われ固く信ず(BWV188)

 ピカンダーのテキストによって書かれた三位一体主日後第21主日のカンタータは、不完全な形で伝承され、初演は1728年または1729年と言われています。

 冒頭のシンフォニアはチェンバロ協奏曲ニ短調(BWV1052)のフィナーレが転用されていますが、一部が伝えられるのみで、チェンバロ協奏曲から復元されています。




 当日の福音書聖句はイエスが、再びガリラヤのカナに行き、役人カペナウムの病気の息子を癒やす話ですが、ピカンダーの台本では神への信頼が救いをもたらすことを多角的に説くもので、説話への言及は行われていません。


 カイ・ヨハンセン指揮、シュティフトムジーク・シュトゥットガルト、リディア・ヴィネス・カーティス(A)、アンドレアス・ウェルラー(T)、イェンス・ハーマン(B)の演奏動画でお聴き下さい。





われ固く信ず(BWV188)

1 .シンフオニア

2 .アリア(テノール)

Ich habe meine Zuversicht

私はこの身の信頼を

Auf den getreuen Gott gericht,

まことある神へと向けた。

Da ruhet meine Hoffnung feste.

そこで私の希望は堅く安らぐのだ。

   Wenn alles bricht, wenn alles fällt,

 すべてが砕け、すべてが倒れ、

   Wenn niemand Treu und Glauben hält,

 信実と信仰をもっ者がいなくなるときでさえ、

   So ist doch Gott der allerbeste.

 なお神は最良のものなのだから。

3 .レチタティーヴォ(バス)

Gott meint es gut mit jedermann,

神は誰のこともよくはからってくださる、

Auch in den allergrößten Nöten.

この上ない困苦の時でさえ。

Verbirget er gleich seine Liebe,

神は愛をお隠しになることもあるが、

So denkt sein Herz doch heimlich dran,

心ではひそかに、そのことを考えておられる、

Das kann er niemals nicht entziehn;

けっして愛なしではいられないのが神なのだ。

Und wollte mich der Herr auch töten,

主が私に死を与えられることもあるだろう。

So hoff ich doch auf ihn.

それでも私は、主に望みをかける。

Denn sein erzürntes Angesicht

なぜなら、その怒れる表情は

Ist anders nicht

じつはほかならぬ

Als eine Wolke trübe,

天の黒雲に等しいからだ。

Sie hindert nur den Sonnenschein,Damit durch einen sanften Regen

雲がやさしい雨を降らせてこそ、

Der Himmelssegen

天の祝福は

Um so viel reicher möge sein.

ますます豊かになりうるのだ。

Der Herr verwandelt sich in einen grausamen,

主が残酷なお方に姿を変えるのは、

Um desto tröstlicher zu scheinen;

ますます慰め豊かにあらわれるためだ。

Er will, er kann's nicht böse meinen.

主は悪を欲せられぬ、それはあり得ぬこと。

Drum lass ich ihn nicht, er segne mich denn.

だから私は主を離しません、私を祝福してくださるまでは。

4 .アリア(アルト)

Unerforschlich ist die Weise,

究めがたいのはそのあり方です、

Wie der Herr die Seinen führt.

主が自分に従う者たちをいかに導いてくださるかの。

  Selber unser Kreuz und Pein

 私たちの十字架と苦痛さえ

  Muss zu unserm Besten sein

 必ずや私たちのこの上なきものとなり、

  Und zu seines Namens Preise.

 御名の讃美へと化すのです。

5 .レチタティーヴォ(ソプラノ)

Die Macht der Welt verlieret sich.

この世の勢威は失われます、

Wer kann auf Stand und Hoheit bauen?

誰が身分と地位に頼れるでしょうか?

Gott aber bleibet ewiglich;

神はしかし、永遠にとどまるのです。

Wohl allen, die auf ihn vertrauen!

神に依り頼むすべての者は、幸いなるかな。

6 .コラール

Auf meinen lieben Gott

私のいとしい神を

Trau ich in Angst und Not;

私は不安と苦境の中で信頼する。

Er kann mich allzeit retten

神は私をいつでも助け出せるのだ、

Aus Trübsal, Angst und Nöten;

艱難、不安、もろもろの困苦から。

Mein Unglück kann er wenden,

私の不幸も神にかかれば一転する、

Steht alls in seinen Händen.

すべてが御手のうちにあるからには。

                       対訳:磯山 雅


ヨハネによる福音書 4章 47-54

この人は、イエスがユダヤからガリラヤに来られたと聞き、イエスのもとに行き、カファルナウムまで下って来て息子をいやしてくださるように頼んだ。息子が死にかかっていたからである。

イエスは役人に、「あなたがたは、しるしや不思議な業を見なければ、決して信じない」と言われた。

役人は、「主よ、子供が死なないうちに、おいでください」と言った。

イエスは言われた。「帰りなさい。あなたの息子は生きる。」その人は、イエスの言われた言葉を信じて帰っていった。

ところが、下っていく途中、僕たちが迎えに来て、その子が生きていることを告げた。

そこで、息子の病気が良くなった時刻を尋ねると、僕たちは、「きのうの午後一時に熱が下がりました」と言った。

それは、イエスが「あなたの息子は生きる」と言われたのと同じ時刻であることを、この父親は知った。そして、彼もその家族もこぞって信じた。

これは、イエスがユダヤからガリラヤに来てなされた、二回目のしるしである。

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