いつわりの世よ、われ汝に頼らず(BWV52)

 三位一体主日後第23主日に聴くカンタータは、1726.11.24ライプツィヒで初演されたソプラノ独唱用のカンタータです。

 冒頭楽章に大きいシンフォニアが置かれていますが、これはブランデンブルク協奏曲第1番ヘ長調(BWV1052)から転用されました。


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 当日の福音書聖句はイエスがファリサイ人たちの「皇帝に税金を納めてよいか」との悪意ある問いを、貨幣の肖像を注意しつつ「皇帝のものは皇帝に、神のものは神に返せ」と退けたことを物語っています。


 鈴木雅明指揮、バッハ・コレギウム・ジャパンの演奏でお聴きください。ソプラノ独唱はイギリスの歌手、キャロリン・サンプソンです。





いつわりの世よ、われ汝に頼らず(BWV52)

1.シンフォニア

2.レチタティーヴォ(ソプラノ)

Falsche Welt, dir trau ich nicht!   悪しき この世よ

Hier muß ich unter Skorpionen   われ なれを 頼まじ

Und unter falschen Schlangen wohnen.  邪悪は 世に 満つ.

Dein Angesicht,      親しく

Das noch so freundlich ist,   装いつつ

Sinnt auf ein heimliches Verderben:   滅びを 隠しもつ

Wenn Joab küßt,   口づけ

So muß ein frommer Abner sterben.   ただちに 死を 招く.

Die Redlichkeit ist aus der Welt verbannt, 直きは 退けられ

Die Falschheit hat sie fortgetrieben,   偽り 勝ち誇り

Nun ist die Heuchelei   まことに 代わりて

An ihrer Stelle blieben.   ところ 得たり.

Der beste Freund ist ungetreu,   友に 誠失せ

O jämmerlicher Stand!   いかに いたまし

3.アリア(ソプラノ)

Immerhin, immerhin,      さても さても この世

Wenn ich gleich verstoßen bin!      われを 弾き出さんとすれど

Ist die falsche Welt mein Feind,      わが 敵(あだ) なれば

O so bleibt doch Gott mein Freund,   主こそ わが 友

Der es redlich mit mir meint.   われを 思う まことの 神

4.レチタティーヴォ(ソプラノ)

Gott ist getreu!      主こそ まこと

Er wird, er kann mich nicht verlassen;   世の 狂気 罠(わな)もて

Will mich die Welt und ihre Raserei   陥れんと 迫るとき

In ihre Schlingen fassen,   主の み手

So steht mir seine Hilfe bei.   わが かたえに あり.

Auf seine Freundschaft will ich bauen   慈しみに たより

Und meine Seele, Geist und Sinn   わが 心 すべて

Und alles, was ich bin,   持てるもの 主に ゆだねん

Ihm anvertrauen.   主こそ まこと

5.アリア(ソプラノ)

Ich halt es mit dem lieben Gott,   われ 主と 共なり

Die Welt mag nur alleine bleiben.   世には かかわり なし

Gott mit mir, und ich mit Gott,   主と われ 共に あれば

Also kann ich selber Spott   いつわりの ことばを

Mit den falschen Zungen treiben.   嘲(あざけ)らん

6.コラール

In dich hab ich gehoffet, Herr,   主に 望み いだけば

Hilf, daß ich nicht zuschanden werd,   恥と あざけり

Noch ewiglich zu Spotte!   とわに 避けしめよ

Das bitt ich dich,   せつに 乞う

Erhalte mich   まことの 主よ

In deiner Treu, Herr Gotte!   守りませ

              大村恵美子 訳詞

マタイによる福音書 22章 15-22

それから、ファリサイ派の人々は出て行って、どのようにしてイエスの言葉じりをとらえて、罠にかけようかと相談した。

そして、その弟子たちをヘロデ派の人々と一緒にイエスのところに遣わして尋ねさせた。「先生、わたしたちは、あなたが真実な方で、真理に基づいて神の道を教え、だれをもはばからない方であることを知っています人々を分け隔てなさらないからです。

ところで、どうお思いでしょうか、お教えください。皇帝に税金を納めるのは、律法に適っているでしょうか。適っていないでしょうか。」

イエスは彼らの悪意に気づいて言われた。「偽善者たち、なぜ、わたしを試そうとするのか。

税金に納めるお金を見せなさい。」彼らがデナリオン銀貨をもってくると、

イエスは、「これは、だれの肖像と銘か」と言われた。

彼らは、「皇帝のものです」と言った。すると、イエスは言われた。「では、皇帝のものは皇帝に、神のものは神に返しなさい。」

彼らはこれを聞いて驚き、イエスをその場に残して立ち去った。

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