"口呼吸"がもたらす体の不調

 ふだんから口をパックリ開けている人が増えています。職場や家庭、外出時など周りを見渡して、あなたのそばにはいないせしょうか。いや、あなた自身が飲食や会話のとき以外、きちんと口を閉じているでしょうか。

 本来人間は、鼻で呼吸するようにできています。鼻から吸った空気は、血管が密集し粘膜で覆われた鼻腔を通って肺に到達します。入り組んだ鼻腔を通ることで、空気は温まると同時に加湿され、目に見えないホコリも粘液や表面の線毛によって取り除かれます。鼻腔は、エアコンや加湿器、空気清浄機の役割を果たしているわけです。

 口で呼吸をすると、そういったフィルターが一切ないので、ホコリや細菌、排気ガス、花粉などを含む空気が、直接肺に送り込まれることになります。特に冬期は、乾燥した冷たい空気が直接取り込まれます。鼻で呼吸するよりも、病気になるリスクは高そうです。

全身に悪影響をもたらす恐ろしさ

 子どもの頃は鼻呼吸ができていても、ひどい風邪をひいてしまい、鼻で呼吸ができなくなったことをきっかけに、口呼吸が習慣化することがあるといいます。口呼吸は、私たちの身体にさまざまな弊害がもたらします。

 まず、口から空気の通り道をつくるため、舌は後方に下がりがちだ。このため、いびきをかきやすくなり、ひどい場合は睡眠時無呼吸症候群になります。また、口の周りの筋肉が緩み、締まりのない顔になってしまいます。いわゆる"アデノイド顔"です。

 次に、ホコリや細菌が含まれた空気が喉を通るため、慢性扁桃炎になりやすく、リンパ組織である扁桃がやられると、免疫機能が弱まります。すると風邪をひきやすくなり、アレルギー疾患を発症する引き金にもなります。さらには免疫細胞が暴走して間違った指令を出してしまい、皮膚炎や腎臓病、関節炎、肩凝り、大腸炎、心臓病、リウマチなど、さまざまな病気を引き起こしかねません。

 口が開いたままでは、口内が乾燥して唾液の殺菌作用が期待できないため、普通なら修復されるはずの初期虫歯が治らず、歯周病にもなりやすく、口臭が強くなることも、唾液が少なくなる弊害です。そのうえ、口や鼻が本来とは違う機能を求められることになり、味覚障害、嗅覚障害も心配です。

口からポロリと出る白い塊に注意

 まさか自分はそんなことはない、と思っている人の中にも実は口呼吸をしているケースがあります。喉や唇が渇きやすい、歯並び(特に前歯)が悪いなどの自覚症状があったら、身近な人にふだん自分が口を開けていないかチェックしてもらいましょう。

nousenzukai.jpg

 口呼吸の人がかかりやすい慢性扁桃炎では、喉の奥に白い塊ができることがあります。何かの拍子にポロリと落ちたり、咳と一緒に飛び出たりします。これは死んだ細菌の塊で膿栓と呼ばれるものです。

 ひどいにおいに驚いたという人もいるでしょう。たいして自覚症状のない扁桃炎ですが、膿栓がよく出るようなら口呼吸を疑ってみます。風邪をひくたびに高熱が出て、喉に痛みが出るような場合は、専門医の受診をしましょう。

(Healthpressより画像追加)
スポンサーサイト
コメント
コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する