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われは貧しき者、われは罪のしもべ(BWV55)

 三位一体主日後第22主日に聴くカンタータは、1726.11.17ライプツィヒで初演されたテノール独唱カンタータです。


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 当日の福音書聖句は「兄弟を限りなく許しなさい」の教えで、天国を「決算の時」に譬え、主人に多額の負債を負った下僕が、自分に僅かな負債のある同僚を許さなかったために、主人の怒りにふれて獄に下されたことを物語っています。


 マルセル・ポンセール指揮、イル・ガルデリーノ、ヤン・コボウ(T)の演奏ででお聴きください。





われは貧しき者、われは罪のしもべ(BWV55)

1.アリア(テノール)

Ich armer Mensch, ich Sündenknecht,

わたしは哀れな人間、罪のしもべ、

Ich geh vor Gottes Angesichte

神の御前に

Mit Furcht und Zittern zum Gerichte.

お裁きのために畏れふるえながら参ります。

Er ist gerecht, ich ungerecht.

神は義であり、わたしは不義です。

Ich armer Mensch, ich Sündenknecht!

わたしは哀れな人間、罪のしもべ。

2.レチタティーヴォ(テノール)

Ich habe wider Gott gehandelt

わたしは神に逆らってきた

Und bin demselben Pfad,

そして神がわたしに示された

Den er mir vorgeschrieben hat,

神の道に

Nicht nachgewandelt.

従って歩いては来なかった。

Wohin? soll ich der Morgenröte Flügel

わたしはどこへ。曙の翼を駆って

Zu meiner Flucht erkiesen,

海の果てまで

Die mich zum letzten Meere wiesen,

逃れるべきか、

So wird mich doch die Hand des Allerhöchsten finden

しかし至高者の御手は、そこでもわたしを見出し

Und mir die Sündenrute binden.

わたしに罪を罰する鞭を備えられる。

Ach ja!

ああ、そうなのだ。

Wenn gleich die Höll ein Bette

たとえ地獄が

Vor mich und meine Sünden hätte,

わたしとその罪のために床をしつらえようとも、

So wäre doch der Grimm des Höchsten da.

至高の神の怒りがそこにあるだろう。

Die Erde schützt mich nicht,

この世はわたしを守らずに、

Sie droht mich Scheusal zu verschlingen;

おぞましいわたしを呑み込むと脅す。

Und will ich mich zum Himmel schwingen,

たとえわたしが天まで飛んでいっても、

Da wohnet Gott, der mir das Urteil spricht.

そこには神が居られ、わたしに判決を下される。

3 .アリア(テノール)

Erbarme dich!

あわれみたまえ。

Lass die Tränen dich erweichen,

涙が御心を和らげますように、

Lass sie dir zu Herzen reichen;

涙が御心に届きますように。

Lass um Jesu Christi willen

イエス・キリストに免じて

Deinen Zorn des Eifers stillen!

あなたの激しいお怒りが静まりますように。

Erbarme dich!

あわれみたまえ。

4 .レチタティーヴォ(テノール)

Erbarme dich!

あわれみたまえ。

Jedoch nun

しかし今

Tröst ich mich,

わたしは安堵している、

Ich will nicht für Gerichte stehen

わたしは裁きの庭に行くのではなく

Und lieber vor dem Gnadenthron

むしろ恩寵の御座の前の

Zu meinem frommen Vater gehen.

わが聖なる父の御前に行きたい。

Ich halt ihm seinen Sohn,

わたしは父にその御子と、

Sein Leiden, sein Erlösen für,

御子の受難と、あがないとを示そう、

Wie er für meine Schuld

御子がわたしの罪のために

Bezahlet und genug getan,

どれだけの代償を払われ充分なことをされたかを。

Und bitt ihn um Geduld,

そして父に忍耐を願おう、

Hinfüro will ich's nicht mehr tun.

今より後、もう罪は犯さないからと。

So nimmt mich Gott zu Gnaden wieder an.

だから神よ、わたしをまた御恵みのもとに受け入れてください。

5.合唱

Bin ich gleich von dir gewichen,

たとえわたしはあなたから離れても、

Stell ich mich doch wieder ein;

再び戻って参ります。

Hat uns doch dein Sohn verglichen

あなたの御子はわれらをあがなわれた、

Durch sein Angst und Todespein.

その恐怖と死の苦痛によって。

Ich verleugne nicht die Schuld,

わたしは罪を否定しないが、

Aber deine Gnad und Huld

あなたのめぐみと愛は、

Ist viel größer als die Sünde,

わたしが常にみずから感じる

Die ich stets bei mir befinde.

罪を超えてはるかに大きい。

                      対訳:松浦 純


マタイによる福音書第18章 23-35

そこで、天の国は次のようにたとえられる。ある王が、家来たちに貸した金の決済をしようとした。

決済し始めたところ、一万タラントン借金している家来が、王の前に連れてこられた。

しかし、返済できなかったので、主君はこの家来に、自分も妻も子も、また持ち物も全部売って返済するように命じた。

家来はひれ伏し、『どうか待ってください。きっと全部お返しします』としきりに願った。

その家来の主君は憐れに思って、彼を赦し、その借金を帳消しにしてやった。

ところが、この家来は外に出て、自分に百デナリオンの借金をしている仲間に出会うと、捕まえて首を絞め、『借金を返せ』と言った。

仲間はひれ伏して、『どうか待ってくれ。返すから』としきりに頼んだ。

しかし、承知せず、その中間を引っぱって行き、借金を返すまでと牢に入れた。

仲間たちは、事の次第を見て非常に心を痛め、主君の前に出て事件を残らず告げた。

そこで、主君はその家来を呼びつけて言った。『不届きな家来だ。お前が頼んだから、借金を全部帳消しにしてやったのだ。

私がお前を憐れんでやったように、お前も自分の仲間を憐れんでやるべきではなかったか。』

そして、主君は怒って、借金をすっかり返済するまでと、家来を牢役人に引き渡した。

あなたがたの一人一人が、心から兄弟を赦さないなら、わたしの天の父もあなたがたに同じようになさるであろう。」

『不届きな家来だ。お前が頼んだから、借金を全部帳消しにしてやったのだ。わたしがお前を憐れんでやったように、お前も自分の仲間を憐れんでやるべきではなかったか。』そして、主君は怒って、借金をすっかり返済するまでと、家来を牢役人に引き渡した。あなたがたの一人一人が、心から兄弟を赦さないなら、わたしの天の父もあなたがたに同じようになさるであろう。」

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