体脂肪をふやす原因は甘い物

体脂肪は増えすぎると悪さをする

 肥満の元と敵視される脂肪ですが、そもそも体脂肪は、必要なときに体にエネルギーを提供する「貯蔵庫」の役目を果たすもので、なくてはならないものです。

 体脂肪は主に「皮下脂肪」「内臓脂肪」の大きく2つに分けられます。「これら2つの「脂肪組織」は、食肉の脂身のようなもので、脂肪をため込むことに特化した「脂肪細胞」が集まって形成されています。

 脂肪細胞の中には、エネルギー源としての脂肪が、中性脂肪の形で蓄えられています。脂肪細胞は、太っている人だけでなくやせている人にもありますが、細胞の中に入っている中性脂肪の量が違います。食べすぎなどでエネルギーが過剰なときには中性脂肪が大量に蓄積され、脂肪細胞自体が肥大化します。


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 肥大化した脂肪細胞からは生活習慣病を加速させるホルモンが分泌。さらに、増えた中性脂肪は血管や筋肉、肝臓といった臓器の細胞にも取り込まれ、血管や細胞、臓器、筋肉などの機能を下げてしまいます。脂肪が本当の“敵”となるのは増えすぎたときです。

体脂肪が増えるのは主に2カ所

・皮下脂肪

 全身の皮膚のすぐ下にある脂肪組織で、外の刺激から身を守るクッションのような役割を果たす。また、体の熱を維持する働きもある。運動しても使われるのは内臓脂肪の次となるため、一度ついたら減りにくい。

・内臓脂肪

 多くの内臓は表面が膜に覆われている。その膜と内臓のすき間や、膜と膜とのすき間に脂肪細胞があり、内部に中性脂肪が蓄積。体でエネルギーが不足すると、内臓脂肪はすぐに分解されて肝臓に運ばれ、使われるので減らしやすい。

甘い物の食べすぎで“脂身”が体内で作られる

 甘い物などを食べすぎて、エネルギーとして使われずに余ったブドウ糖は、肝臓や筋肉にも取り込まれますが、その量には限りがあり、残った分は脂肪細胞に入り、中性脂肪に形を変えて蓄積されます。

 甘い物を食べすぎたら太ることは常識として知っていても、「糖」がそのまま体の“脂身”に直結することを認識している人は意外と少ないようです。

 体脂肪を増やしたくないからと揚げ物や肉の脂身をほとんど食べないようにしている人がいますが、一方で甘い物を食べすぎていれば結局、体脂肪は増えることになります。それは中性脂肪を作る2大原料が糖質と脂質のためです。

 糖質は砂糖やご飯、パン、麺などに多く含まれます。食事から摂取した糖質は胃や小腸などでブドウ糖に分解された後、血液によって全身に運ばれてエネルギー源となります。ただし、糖質を過剰に摂取すると、それを分解したブドウ糖も過剰になり、血液中のブドウ糖の濃度(血糖値)が上昇します。すると、インスリンが多く分泌され、ブドウ糖は筋肉や脂肪細胞に取り込まれます。このとき、脂肪細胞の中でブドウ糖は脂肪酸に変化しますが、その種類はステアリン酸やパルミチン酸といった肉の脂身に多い飽和脂肪酸です。糖のとりすぎが“脂身”の多い体へと直結する理由です。

 血液中のブドウ糖は、食後1時間ぐらいに最も増え、過剰分はすぐに脂肪へと変化していきます。脂肪に変えずエネルギーとして使うには、食後できるだけ動くことです。

脂質もとりすぎると体内にたまる一方

 糖質オフダイエットが広く知られるようになり、糖質さえとりすぎなければ、たんぱく質や脂質はどれだけとっても太らないと考えている人もいるかもしれません。しかし、脂質も過剰に摂取すれば、やはり肥満の元となります。

 例えばビタミンCのような水溶性成分の場合、必要以上に摂取した分は尿中に排出されますが、水溶性成分とは異なり、脂溶性の成分は必要量を超えた分も体内に蓄積します。脂質も同様で、多すぎる分を体外に排出する仕組みは体に備わっていません。

 ごく一部には、体脂肪となりにくい脂質もあります。ココナツ油などに多い中鎖脂肪酸は肝臓に入りエネルギーとして使われます。魚油に多いDHAやEPAは中性脂肪を減らす働きがあります。これらを除くと、油の種類によって脂肪のつき方に大きな差があるわけではなく、問題なのは量です。どんな油でも、とりすぎないことが大切です。

 食事で摂取した脂肪を必要以上に体内に取り込まないためには、食物繊維など、脂肪を吸着して便中に排出する成分を一緒にとるのも効果的です。

脂肪細胞は大人になっても増える

 脂肪細胞の数は子どものころに決まったら、一生変わらないという説がありますが、脂肪細胞の数が急激に増えるのは幼児期と思春期の2回で、このとき、数はある程度決定されます。しかし、太りすぎると大人になっても増えることがあります。

 糖質や脂質のとりすぎなどでエネルギーが過剰になり中性脂肪が蓄積されると、脂肪細胞はどんどん肥大化していきます。これ以上脂肪をため込めないという限界まで大きくなると、前駆脂肪細胞が脂肪細胞となり、脂肪細胞の数が増えます。実際に、肥満の人には大小の肥満細胞が混在しています。

 女性の場合は女性ホルモンのエストロゲンが減少する更年期になると内臓脂肪が増えやすくなります。脂肪を増やさないためにも、脂肪をため込まないような生活習慣を継続していくことが大切です。

(日経ヘルス&メディカルより)

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