スマホ中毒で「手根管症候群」に!

 スマートフォンの長時間使用が原因で、指が変形したり、痛みや痺れを覚えた場合の俗称を「テキストサム損傷(text thumb injury)」といいいます。親指(thumb)に象徴させるのは、欧米特有の傾向でゲーム機やスマホは両手で持って左右の親指で文字入力する利用者が多いので、このような名称になりました。



「手根管症候群」のリスクが高まる可能性

 香港の大学生48人を被験者とするWhite氏らの研究解析によれば、スマホやタブレット端末やゲーム機などの携帯用電子デバイスを長時間使用した場合、手指に痛みや痺れをもたらす「手根管症候群」のリスクが高まる可能性が示唆されました。

 この手根管は、文字どおり手の付け根部分に存在し、骨と靭帯に囲まれた狭くて硬い通路を指しています。そこには指の曲げを可能にする「腱」や、前腕から手のひらまでを巡っていくつかの指に感覚を与える「正中神経」が走行しています。この神経が長時間操作などで頻繁に圧迫された場合、手指の疼痛や痺れ、握力低下や時には刺すような痛みに襲われるといいます。

 これらの症状を総称して「手根管症候群」と呼んでいますが、はたして携帯デバイス類の日常的な使いすぎが、どの程度まで関連しているものなのでしょうか?


日本の男子高校生は平均4.1時間、女子高校生は7時間

 White氏ら研究班は被験者48名の人選に際し、半数を「1日あたりの端末使用時間が平均5時間以上」のヘビーユーザー層に絞りました。対する残り半数層はいうまでもなく、同「5時間未満」の一般ユーザー層を抽出して比較検証を行ないました。

 ちなみに1213人の高校生を対象とした「デジタルアーツ」(2015年1月調べ)の集計によれば、「男子高校生の1日当たりの平均スマホ使用時間は4.1時間」、「女子高校生のほうが7時間」という大きな開きがありました。

 注目の比較検証の結果ですが、1日操作5時間超えのヘビーユーザー層の場合、それ未満の利用組に比べて理学的検査において「陽性」となる割合が高く、前者の学生は「自己評価」の質問票(首や肩、背中や肘、手首および手の疼痛、または不快感などを訊いた)上でも症状の自覚が高かったといいます。

 研究では手首部分の超音波検査や、手根管症候群かどうかを見分けるファレンテスト (Phalen maneuver)も行なわれました。結果、5時間超えのヘビーユーザー層では「正中神経の断面積が有意に大きい傾向」が読み取れ、「携帯機器の使用時間が長いほど手首および手の疼痛が強くて長時間続く特徴」も認められました。

 『Muscle and Nerve』(オンライン版)に掲載された今回の報告は、「スマホの使いすぎ」が原因で「手根管症候群」を発症することを証明するものではありません。だが、しかし携帯型端末特有の操作で必要とされるクリックやスワイプ、タップやスクロール、あるいはプレスといった指の動作が日常的にくり返されることによって、正中神経が膨張したり圧迫されたりするのではないかと考えられます。


背筋は伸ばし、手首も真っすぐに!

 うつ向いた姿勢のままでスマホを長時間操作することで(本来はカーブしているはずの)首が真っすぐに変形してしまうことを「ストレートネック」と呼びます。その症状の大半の人が「猫背」だといわれ、頭痛や肩凝り、吐き気やめまい、手の痺れなどを訴える点も共通しています。さらに悪化した場合、手の痛みばかりか脱力をも起こしかねず、階段が降りにくくなるなどの日常生活に支障をきたしたりします。もし、シャツのボタンが上手く止められないなどの症状がみられたら要注意です。

 この首のストレート現象とは対照的に、手首のほうは「ストレート」を意識しようと前出・White氏は最後にこうアドバイスしています。手根管症候群リスクをできるだけ抑えるためには、携帯型端末類の操作時はできる限り、手首を真っすぐにしておくといいといいます。 背筋は伸ばし、手首も真っすぐに! スマホ操作の正しい姿勢の習慣を身に着けましょう。

(Health Pressより)

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