギー代謝全般を指します。

 エネルギー消費に関わるものとして、多くの人がまず思い浮かべるのは運動ですが、実は、運動によるエネルギー消費は、考えているほどには多くありません。毎日スポーツをしたり、何時間もジムで運動できるかというと、現実的ではありません。運動でやせたいなら、併せて食事の量を減らすことが大切です。

 運動でやせるのは案外ハードルが高い。そこで最近注目されているのが、NEATです。特別な運動をしなくても、NEATを増やせば、肥満や糖尿病、メタボリック・シンドロームなどを防げることが分かってきました。

 例えば、肥満の人と肥満でない人のNEATを比べると、肥満の人の方が1日350kcal少なかったという研究があります。350kcalはいちごのショートケーキ1個分のエネルギーに相当します。1週間で2450kcal、1カ月で1万500kcalと考えると意外と侮れません。

 また、同じ研究で、肥満の人は、肥満でない人よりも座っている時間が1日当たり164分長く、立っている時間が152分短いことも報告されています。

 肥満の人は、ソファに座ってテレビを見て、携帯電話を操作しながらお菓子を食べて、暑くなったらリモコンでエアコンをつけて…と必要なものを全て手の届く範囲に置き、動かなくていい状態を作っていることが多いものです。こういったコックピットにいるかのような生活は肥満のもとです。

 ちりも積もれば山となる。通勤の際、電車やバスは1駅前で降りて歩く、駅やオフィスではエレベーターやエスカレーターを使わずに階段を使う、こまめに掃除をするなど、「ちょっとした動き」でNEATを増やし、エネルギーを消費することを心がけてみましょう。

(日経Goodayより)

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