愛する神よ、みそなわせ、わが敵のいかにあるやを(BWV153)

 新年後第1主日に聴く曲は、1724.1.2の初演されたカンタータです。管楽器は使われず弦楽のみのシンプルなもので、合唱も単純な4声コラールが3曲という地味な曲です。クリスマスや新年の祝賀気分はなく、ヘロデによる嬰児虐殺の場面をテキストに想いを得て、イエスに付き従う決意の堅固になってゆくさまを歌います。


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 1723年のクリスマスシーズンから、前日(新年の祝日)にも大奮闘したトマス教会合唱団と管楽器奏者を休ませるために、このような簡素な構成にしたのだとも言われています。しかし手抜きを全く感じさせない、聴き応えのある作品です。

 ピーテル・ヤン・ベルダー指揮、オランダの古楽アンサンブル「ムジカ・アンフィオン」の演奏会の録画でお聴きください。ソプラノはハナ・ブラシコヴァ、アルトはテリー・ウェイ、テノールはチャーリー・ダニエルズ、バスはハリー・ファン・デル・カンプです。画質がよく音質も良い動画です。




1.合唱

ご覧ください、愛する神よ、わたしの敵がどのようか、

わたしが常に戦い続けねばならぬほど、

敵は狡猾でかつ強力であり、

わたしをたやすく押さえつけます。

主よ、あなたの御恵みがわたしを支えてくださらないと、

悪魔や肉やこの世が

わたしをたやすく不幸に陥れます。

2.レチタティーヴォ(アルト)

わが最愛の神よ、どうか憐れんでください、

ああ、どうか哀れなわたしをお助けください。

わたしが住んでいるこの世には、獅子や竜が大勢いて、

そのものたちは凶暴かつ残忍に遠からぬうち

ゎたしに完全にとどめを刺そうとしています。

3.アリア(バス)

「恐れることばない、わたしはあなたと共にいる神。

たじろくな、わたしはあなたの神。勢いを

  与えてあなたを助け、わたしの救いの右の手であなたを支える。

4.レチタティーヴォ(テノール)

愛する神よ、たしかにあなたはわたしの魂を安らげようと

苦難のただ中にあるわたしに慰めを約束されます。

ああ、しかしわたしの心労は

日々に大きくなっています、

なぜならわたしの敵は多く、

わたしの命を狙っています、

彼らの弓はわたしをめがけて引かれ、

わたしを滅ぼそうと矢をつがえ、

彼らの手に掛かって死ねというのです。

神よ。わたしの苦境はご存じです、

5.コラール

そしてたとえすべての悪魔が

あなたに刃向かおうとしても、

神はためらわれることもなく

後退されることもないだろう。

神がみずから心に決められ

望まれていることは、

必ずや最後には

御心のままに成就する。

6.アリア(テノール)

ただひたすら荒れ狂うがよい、苦難の嵐よ、

怒涛よ、わたしをめぎして襲いかかれ。

不幸の炎よ、

わたしの上にふりかかるがよい。

敵どもよ、わたしの安らぎを乱すがよい、

まさに神はわたしを慰めて言われる、

「わたしはあなたの盾、救い手だ」と。

7.レチタティーヴォ(バス)

安心しろ。わが心よ、苦痛に耐え、

おまえの十字架に押し拉がれたままにはなるな。

神はかならずおまえを

正しいときに元気づけられる。

神の愛し子、

主イエスも、まだ幼いころに

はるかに大きな危難に遭われたのだ、

暴君ヘロテが彼を

死の危険の瀬戸際まで

殺戮の暴力で脅したからだ。

彼はこの地ヒに来られるやいなや、

すでに避難民にならぎるをえなかったのだ。

では、イエスとともに元気を出し

堅く信じなさい。

この地上でキリストとともに苦しんでいる者たらに、

主は天国を与えられると。

8.アリア(アルト)

たとえわたしが自分の人生を

十字架と苦難を背負って歩むべきであっても、

それは天国ではきっと終わることだろう。

そこにはひたすら歓喜があり、

そこでわがイエスは苦難を

歓喜の極み、永遠の喜びと替えられる。

9.コラール

だからわたしは、生きているかきり、

十字架を背負い、喜んであなたの後を追います。

わが神よ、わたしにその準備をさせてください、

十字架はいかなる時も有益なもの。

助けたまえ、わたしが自分の務めに正しく従事し、

自分の人生を全うできるように、

助けたまえ、またわたしが肉と血を統御して、

罪と恥から自らを守るように。

わが心を信仰のうちに清く保ちたまえ、

わたしがあなたひとりにおいて生き、そして死ぬように。

イエスよ、わが慰め、わたしの頗いをお聞きくだきい、

おお、わが救い主よ、あなたのもとにありたい ものです

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