Appleの自動車発売時期は2020年と予測、勝算は?

 電気自動車(EV)の開発を進めている米Appleは、2020年にも生産を開始したい考えだと、米Bloombergや英Reuters、米New York Times、米CNETなどの海外メディアが伝えています。

 それによると、Appleはここ数カ月の間に「自動車チーム」の従業員数を急速に増やし、すでに約200人がこの部門におり、バッテリーやロボット工学のエンジニアなどが含まれるといいます。Bloombergが業界関係者から得たという情報によれば、その参入時期は2020年がターゲットになっていることがわかりました。

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 Bloombergによると、自動車メーカーが新車の開発に費やす期間は5~7年。こうした通常の開発計画と比べるとAppleの目標設定は挑戦的ですが、米EVベンチャーTesla Motorsの成功がこの分野の新規参入障壁を低くしたといいます。Appleなどの新規参入企業によるEVの開発は、当初思われていたほど困難なものではないとする専門家の意見を、Bloombergは伝えています。

 この「2020年」というタイミングも一つの重要なポイントとなりそうです。既存自動車メーカーのGMと、すでに電気自動車(EV)を発売しているテスラは、1回の充電で200マイル(約360km)を走行できる新型EVを2017年に登場させることを目標としており、これら車両の登場によって、「The Powerhouse」など自動車メーカーにまつわる作品の著者であるスティーブ・レヴィン氏は「EVが一気に普及し、EV時代が到来する転換点になる」と語っています。つまり、Appleは「EV時代」到来の波を捉えるために開発を進めている模様です。

 プロジェクトを率いているのは、元米Ford Motorのエンジニアで、iPodやiPhoneの開発チームの主導に携わった製品デザイン担当バイスプレジデントのSteve Zadesky氏。同プロジェクトにはAppleが2014年9月に、Mercedes-Benz Research & Development North America(MBRDNA)から引き抜いたJohann Jungwirth氏、Fordのコンセプトカーなどを手がけたことで知られる著名な工業デザイナー、Marc Newson氏などが加わっています。

 また米EV向け電池メーカーのA123 Systemsが、優秀なエンジニアを引き抜かれたとしてAppleを提訴したとも伝えられました。Reutersによると、少なくとも11人の元A123 Systems従業員がAppleに移籍しました。Appleはこのほか、60人以上の元Tesla Motors従業員を雇い入れたといいます。


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 Appleは2015年第1四半期の純利益が180億ドル(約2兆1400億円)にも達するという極めて良好な経営状況にあり、その豊富な資金力を武器にさまざまな新規事業の開拓を秘密裏に行っています。その中でも最も注目を浴びつつあるのが自動車業界への参入であり、これは自動車用電池メーカーから人材を引き抜いたとして裁判が起こされているなどの状況からも間違いないと考えられていました。

 Appleは過去にもさまざまな新規参入で成功を収めてきた実績があるのは周知の事実です。さまざまなメーカーが乱立していたMP3音楽プレイヤーの世界にiPodを投入して市場を制したことや、「まさか」と考えられていた携帯電話の業界にiPhoneをデビューさせて非常に大きな地位を築いているのがその典型的な例といえます。

 この自動車業界への「黒船到来」のうわさについて、既存の自動車業界では静観の構えを見せているのが大半の状況ですが、自動車テクノロジーを専門に扱う「Kelley Blue Book」のアナリストであるマット・デロレンツォ氏は「Appleはテクノロジー開発に長けているとは思いますが、自動車業界は基本的に昔ながらbricks-and-mortar(実店舗商品販売を行う企業の世界であり、今後もそうあり続けるでしょう」と、新規参入の難しさを語っています。


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 また、自動車大手のフォルクスワーゲンのマルチン・ヴインターコルンCEOは「新しい競争相手のことはそれほど恐れていません。逆に、彼らの取り組みそのものが、我々にデジタル世界へ注力することを後押ししてくれることになります」と語っています。

 これまでAppleは既存の技術を活用して次々に革新的な製品を登場させてきましたが、果たして自動車の世界でも同様の状況を作ることができるのか、さまざまな方面から注目が集まりそうです。

(ITpro、GigaZineより)
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