コレステロール値の高い方が長生き?

 健康に関する情報が氾濫している昨今、どれが正しく、どれが怪しいかを一般人が見分けるのは難しく、特定の企業・団体の利権や意向が複雑に絡み、根拠の乏しい健康の常識も世の中には氾濫しています。

基準緩和に論争勃発!?コレステロールは「体にいい」の主張

 もともと血圧やBMI(肥満度)、LDL(悪玉)コレステロールをはじめ、健康診断の各項目の基準範囲は健診機関によってまちまちでした。そこで昨年4月、人間ドック学会はすべての健診機関に適用可能な新たな基準値を発表しました。
  

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 新基準では、全体的にどの項目も従来の基準値より甘く設定し、なかでも、LDLコレステロールについては、従来より上限値がかなり高くなっています。これに日本動脈硬化学会などが反発し、大論争に発展しました。

 近畿大学医学部講師の榎木英介氏は「人間ドック学会は小さな学会で、医療業界において大きな力を持っているわけではない。そのため、新基準値について多くの医療機関や医師、製薬会社が反発することは予想されたが、これほど大きなものになるとは思っていなかった。循環器系は医療業界にとってドル箱。例えば、降圧剤などが従来より高く設定された新基準値により、薬の処方が必要な患者が減れば、病院も製薬会社も利益を出せなくなる。だから反発が強い」といいます。

 製薬会社などの「利権」が絡み、設定されていた従来の基準値ですが、「新基準値なら自分はセーフだと安心してはいけません。検査を重ね、そのうえで患者は総合的に判断する必要がある」と榎木氏は警告しています。

 一方、基準値の良し悪し以前に、そもそも「LDLコレステロールは有害ではない」との主張もあります。富山大学名誉教授の浜崎智仁氏は「LDLコレステロールが死亡リスクを高めるとする信頼に足る研究結果はなく、むしろ総死亡率から見れば問題がないことを示す疫学調査が複数行われている。例えば、下記のグラフのように茨城県で40~79歳の男女計9万人以上を約10年追跡調査した研究では、LDLコレステロール値80mg/デシリットル未満の人の死亡リスクを1とした場合、120~139mg/デシリットルの人の死亡リスクは男女ともに0.7程度と低くなった。ほかにも、LDLコレステロール値が高い人ほど、肺炎やインフルエンザ、各種のがんにかかりにくいとのデータもありる。そもそもコレステロールを摂り過ぎると血液中のコレステロール値が高くなるというのもウソ。コレステロールの7割は体内で合成され、摂取量の増加で体内のコレステロール合成量は抑制される」といいます。

「コレステロール=悪」神話がいまだに根強い原因もまた「カネになるから」(浜崎氏)だといいます。コレステロール値を下げる薬「スタチン」だけで、日本では年間2500億円も販売されています。

( 以上日刊SPAより)

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J-LIT:日本脂質介入試験(Japan Lipid Intervention)

  

 医学、医療は年々変化しています。「バターかマーガリンか」のように、動物性脂肪より植物性脂肪の方が体に良いと思われていたのが、植物性脂肪を固めてマーガリンを作る際に、トランス脂肪酸ができ、これは体に悪いとされ、アメリカでは規制されるようになっています。

 ある時正しいと思われたことが、ずっと正しいとは限りません。また、いろいろな考え方や意見があるということを知っておくことも必要です。

 マスコミやインターネットの報道の、一部の説のみにとらわれるのではなく、広くたくさんの情報を集め、その中から本当の情報をつかみ取っていくことが求められています。


長寿のためのコレステロール ガイドライン(2010年版)


ある医師の書評(参考)

 今まではすべてLDLコレステロールが動脈硬化の原因であり、コレステロールを下げることが心筋梗塞の予防になるので基準値を超えたら治療する必要があるというものばかりでした。


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 浜崎智仁氏は悪玉コレステロールが高値で悪くないと主張しています。これまでコレステロールが悪いという説の根拠になっていた抗コレステロール薬によるコレステロール低下作用を調べた臨床研究では、心筋梗塞を発症するかを指標に調べてあり、実際の死亡者数の増加(総死亡率)を見ていません。わずかな心血管病変数の差をあたかも大変な差のように示すことでコレステロールを下げることが疾患予防につながるのだと結論をだしています。

 総死亡率を指標とした場合、コレステロールが高くても死亡率は変わらず、逆に低値だと死亡率が高くなる結果がでます。総コレステロールの基準値220mg/dlを超えている240~260mg/dlで総死亡率が一番低いそうです。

 それではどうしてコレステロールが悪物扱いされるようになったかというと製薬会社の抗コレステロール薬の販売戦略であったということです。製薬会社の利益のためにいらない薬を服用させられていたといいます。

 浜崎氏は「人間にとって、昔は入手できなかったものは不要である」とも書いています。植物性油脂(リノール酸)やトランス脂肪酸は昔なかったもので、動物性油脂と魚油は昔から食していた身体によい油脂だということです。これまでの植物性油脂は身体に良くて動物性脂肪が悪いという考え方と異なります。

 今まで信じ込んできた健康説をもう一度勉強して考え直す必要がありそうです。

コレステロールについて、どうやら私たちは間違った常識を植え付けられてきたようです。

 糖質制限についてしらべると、コレステロール悪玉説というのがかなり怪しいものであることがわかってきました。なぜそんな怪しい話が広まったのか、何故そのことを学者やメディアは伝えないのか。背後には製薬業界の思惑が潜んでいるようです。原発の危険性に頬被りしてきた構造と同じなのかもしれません。

 糖質制限を始めるまで、卵の食べ過ぎは良くないとか、肉の脂肪分は控えめにしよう、などといわれてましたが、糖質制限を始めると、どうしても脂質やたんぱく質を以前より多めに摂ることになります。脂肪の摂り過ぎは健康に良くないのではないかという心配がありました。ところが、いろいろ調べてみると健康に悪いどころか、その反対という話もあります。


他の書評(参考)

 動脈硬化性疾患を予防するためには、動物性脂肪やコレステロールの摂取を減らさなければならない、という話が広く受け入れられてきたのですが、最近、コレステロール値の高い方が「総死亡率」が低い、という調査研究が出てきました。また、スタチン剤はLDL-コレステロール値を下げるが心疾患予防には効果がない、という調査結果も出てきました。

 先浜崎智仁氏の本によると、コレステロールをたくさんとっても血液中のコレステロール値は上がらない、リノール酸を多く含む植物油を摂ると健康に有害、コレステロールの善玉悪玉説は根拠が崩れた、コレステロール合成阻害薬(スタチン剤)には要注意等々が指摘されています。

 詳しい内容は、脂質栄養学会が発表している「長寿のためのコレステロール ガイドライン(2010年版)」をご覧になって下さい。このガイドラインを作成した委員会の長である浜崎智仁 教授がわかりやすく書き下ろしたのが、先に掲げた解説本です。こちらは科学的データを示しながらも一般向けにわかりやすく書かれています。とにかく、今までいろいろな場所で喧伝されてきた話と逆です。そのまま鵜呑みにはできませんが、一見の価値ありです。

 残念なことに日本の動脈硬化学会や循環器系学会はそれら研究成果を無視したままで、脂質栄養学会のガイドラインに根拠のない批判を浴びせ、いまだにLDL-コレステロール悪玉説を支持しているという有様です。先の本の著者である浜崎氏は、コレステロール悪玉説の背後には医学界のお歴々と製薬企業との結託を揚げています。コレステロール値を下げるスタチン剤は全世界で3兆円、日本だけでも約三千億円の売上をあげているという超ド級ドル箱のクスリですから、製薬業界とそれに連なる権威筋が既得権を守ることに専心しているのでしょうか。そこには患者さんの健康や命を守るという姿勢はありません。そういう醜い関係はエイズや薬害の時の製薬業界との関係を彷彿とさせてしまいます。

 メディアもコレステロール悪玉説から脱却できていません。たとえば、NHKは未だに「LDL-コレステロール悪玉説」を吹聴しており、「ためしてバッテン」でしかありません。まるで、原発安全神話をメディアが定着させていったのと同じ構造を感じてしまいます。

(資料:日刊SPA、All About、いきいき健康ニュース、他)
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